不動産証券化マスター 過去問で重複出題のテキスト箇所⑦
テキスト103上
TMK優先出資社員は、優先出資につき社員総会における議決権を有しない。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りではない。
優先出資社員の議決権の行使方法は、人数の限界なく書面議決できるようになっている。また、定款で、優先出資社員が総会に出席しないで、かつ議決権を行使しないときは、有議決権事項につき賛成するものとみなすという規定を置くことができる。
TMKの業務開始届出後に、利害関係人全員の承諾により資産流動化計画を変更して新たに特定資産として追加した上で取得することが可能である。ただし、現物不動産の場合には、既存の特定資産と密接関連性を有しない宅地・建物を新たな特定資産として取得することは、認められない。
TMKによる取得制限として、組合の出資持分の取得は禁止されているが、例外として、不動産信託受益権の取得および管理・処分に係る業務を営む組合の出資持分は取得できる。
TMKは、法第200条第1項で「特定資産の管理および処分に係る業務を行わせるため、これを信託会社などに信託しなければならない」とされている。
業務開始届出を行ったTMKには、宅建業法は適用されない。
資産流動化法上は、その委託の内容が、例えば特定資産の処分という投資判断について一任運用を委託する必要まであるのか、明確ではない。特定資産が現物不動産である場合には、「特定目的会社は、資産流動化計画に従い譲り受けた不動産の売買、交換または賃貸に係る業務については委託しなければならない」とされており、判断の一任まで委託しなければならないとまで規定していない。特定資産が不動産信託受益権である場合、信託受託者が既に存在するので、資産流動化法上は、別途特定資産管理処分受託者を置く必要はない。実務では、別途、信託受益権の管理および処分に係る業務についてアセットマネージャーに委託するが、これは同法上の規定によらない任意のものである。
TMKの取締役または使用人が自ら募集などを行う場合には募集の届出義務はないが、特定譲渡人(オリジネーター)が行う場合には募集などの取り扱いに該当し、届出は必要となる
任意組合は組合債務について無限責任を負う。匿名組合については、匿名組合員は営業者の行為につき第三者に対して権利・義務を有しないとされる。
投資事業有限責任組合では、許容される事業目的の中には、現物不動産の取得および保有はないので、有責組合で現物不動産を取得、保有、売買などをすることはできない。
不動産特定共同事業法では、対象不動産の保有および取引を行う法主体がSPCのような会社でも認められるようになった。この制度を特例事業という。特例事業者自らは許可を取得することが不要であり、届出義務を負うだけとなった。特例事業者は倒産隔離されたSPCでも良いため、この新たなスキームは倒産隔離型スキームとも呼ばれる。現物不動産を対象にしたGK-TK方式の仕組みが誕生し、第三号事業者がAMのような位置づけとなる。
特定投資家のうち不動産に対する投資に係る専門的知識および経験を特に有すると認められる者として主務省令で定める者を新たに「適格特例投資家」と定義づけ、許可、登録義務をさらに緩和して事前届出だけで事業を行うことのできる「適格特例投資家限定事業」という仕組みを導入した。
約款規制は、特例投資家には適用されないことになった。適格特例投資家限定事業にも約款規制は適用されない。特例投資家は以下の通りである。①不動産特定共同事業者、②認可宅地建物取引業者、③不動産投資顧問業者、④オリジネーター、⑤金商法上の特定投資家、⑥有限責任事業組合
特例事業者は、第三号事業に係る不動産特定共同事業契約の締結の勧誘に係る業務を行う行為を、第四号事業を行う者に委託しなければならない。
特例事業者が不動産特定共同事業契約を締結する行為は、特例事業者によるみなし有価証券の発行になり、第三者が発行にかかる加入行為を行う場合には、金商法上の私募の扱いになり、第二種金融商品取引業の登録が必要になる。当該第三者は特例事業者による不動産特定共同事業契約の締結の代理または媒介を行うことになり、本法上の第四号事業者の許可を得る必要がある。四号事業を行う場合の許可申請においては、第二種金融商品取引業の登録をしていないことは許可の欠格事由となっている。
オリジネーターたる当初委託者兼受益者は、不動産信託受益権の発行に際して、発行者として自ら相手方(譲受人)に対して「私募」の中核概念である取得の申込みの勧誘をしても、不動産信託受益権は「私募」の対象にはなっていないので、自らは金融商品取引行為を行っていることにはならず、業として行っても、金融商品取引業(第二種金融商品取引業)の登録は要しない。
「販売」という側面では、不動産信託受益権の所有者が販売を業として行う場合は、勧誘の全部を第二種金融商品取引業者に任せれば、受益権の所有者(売主)自体は、登録は不要になるという除外規定がある。
匿名組合員の有する権利は、集団投資スキーム持分の一つ。2013年の金商法改正で、不動産特定共同事業法上の特例事業者と締結した組合契約に基づく権利も集団投資スキーム持分となった。