中間管理職のための報連相講座
はじめに
「ちょっと日々の報連相で意識していることを講義してもらいたいんだよね」
先日、私がとある社長に言われた言葉です。
はじめは新卒向けの説明だと思い、二つ返事でokしたのですが、よくよく聞いてみると、事業部長やリーダーなどの管理職クラスへ向けて説明して欲しいとのこと。
ここではじめて、依頼された講義の難易度の高さに気づいたのです。
私は今まで、主任や係長、事業部長、役員や社長、果ては業務委託を受けていた会社の現場リーダーや社長など、様々な役職や立場の方に報連相をしてきました。
それぞれ役割が異なるので、当然必要な情報も変わってきます。
そして、上のレイヤーになればなるほど、今まで報連相してきたレイヤーと異なる人とのコミュニケーションが発生するので、難易度が上がったように感じますが、コツを掴めば明日からでも的確な報連相を行うことが可能です。
今回は中間管理職〜幹部候補の方に向けて、社長や役員などの上位レイヤーに向けた報連相のコツをご紹介します。
もちろん、これから経営幹部を目指す方、幹部候補に報連相を徹底させたい社長にも役に立つ内容になっていると思います。
コラムの最後には、実際に私が複数社の社長とやりとりした具体的なコミュニケーション事例も含めた報連相勉強会資料も添付しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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ボス理解
まずはじめに、しっかり把握する必要があるのは、コミュニケーション相手となる社長や経営の理解です。
おすすめは以下の3つの切り口で考えてみることです。
1、人間性
2、経営資源
3、経営方針
順番に説明していきましょう。
1、人間性
社長も役員も人間です。
つまり、部下から報告を受けているあなたと、受け手としての本質は何も変わりません。
例えばあなたの部下で、こいつ報告がうまいなーとか、気がきくなーと思う人を思い浮かべてください。
その方は、欲しいタイミングや隙間時間をうまく活用して報連相を差し込んで来ませんか?
私の仮説ですが、そのような人は、上司をしっかり観察し、行動や思考を理解した上で報連相をしてくるので、ポジティブな印象を持ってしまうのです。
出来る人は自然にできているかと思いますが、意外と出来てない人も多いのではないでしょうか。
社長との会話上での頻出キーワードや、普段の行動や持ち物、プライベートの話まで、人間理解をとことん行いましょう。
私が過去に接触してきた社長の特徴の一部をご紹介します。
朝型、即レス、短期、8時からカフェで仕事している、新しいもの好き、SNSで毎日発信している、育成方針にこだわりを持っている、予算管理が苦手、データ分析が苦手、心配性、 etc...
例えば、「心配性」という特徴を持つ社長に対しては、報告の頻度を週2回にしたり、
「8時からカフェで仕事している」ことが分かっていれば、早朝はチャットラリーにも付き合ってくれる可能性が高いので、普段できないような細かい相談をする
など、工夫を凝らしたコミュニケーションを行うことができます。
2、経営資源
経営資源とは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4要素のことです。
経営層との会話では、単語こそ変わるものの、最終的には上記の4要素の話になります。
「ヒト」や「モノ(サービスやプロダクト)」は現場でも触れているのでイメージしやすいかと思いますが、会社の財務状況を指す「カネ」に関してはなかなかとっつきにくいと思います。
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10年以上事業会社でマーケティング/事業開発に携ってきました。昨年立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数700人規模まで成長。マーケター向け勉強会や懇親会を主宰し企業とマーケターの最適なマッチングやマーケターの繋がりを活発化させるべく奮闘中。