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採用マーケティング思考で人事をやってみた①

おはようございます。

遡ること、2018年7月。
平成最後の年に私は、突然中途採用人事の担当者になりました。

経験のない採用人事という職種ということに加え、採用の期限はたったの三ヶ月。

唯一の拠り所となるマーケティング思考で中途採用に当たっていく上で考えたこと、やってみたこと、成功・失敗したことなど実践的な内容を中心に紹介していきます。

会社規模的に参考になるのは、従業員30〜120人程度のベンチャー寄りの会社かと思います。

採用管理システムを導入する余力がなかったり、人事経験があまりない中で、成果を求められている、という人に対して役立つ情報だと思いますので、該当する方はぜひご一読いただけますと幸いです。

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募集ポジションの基本要件を確認しよう

採用活動を始める前に、はじめに私が行ったことは、
・どんなポジションを
・いつまでに
・何人
・いくらで
・どんな理由で

そろえなければならないのか、を依頼者(社長)に徹底的に確認しました。

これらの前提部分のすり合わせが出来ていないと、報告や提案の度に軌道修正を受けることになり、誰も幸せになりません。

例えば、10名採用したよ!という結果が出たときに「バカヤロー5人足りないだろ!」というようなお粗末な結果になる可能性があるということです。

また、採用活動を行う理由についてもヒアリングしておくことで、将来的に依頼が来そうなポジションを察知できたりするので、先手で気の利く動きができるようになります。

ちなみに、私が今回募集したポジションは以下の職種でした。

・WEBライター職
・メディア編集職
・コンサルティング職
・WEB広告営業職
・事務職

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絶対ブレない理想のペルソナを設定しよう

ここでいうターゲットペルソナとは、「こんな人が欲しい!」という理想人物の要件定義のことです。

個人的に一番採用において肝となる部分だと考えています。

私は運良く社内のキーマンとほかのプロジェクトでも仕事をしていたこともあり、ラフにチャットや雑談の中で各部署の求める人物要件をヒアリングしていきました。

逆に、そこまで関係性が出来ていなかった部署とは、しっかりオフィシャルの打ち合わせの機会を作って要件を深掘りしていきました。

聞き方としては、こんな感じです。

MUST:これを満たしてないと絶対に選考通過させないという譲れないポイント
WANT:これがあれば選考通過の可能性が高まるというポイント
CAN:これがあるとボーナスポイントがついてさらに選考通過の可能性が高まるというポイント
好み:面接者(部長や最終意思決定者)が感覚的に好む特性

イメージ的には上記の4軸を持ち点25点とし、合計点の100点に近づくほど、理想の中途採用ターゲットペルソナ像が出来上がるという感じです。

「MUST」〜「好み」にいくにつれて抽象度が上がるので、時には、ヒアリングしてもざっくりした答えしか返ってこなくなる場合があります。

その時には、『社内で言うと誰みたいなタイプですか?』『その人の評価ポイントはどこですか?』という質問に切り替えましょう。

実は依頼主となる社長や役員、人事部長の頭の中には、言語化できてないものの、中途採用したい人のイメージが固まっている場合が多く、ほとんどの場合、ベンチマークとなる社内の人間がいるものです。

この作業をすると、採用担当者の中でも、採用すべき人のイメージが鮮明になってくるので、全体的に面接の通過率が上がります。

社内の人物であれば、何かしらの接点がある場合も多いですし、接点がない場合も、人事という立場であれば、容易にヒアリングの機会を得ることもできるでしょう。

非常に時間対効果の良い質問なので、おススメです。

さらに、特に成長期のベンチャー企業だったりすると、上記の4軸は時間とともに変わる場合が往々にしてあります。
確認頻度としては、二週間に一回くらいは確認しておくと安心でしょう。

また、二次面接以降の面接官からの面接のFBはアップデートの大チャンスです。

落とした理由の中に、ここ必須なんかい!という要件が入っていたり、MUST条件と行っていたのに、キャラがいいから通すんかい!など、最初のヒアリングからのギャップは確実に出てくるので、根気強くアップデートしていきましょう。

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「採用要件シート」で候補者イメージの目線合わせを行おう

ある程度、ヒアリングや面接時のフィードバックが進むと、理想の候補者のイメージが具体化されてきます。

そこで、次のステップとして候補者ペルソナシートの作成に入りましょう。

私はこのシートを「採用要件シート」と呼んでいます。

採用要件シートを作成する目的としては大きく2つの理由があります。

1、採用要件シートがあることで、採用に関わる人同士で、会社の求める人材の共通認識が持てること
2、今後、同ポジションの採用をする上での参考資料になること

採用活動は、社内外のコミュニケーション能力が総合的に試される仕事です。

コミュニケーションの定義はそれぞれありますが、採用におけるコミュニケーション能力の高さとは、「認識の相違を極限まで排除できているかどうか」で測られるものだと考えています。

社長との認識相違、現場リーダーとの認識相違、求職者との認識相違、エージェントとの認識相違など、上手く情報伝達が出来ていないと、そこから様々な問題に派生します。

そこで、採用要件シートを活用し、文字でまとめていくだけで、採用関係者との共通認識が取りやすくなり、コミュニケーションが格段に捗ります。

参考までに、以下に事務職の作成イメージをご紹介します。

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10年以上事業会社でマーケティング/事業開発に携ってきました。昨年立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数700人規模まで成長。マーケター向け勉強会や懇親会を主宰し企業とマーケターの最適なマッチングやマーケターの繋がりを活発化させるべく奮闘中。