【経済指標】消費者物価指数-CPI(2024年11月)
総合CPI(前年比)
結果:2.7% 予想:2.7% 前月:2.6%
コアCPI(前年比)
結果:3.3% 予想:3.3% 前月:3.3%
総合CPI(全品目)
長期チャート(2000年1月〜)
11月のCPIは前年同月比2.7%の上昇を記録し、2カ月連続で加速しています。この数値は市場予想と一致していましたが、7月以来の高い水準となりました。
コアCPI(エネルギーと食料品を除いた全品目)
長期チャート(2000年1月〜)
食品とエネルギーを除いたコアCPIは3.3%の上昇率を維持し、9月以降変化していません。これは根強いインフレ圧力が経済全体に存在することを示唆しています。
短期チャート(2020年1月〜)
品目別
食料:2.4%
エネルギー:-3.2%。 とくにガソリンは-8.1%
住宅費:4.7%
所見
インフレ率の低下が足踏みしていることを示唆しており、連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%の達成には時間がかかる可能性があります。
市場では、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げが予想されていますが、インフレの鈍化が進まない場合、今後の利下げペースが減速する可能性も指摘されています。
また、エネルギー価格の動向や住宅費の上昇が続く中、消費者の購買力への影響も懸念されています。 特に、食料品やガソリン価格の変動は家計に直接的な影響を及ぼすため、今後の物価動向を注視する必要があります。
総じて、11月のCPIデータは、インフレ抑制の進展が停滞していることを示しており、FRBの金融政策や市場の動向に影響を与える可能性があります。 特に、今後のエネルギー価格や住宅費の動向が、インフレ率や消費者の購買力に与える影響を注視する必要があります。
参考:消費者物価指数について
消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)は、物価動向を測るための重要な経済指標。CPIは、都市部の消費者が購入する商品やサービスの平均価格変動を追跡し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使われる。
CPIの定義
CPIは、都市部で生活する消費者が購入する商品やサービスの「バスケット」の価格変動を追跡します。このバスケットには、食料品、エネルギー、住宅、衣料、医療、輸送、娯楽など、日常生活に必要なものが含まれています。
CPIは、インフレの進行状況を把握するための主要なツールとして使われ、連邦準備制度(FRB)が金融政策を決定する際の参考にされることが多いです。
CPIの種類
Headline CPI(総合CPI): すべての商品・サービスを含む指標。エネルギーや食品など価格変動が激しい要素も含むため、月ごとの変動が大きくなることがあります。
Core CPI(コアCPI): エネルギーと食品を除いた指標。これらは価格変動が大きいため、インフレの長期的なトレンドをより正確に反映させるために除外されています。コアCPIは、基調的な物価動向を捉えるために注目されます。
CPIの影響
インフレの指標: CPIの上昇はインフレを示し、購買力が減少していることを意味します。逆に、CPIの低下はデフレーション(物価の下落)を示します。
政策決定への影響: CPIは米国連邦準備制度(FRB)や政府の金融・財政政策の重要な指標です。FRBは、インフレ率を抑制するために金利を引き上げたり、逆に経済刺激のために金利を引き下げたりする際に、CPIを参考にします。
賃金や年金の調整: 多くの賃金契約、年金、政府給付金は、CPIに基づいてインフレ調整が行われます。これにより、インフレが進んだ際に、実質的な生活水準が維持されます。
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