【経済指標】消費者物価指数-CPI(2024年9月)
長期チャート(2000年1月〜)
全品目
2024年9月の総合CPIは前年同月比+2.4%となり、市場予想の+2.3%をわずかに上回りました。実際は+2.44%です。 これは2021年2月以来の小幅な上昇となっています。前月の+2.5%からはわずかに低下し、インフレ率が緩やかに落ち着いている傾向が続いていることがわかります。6か月連続で低下傾向が続いています。
前月比では+0.2%となり、市場予想の+0.1%を上回り、8月と同じ伸び率を維持しました。
エネルギーと食料品を除いた全品目
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前年同月比+3.3%となり、市場予想および前回結果(いずれも+3.2%)を上回りました。前月比でも+0.3%と市場予想を上回り、基調的なインフレの高止まりがやや意識される結果となりました。
短期チャート(2020年1月〜)
品目別
食品: 前月比+0.4%となり、8月の+0.1%から上昇しました。前年同月比では+2.3%と、健全な範囲での物価上昇と言えます1。
エネルギー: 6.8%下落し、特にガソリン価格は4.1%の下落が見られました。これがCPI全体の低下要因となっています。主な要因は、原油価格の下落によるガソリン価格の低下(-4.1%)です。
家賃: 伸び率が鈍化傾向にあります
所見
これらのデータは、インフレ圧力が緩和されつつあることを示していますが、一部の項目では依然として価格上昇が見られます。特に、サービスセクターにおける家賃の上昇が依然として高い水準にあることが全体的なインフレ率に影響を与えています。
消費者の反応としては、約72%の消費者が景気の影響で食料品の価格上昇を実感しており、55%は現在の経済状況を否定的に捉えています。これにより、消費者は慎重な購買行動を取っており、特に食料品への支出が増加していると感じています。
このCPIデータは、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策に重要な影響を与える可能性があります。市場では11月に予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)での0.25%ポイントの利下げが高い確率で織り込まれています。しかし、FRBは雇用統計や個人消費支出デフレーター(PCE)などの他の経済指標も考慮しながら、慎重に政策を決定すると予想されます。
総じて、このCPIデータはインフレの鈍化傾向を示していますが、FRBの今後の政策決定や経済全体への影響については、引き続き注視が必要です。特に、大統領選挙や経済政策の変化がインフレに与える影響についても考慮することが重要です。
参考:消費者物価指数について
消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)は、物価動向を測るための重要な経済指標。CPIは、都市部の消費者が購入する商品やサービスの平均価格変動を追跡し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使われる。
CPIの定義
CPIは、都市部で生活する消費者が購入する商品やサービスの「バスケット」の価格変動を追跡します。このバスケットには、食料品、エネルギー、住宅、衣料、医療、輸送、娯楽など、日常生活に必要なものが含まれています。
CPIは、インフレの進行状況を把握するための主要なツールとして使われ、連邦準備制度(FRB)が金融政策を決定する際の参考にされることが多いです。
CPIの種類
Headline CPI(総合CPI): すべての商品・サービスを含む指標。エネルギーや食品など価格変動が激しい要素も含むため、月ごとの変動が大きくなることがあります。
Core CPI(コアCPI): エネルギーと食品を除いた指標。これらは価格変動が大きいため、インフレの長期的なトレンドをより正確に反映させるために除外されています。コアCPIは、基調的な物価動向を捉えるために注目されます。
CPIの影響
インフレの指標: CPIの上昇はインフレを示し、購買力が減少していることを意味します。逆に、CPIの低下はデフレーション(物価の下落)を示します。
政策決定への影響: CPIは米国連邦準備制度(FRB)や政府の金融・財政政策の重要な指標です。FRBは、インフレ率を抑制するために金利を引き上げたり、逆に経済刺激のために金利を引き下げたりする際に、CPIを参考にします。
賃金や年金の調整: 多くの賃金契約、年金、政府給付金は、CPIに基づいてインフレ調整が行われます。これにより、インフレが進んだ際に、実質的な生活水準が維持されます。
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