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【9月5日】米労働指標は軟化継続か

現在の為替市場のトレンド

ドル円は米求人件数の予想を大きく下回る結果を受けて、143円台に下落した。これは、米国経済の軟化と利下げの可能性が市場で意識され、ドルが売られているためだ。また、米国債利回りの低下もドル安の要因となっている。特に、政策金利に敏感な2年債利回りが急低下し、ドル円相場を押し下げた。8月5日に日経平均株価が過去最大の下落幅を記録してから、およそ1か月が経過した9月4日の東京市場で、日経平均株価は一時1,500円を超える大幅下落となった。金融市場の不安定な状況はなお続いており、わかりやすいリスクオフ相場となっている。9月3日に発表された8月米ISM製造業景況感指数の内容で、先行指標となる新規受注は44.6と7月の47.4から低下、生産も7月の45.9から44.8へと低下し、2020年5月以来の低水準となったことが、米経済の先行きを良くないものとしているようだ。全体として、ドル円は現在下落トレンドにあり、短期的にはさらにドル安が進行する可能性がある。

朝方までの振り返り(昨日の経済指標と要人発言)

米国7月JOLTS求人件数が767.3万件となり、予想の810.0万件を下回った。また、前回分も大幅に下方修正され、労働市場が予想より弱いことが明らかになった。この結果、ドル安と米国債利回りの低下が進み、米国経済の減速懸念が高まる結果となった。

米国債利回り
特に政策金利に敏感な2年債利回りが急低下し、2-10年債の逆イールドが一時解消された。これは2022年以来2回目の現象で、利下げ期待が高まる。

利下げの織り込み状況
短期金融市場では、9月FOMCで0.50%ポイントの大幅利下げの可能性が45%、0.25%ポイントの利下げが55%と、市場は100%の確率で利下げを織り込んでいる。

本日の注目ポイント(経済指標と要人発言の時間)

・高田日銀審議委員の発言(10:30)
ADP雇用統計 (21:15)
新規失業保険申請件数 (21:30)
・ISM非製造業景況指数
(23:00)

米国 ISM非製造業景気指数:月次 23年8月以降

高田氏はタカ派。本日も0.50%への追加利上げに言及するかに市場の注目が集まる。

市場の意思

市場は米国の経済指標を受け、利下げをほぼ確実視している。短期的には米ドルの売り圧力が強まっており、特に日本の政策金利に対する期待が比較的強いことから、円への資金流入が進む可能性がある。日銀がタカ派的な姿勢を強めるかが焦点となっている。
市場はリスクオフ相場となっており、今後の米金利も下がることが期待されているため、ゴールドにも資金が流入しやすいと考えられる。

今後の推移

ドル相場は引き続き米国の経済指標と金利動向に引き続き大きく影響されると予想される。現在の市場は利下げを完全に織り込んでおり、今後のドル安トレンドが継続する可能性がある。本日の米労働指標の継続した軟化、ISMサービス業の軟化などが確認されると米経済の先行きが悪いことが懸念され、さらなるドル売りの要因となる可能性もある。

現状で最も買われやすい通貨

円・ゴールド
米国の利下げ期待や経済の先行きに対する懸念(リスクオフ)、日本の経済指標が改善する見通し、さらにタカ派的な日銀の発言が期待されていることから、円やゴールドに資金が流れる可能性が高い。

※本記事は投資助言に関するものではございません。投資判断は自己責任の上お願いいたします。

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