【10月8日】中東リスクは依然高いまま
現在の為替市場のトレンド
原油価格が中東情勢の緊迫化で急騰したのち、昨日は反落している。これは中東リスクの後退ではなく、中国の追加家気刺激策がなかったことからの失望感の下げだ。
ドル円は現在、148円台に戻り、リバウンド相場が続いている。これは、先週の強い米国雇用統計を受けてドル買いが優勢となり、FRBの利下げ期待が後退したことが要因であり、昨日の日本実質賃金のマイナス推移も含まれている。特に、心理的節目である150円回復に向けた動きが注目されており、中東のヘッドラインに注意しながら本日もドル円は上昇をしていくものだと思われる。
朝方までの振り返り
経済指標
先週末の米国雇用統計は予想を大きく上回る強さを示した。これにより、米国経済の堅調さが確認され、短期的にはドル買いが強まっている。
日本の実質賃金は前年同月比-0.6%と、3か月ぶりにマイナスとなったことから円はさらなる売りが入っている。
要人発言
FRBメンバーの中にはタカ派的な発言が増えており、11月のFOMCでの利下げの可能性が後退している。具体的には、0.50%の利下げは完全に排除され、0.25%の利下げについても織り込まれていない状況だ。タカ派的な姿勢がドルのサポート材料となっている。
アトランタ連銀総裁、インフレと雇用両面でリスクのバランス目指す - Bloomberg
本日の注目ポイント(経済指標と要人発言)
中東情勢
現在の中東情勢の緊迫化は地政学的リスクを高めている。
ネタニヤフ首相はガラント氏の訪米に先立ち、バイデン大統領と話したい意向だというが、実際はどうなるかはまだ不明だ。
継続して中東関連のヘッドラインには注目していきたい
イスラエルのガラント国防相、訪米は延期-米国防総省 - Bloomberg
市場の意思
市場は、FRBの利下げ期待の後退を背景に、ドル買い優勢の姿勢を維持している。反対に、円買い材料は中東の地政学的リスクのみと少なくなっている状況だ。赤沢再生相の「日銀の政策は信じてよさそうだ」との発言もハト派的であり円売りの要因となっている。
デフレ脱却最優先で日銀と連携、今の政策判断「信じる」-赤沢再生相 - Bloomberg
今後の推移
ドル円は、米国のインフレ指標の発表を控え、150円の心理的節目を試す展開が予想されている。また、日銀の12月利上げ観測が背景にあるため、急激な円安は抑制される可能性がある。中東情勢や米国大統領選が不透明な要因として残り、ドルの変動幅が限定される見通しだ。
しかし、米大統領はやはりトランプとなりそうだ。副大統領もヴァンス優勢なので、トランプトレードの再開も近いと考えられる。
イスラエル、地上戦拡大を示唆 レバノン南部に追加派兵へ | ロイター (reuters.com)
現状で最も買われやすい通貨
ドル
強い米国雇用統計とFRBのタカ派姿勢がドル買いの材料となっており、引き続き注目される通貨。リスク回避時には安全資産として(円も優位性の高い安全資産)買われやすい傾向が見られる。
※本記事は投資助言に関するものではございません。