【8月6日】ドル円は更に下落か?
円は7カ月ぶりに安値からやや持ち直し、ドル円はこの短期間で162円付近から20円もの下落を見せた。連続する経済指標の悪化から米国の景気後退懸念が急浮上し、米利下げの折り込み度が加速し、日銀の連続利上げの可能性から円買いが進んでいた。しかし、米7月ISM非製造業景況指数が予想を上回るとドルが買われ、ドル円も146円付近までの上昇を見せている。パニック相場で急激な値動きを見せている相場だが、落ち着いた後に金利差から円売り再開になるのか、米国利下げにより、さらに円高になるのかは、今後のファンダメンタルズを見て判断したい。過去の傾向は米利下げ時は円高になりやすい傾向がある。
朝方までの振り返り
ISM非製造業景況指数(7月)
予想51.1に対して結果は51.4(前回48.8)
本日の注目ポイント
15:00-三者会合
三村財務官、井藤金融庁長官、加藤理事が出席
市場の意思
市場はリスク回避の雰囲気が広がっており、FRBの大幅利下げ観測が強まり、ドル安・円高の動きが見られている。また、米株式市場も不安定で、投資家心理が緊張状態なため、リスクオフ時の取引が行われている。
今後の推移
米国の経済指標が予想を下回る場合、ドル安がさらに進む可能性があるが、今週の米指標に特に大きなものはない。FRBの利下げ期待が高まる中、株式市場の動向にも注目が必要となっており、金融市場が安定を取り戻すまではもう数週間の時間を要するのではと思われる。
シナリオの一つとして、2023年に進んだ円安・株高の調整はまだ残っていると考えると、2023年に生じた行き過ぎの調整がなされるとすれば、ドル円レートは1ドル130円程度まで戻る余地があるとも考えられる。
米国経済が失速を免れるのであれば、そこまでの調整にはならないだろうが、米国経済が更に失速し、それに伴う金融面での問題が米国発で世界に広がる事態となれば、現在以上の調整となる可能性もあるだろう。株価の下落が続く場合、今後もリスク回避の円買いが強まる可能性がある。
現状で最も買われやすい通貨
円
リスク回避の動きが強まり、円が買われやすい状況にある。
米国の経済指標が悪化し、利下げ折込の加速が発生した場合、さらなる円買いが進む可能性がある。
※本記事は投資助言に関するものではございません。