
【1月30日】タカ派的据え置き・政府圧力感じず
市場の現在のトレンド&朝方までの振り返り
FOMCでは政策金利を4.5%–4.75%で据え置き、利下げを急がない姿勢を明確にした。予想通りの発表内容となった。無難に通過したともいえるだろう。会見では、データを見極めるとしつつも、経済の堅調さとインフレの高止まりに追及していた。パウエル議長の発言は、今後のFRBの行動に対する言質をとらせまいと感じさせる内容だった。
インフレ動向をどうFRBが捉えているかというと、インフレは依然として高止まりしており、進展に関する言及が声明から削除された。
経済環境については、労働市場は堅調、経済成長も継続。市場は今後の経済指標を慎重に見極めるフェーズに。
市場の受け止め方としては、全体的にタカ派的なトーンと捉えられ、利下げ期待が後退。

株式市場では、利下げ期待が剥落し、一時的に売り圧力が働いたが、経済の強さを考慮すると急落は限定的で反発。
本日の注目ポイント
15:10 氷見野日銀副総裁の発言
19:00 第4四半期GDP【速報値】
22:15 ECB政策金利&声明発表
22:30 新規失業保険申請件数
22:30 第4四半期GDP【速報値】/個人消費【速報値】
22:45 ラガルドECB総裁の記者会見
市場の意思&今後の推移
パウエル氏のスタンスとしては、景気はしっかりしており、これ以上あわてて利下げする必要は乏しくなってきたというもの。タカ派的なFOMCを受けて、利下げ期待が後退し、ドルは強含み。しかし、市場の予想と一致していたので、今後の材料が重要となってくる。FOMC声明からインフレ率が2%の目標に向けて「進展」しているとの文言を削除したことを受け、短期金利先物市場でFRBは6月まで利下げを見送るとの観測が高まった。
市場参加者は、今回のFOMCをどのように見ているかをまとめてみた。
ジェフリー・ガンドラック
今年の利下げは1〜2回が限度。金利はまだピークに達していない(タカ派)
シーマ・シャー
FOMC声明はタカ派的だが、市場は新政権の政策に応じる形で推移(中立)
デービッド・ラッセル
3月会合までは据え置き姿勢(タカ派)
ゴールドマン・サックス
「一時停止ボタンを押した」=次の利下げにはインフレのさらなる進展が必要(ややタカ派)
エバコアISI
パウエル議長の記者会見について、声明の変更よりも「かなりタカ派色が薄まった」(中立)
現状で最も買われやすい通貨
米ドル
FOMCのタカ派的姿勢を背景に買われやすい。
米経済は堅調であり、依然米国1番は続いている状況だ。金利も高く据え置かれており、米ドルは他通貨に対して魅力的な立場にあるだろう。
※本記事は投資助言に関するものではございません。投資判断は自己責任の上お願いいたします。
リスク要因としては、加藤勝信財務相は29日、米国のスコット・ベッセント財務長官とテレビ電話会談し、為替について両者の間で緊密に協議することを確認したと記者団に語った。との記事が出ているが、何か行動に移してくるときだろう。その場合は、円高方向に推移すると感がえられるが、今のところは何も出てきていない。