人の脳は省エネで動く
最近、財布を長財布からカードケース&小銭入れにしたのですが、サイズ自体がかなり小さくなったのでかばんの中のいつも入れていた箇所から省スペースのエリアにカードケース&小銭入れを移しました。
そして気づいたことがあります。
改札で定期をタッチするときに、今まで使っていたエリアから定期を取り出そうとする。何回も(笑)。
定期入れ=Aスペースにあるという知覚ができていて、Bスペースに移動した場合でもその知覚を更新してくれていないんですね。僕の脳は。
人の脳は省エネ構造になっています。毎回、財布の場所はどこか?という指示を出すとそれだけ毎回カロリーを消費してしまうため、知覚させてしまい、それ以降はその情報にカロリーを消費しなくなるわけです。
この例は宣伝にも当てはまり、なぜ先に市場に認知された企業がその後も競争優位に立てるかと言うと、この知覚が影響しているからです。
先日、PayPayがQRコード決済市場において、一人勝ち宣言をしました。
あの大量なCM投下やキャッシュバックキャンペーンの効果は、キャッシュバックで最初にユーザーを取り込むという戦略もありますが、QRコード決済=PayPayという知覚を早期に奪いにいくという戦略もあるわけです。
そして、そのジャンルにおいてリテラシーが高い人は「実はこっちのほうがお得」と知覚を更新させますが、ライト層に関してはその調べることにカロリーを消費しないため、QRコード決済はPayPayでしょ?となるわけです。
ターゲットのプレファランスを獲得する=マーケティングの軸とも言えるかと思います。(プレファランス=消費者のブランド選択における相対的な好意度)