見出し画像

意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?② 体外離脱体験で見た世界

『意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?』第1回では、体外離脱という現象が、旧ソ連(ロシア)やアメリカという超大国によって長年研究され、実際に軍事利用されていた経緯を見て来ました。

今回は、体外離脱によって死後の世界を旅した、ロバート・A・モンロー博士をご紹介しましょう。そして最後に、私自身が体験したお話も。


ロバート・A・モンローの体外離脱体験

アメリカの超心理学者であるロバート・A・モンロー が自身の体外離脱体験を著した『体外への旅 (Journeys Out of the Body)』、『魂の体外旅行 (Far Journeys)』などの著作を発表したことで、体外離脱は世間一般にも広く認知されるようになりました(モンローの体外離脱体験は実に589回にも及びました)。

モンローは自身の体験を元に客観的、かつ統計的な分析、研究を進め、後に「モンロー研究所」を設立。

Hemi-Sync(ヘミシンク)」と呼ばれる特殊な音声技術によるイメージ誘導で体外離脱を体験出来るプログラムを開発しています(米国にて特許も取得されている)。

モンローは体外離脱を経た意識は3つの場所を訪れることが可能だったと言います。

①「ローカルⅠ」…「この世」

私達が普段生活している、いわば「この世」と言ってもいい場所です。肉体を抜け出たモンローは友人に会いに出掛けています。

最初は私達が普段、街中の通りを歩くように「第二の身体(モンローは体外離脱している時の自分の意識をこう呼んでいます)」を移動させていましたが、会いたいと思う相手をイメージすると一瞬でその人の元に移動出来ることに気付きます。

また好奇心旺盛なモンローは、第二の身体で女性の友人に会いに行った際、この友人の身体をつねっています。

後日、この友人に確認するとモンローがつねった同時刻に、つねられたような痛みを感じたことを証言しています。

②「ローカルⅡ」…「死後の世界」「霊界」

ここは「死後の世界」「霊界」といっても良い場所で、そこにいる存在は肉体を持たず、思考と想念によって形成されています。

さらに過去と現在と未来が交錯した、時間の概念すら希薄な世界でした。モンローはこの場所で亡き父や、亡くなったばかりの友人と会っています。見た目はほぼ現実の世界と変わりません。

③「ローカルⅢ」…「反物質」の世界

この世界も現実とそっくりです。モンローは「反物質」によって出来ていると表現しています。

この他にも彼の著書には肉体と第二の身体は、どこまでも伸びるコードで繋がっているという興味深い話しも出て来ます。

他にも17世紀のスウェーデンの科学者であるエマヌエル・スヴェーデンボリ(1688-1772・日本ではスウェーデンボルグと訳される)も体外離脱によって霊界を見聞し、それを多くの著作に著し発表しています(大英博物館に収蔵されている)。

The Monroe Institute(モンロー研究所公式サイト)


私の体外離脱体験

私も、体外離脱の体験者です。

現在にいたるまで何度も体外離脱を体験しています。

最初の体験は10代の終わり頃のこと。

まどろみの直後に浮遊感を感じました。まるで無重力状態の宇宙ステーションの中で横たわっているかのようです。

この時、実際に目が開いているのではないかと思われるくらいに、少しずつ天井が目の前に迫って来るのがハッキリと見えました。

ついに天井が目の前、30cmほどに迫って来たときに、言いようもない恐怖が襲って来ました。

「これはきっと "体外離脱" というやつだ!この状態で何か得体の知れない存在を見たりしたらどうしよう、肉体に戻れなかったらどうしよう...」

私は必死で目覚めようと試みました。それに呼応するように、浮遊した意識がストンっと落下するような感覚がして、次の瞬間、私は布団の中で目覚めました。

それ以来、私はかなりの頻度で、この浮遊体験をしました。その度に、恐怖と不安でいっぱいになり、肉体に戻ってしまいます。

このことがあってから、恐怖と不安を払拭するためにも、モンローを始めとする体外離脱に関連する書籍をたくさん読み漁って知識を詰め込みました。

体外離脱...それは恐れる必要などなく、肉体に戻れないなどということはないこと、それ以上に好奇心を持って臨めば未知の世界を垣間見ることが可能なのだと知ります。

しかし、あの独特の浮遊感は何とも心許なく不安に陥るものであり、恐怖を拭えませんでした。

肉体から意識が抜け出したとき、視線を少しだけ横にずらし、消し忘れたテレビに深夜番組が映し出されているのが確認出来たり、読みかけの雑誌がテーブルの上で開かれているのが見えたりもしました。

しかし、天井近くに漂いながら、少しだけ視線をずらして周囲を見渡す以上の行動がどうしても取れません。

天井すれすれまで上昇しては、恐怖と不安に抗えずに、すぐに肉体に戻るという経験を何度も重ね、数年ほど経過したある日、やっと勇気を振り絞って次なる行動を取ったのです。

いつものように意識が天井まで達した時に、自らの体をよじって体を反転させました。

すると、自分が布団で寝ている姿が見えたのです!これでこの体験が本当に体外離脱なのだと確信しました。自室のインテリアも、布団の柄も、全て現実通りで鮮明です。

この段階に来ると、恐怖と不安よりも少しずつですが好奇心が勝って来ました。

その勢いで、外に出てみようと決意しました。しかし、その日はそれ以上移動することが何故か出来ず、肉体に意識が戻ってしまいます。

そして、しばらく体外離脱を体験しない日々が長く続きました。そんな体験をしていたことも忘れかけていたある日、再びその浮遊感を感じたのです。

私は「その調子だ!」とそのまま自室を抜け出し、ベランダから外に出てみたのです。

勿論この時、ベランダのガラス扉は閉まっています。そこをすり抜けることが出来ました。「向こうの方角へ移動しよう」と思うだけで、スーッと自由に移動出来るのです。

ベランダから飛び出すと、自分の住んでいるマンションの上空に浮かんで周囲の景色を見渡します。夜の街灯りも鮮明に見えているではありませんか。これがモンローのいう「ローカルⅠ」ということになるのでしょう。

その時です!

私のすぐ側に、自分以外の何者かの気配を感じます。最初に体外離脱体験をしたときに感じた恐怖の1つが、離脱した状態で "得体の知れない存在に出会う"ことでした。

今まさにその恐怖が現実のものになるのかと、ふと思いましたが、そのとき何故か恐怖心はなく、ためらわずにその気配がした方向に目をやりました。

何と、そこには少し小太りの中年男性がいました。

パジャマを着ています。「あ!あの人も肉体を抜け出ているんだ」そう思い、話しかけようと相手に近づいた途端、不意に意識が体に戻ってしまいました。

私はどうやら、意識のコントロールが未熟のようです。

この奇妙な体験以降も、現在進行形で体外離脱体験をしていますが、家から遠く離れることは出来ないでいます。


【参考文献】

『魂の体外旅行―体外離脱の科学』ロバート・A・モンロー (日本教文社)
『究極の旅―体外離脱者モンロー氏の最後の冒険』ロバート・A・モンロー (日本教文社)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?