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ISTQB CTAL-TTA にちょっとだけテストできるテスターが合格してみた


はじめに

JaSST nano vol.32 で bun913 さん が「JSTQB TMに開発者が合格したので勉強法とかを共有するの」(スライド動画) という内容で発表されていて、素敵だなと感じて、日本語での情報が少ない ISTQB CTAL-TTA について少し話してみようかと思ったのが、JaSST nano vol.33 で発表するきっかけでした。( 合否結果がわかる前に タイトルを決めて申し込みを済ませてました) JaSST nano ではスライドを最低限用意して、参加者のコメントを受けつつ時間内で話せることを話しましたが、時間枠内でコメントに答えられないこともあったので、スライドでカバーしたこと、できなかったことを含めて記事化してみます。

ISTQB® CTAL-TTAとは?

ISTQB のサイト に、資格の一覧が掲載されています。見ていただくとわかるように、AGILE, CORE, そして、SPECIALIST という3つの区分があり、その「CORE」の 「ADVANCED LEVEL」の中に「Technical Test Analyst」の資格試験があることがわかります。ちなみに、CTAL-TTAは、「Certified Tester Advanced Level - Technical Test Analyst」の略語です。日本では、CT部分も省略して、AL-TTAと表記することが多いようです。参考までに「CTAL」の「CT」部分つまり、「Certified Tester」については、「テスト技術者認定資格」という訳になっています。個人的には「テスト技術者」という訳語となっていることに、「想い」を勝手に感じてしまいました。

出典: https://www.istqb.org/#certifications-diagram

そんな勝手な想いを X で呟くと、あきやま さんからコメントがもらえて(ありがとうございます)確かにそれはもっと思いが込められている!と思いました。(補足: 今は違うになっています)
https://twitter.com/makotookano/status/1759822207486996988

資格試験の位置付け、名前について書いてきましたが、特にTAとTTAの違いについて明確な定義が見つからなく色々探していた時に 秋山さんの 記事(第238回:「ALTAのテキストをつくろう」1 前口上) にたどりつきました。

引用元: https://note.com/akiyama924/n/ndcf3c8d62e24

2012年版 日本語翻訳版のシラバスにおいて、章節 0.4 「前提事項」に下記のような記載があり( ver4.0の英語のシラバスでも同様の記載があります)、それと合わせて、シラバスの内容を踏まえて「ホワイトボックステスト等の高度なレベルの技術を有する」部分の記載が付け加えられたのだと思います。

テクニカルテストアナリストの学習の目的には、次の領域で基本的な経験があることを想定しているものがある。
・プログラミングの一般的な概念
・システムアーキテクチャの一般的な概念

JSTQB-Syllabus.Advanced_TTA_Version2012.J02.pdf (0.4 前提事項 )

期待されるビジネス成果

上記説明以外で、TAとTTAの違いを理解するために、「ALシラバス概要 テストアナリスト/テクニカルテストアナリスト」に記載されている「BO ( Business Outcome )」(認定資格者に期待される)ビジネス成果も参考になりそうです。

※リンク先の資料は TAとTTAの違いを理解するのにおすすめです。

TA認定を取得した認定資格者に期待されるビジネス成果:


引用元:©ISTQB - Advanced Level シラバス概要 (1.2 ビジネス成果)

TTA認定を取得した認定資格者に期待されるビジネス成果:

引用元:©ISTQB - Advanced Level シラバス概要 (2.2 ビジネス成果)

一般的に、テクニカルテストアナリストがテストで注目するのは「どのように」製品が動くかであり製品が「何」をす るかという機能面ではない。

© テスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版テストアナリスト Version 2012.J02

TTAのシラバスでは上記のように、テクニカルテストアナリストがテストに着目するのは「機能面」ではないという記載があり、その後に、最新版のシラバスであれば下記のように、ISO25010 の特性・副特性を用いて、TAとTTAのそれぞれが注目する特性・副特性の考え方の例を示してくれています。

引用元: ©ISTQB CTAL-TTA Syllabus v4.0 (4.1 Introduction)

シラバスの章構成

TAとTTAの違いを理解し、TTAの学習内容を理解する上で、シラバスの章構成を知ることも有効だと思います。

左(TA) / 右(TTA)
引用元:©ISTQB - Advanced Level シラバス概要 (1.2 ビジネス成果)

各シラバスには LO ( Learning Objective ) つまり、「学習の目的」が設定されています。それが上述のBOと紐つく形でシラバスが設計されています。
もちろん、学んだ内容をどう活かすのかは学習者次第ですが、ISTQBとして定義しているBO/LOを参考にしながらも、自分なりの成果、学習目的を設定して学習を進めることができれば、単に資格取得自体が目的化してしまうよりも、仮に試験に合格しなくとも意義があるように個人的に思います。

活用法は人それぞれだと思いますが、どのような学習目的が設定されているのか、興味がある方は、是非前述の ALシラバス概要 テストアナリスト/テクニカルテストアナリスト を参考にしてみてください。 

学習リソース

私が参考にしたリソースは下記となります。

[シラバス・サンプル問題]
https://www.istqb.org/certifications/technical-test-analyst

※上記サイトには、シラバスやサンプル問題以外にも, Exam Structures and Rules, General Files に分類された 関連ファイルがダウンロードできるようになっていて、得点配分や、v4.0での変更点なども知ることができるため、TTA試験を理解するためにはとても有用です。

[Web]
特に、コードカバレッジについて、定義の再確認、理解するために下記サイトに大変おせわになりました。

[Book]
ASTQBのサイトに、ISTQB資格試験に関連した書籍の情報が載っているページがあります(英語)Software Testing Books Related to ISTQB Certification

下記2冊が紹介されており、いずれも日本の amazon.co.jp 経由でも購入可能です。私はどちらとも、Kindle版で購入しました。尚、2冊目は TAにも対応した書籍になっています。 尚、共に現時点で最新版のシラバス(v4.0 と呼ばれる 2021年にリリースされたバージョン)に必ずしも対応できていない部分がある点は留意が必要です。まだ、2冊とも熟読できてはおらずで、必要に応じてつまみ食いした程度となっています。。

Advanced Software Testing – Vol. 3: Guide to the ISTQB® Advanced Certification as an Advanced Technical Test Analyst, Rex Black, Jamie Mitchell (2011), Rocky Nook

物理本 (amazonリンク)※アフィリエイトリンクではありません。
Kindle版(amazonリンク

The Software Test Engineer’s Handbook: A Study Guide for the ISTQB® Test Analyst and Technical Analyst Advanced Level Certificates, 2nd ed., Graham Bath and Judy McKay (2014), Rocky Nook

物理本 (amazonリンク
Kindle版 (amazonリンク

[その他]
必要に応じてYoutubeでもいくつか解説動画をみたりしました。

e.g. MC/DC カバレッジに関しての動画

ISTQBのシラバスには "References" 参照文献の章があり、そこに、参考とした 標準、書籍、Webリソース等の情報がまとまっており、その情報も合わせて活用できると良いと思います。( 個人的には、今後深掘りしたいと思った時にそこを参考にしてみると思います。) 


日本で、英語や他言語でISTQBの試験を受験する方法

こちらもよく聞かれるので具体的な方法を書いておきます。

Step1. 
https://istqb.org の TOPページ 上部メニューから「Training & Exams」→「Find an Exam Provider」を選択

Step2. 
Coutry → 受験を希望する国・地域を選択(e.g. Japan)
Language → 受験を希望する言語を選択 (e.g. English)
Exam → 受験を希望する試験を選択 (e.g. Core Advanced Technical Test Analyst v4.0)
上記選択後、「Search」ボタンを押下

Step3.
受験を希望する、試験を実施している Exam Provider を 決めて、対応する Website の 「Go」ボタンを押下

Step4.
表示された、ホームページに応じて、試験の申し込みを進める。(Exam Providerによって、具体的な手順が異なるためここでは割愛します)
例として上記表の上から2つ目の AT*SQA の 「Go」を選択した場合は、「Register for ISTQB Exams」というボタンから申し込みに進めることができます。

英語が苦手な方は、Google 翻訳や、ChatGPTなど使うことで申し込みは進めることができると思いますが、もし、お困りの時にはこっそりコメントや、Xとかメンションしてもらうなどで相談いただければ可能な範囲でサポートさせていただきます。貴重な英語での受験仲間ですので。

合格したってタイトルに書いてるけど合格できたの?

英語で試験を受けると、Exam Provider依存の部分があるかもしれませんが、ATSQA経由で申し込みした場合は、受験直後に結果が画面に表示され、翌日、章別の正答率が記載された結果がメールで送られてきました。そして、そこにリンクが記載されており、PDFで合格証がDL可能となります。

蛇足)


おわりに

お読みいただきありがとうございます。少しでも参考になれば嬉しいです。

もっとこういうことについても書いてほしかったなどあれば是非コメントなどいただけるとありがたいです!



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