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租税平等主義【やんわり租税法 No.2】

こんにちは、マークです。今日も一緒に勉強しましょう。
今日は「租税平等主義」について考えていきます。租税平等主義は租税公平主義とも呼ばれます。
…えーっと、税法に詳しい方は前回の続きとして「あれ?租税法律主義の“内容”については触れないの」とお思いになるかもですね。
当然触れておきたいところではあるんですが本稿のテーマである「簡単にサクッと」を優先して、シタゴシラエのように目立つ用語を優先してやっていきたいと思います。租税法律主義の内容も、後の回で取り上げていきたいと思います。
「やんわり」ですからね!ぜひ読み物を読むような気持ちでご覧いただくのが身のためです(僕の)。
さて、言い訳が長くなってしまいました。本題に入っていきます。笑

租税平等主義はちょっとカッコをつけてカタイ表現をすれば「租税法分野における平等原則の現れ」といったとこでしょうか。
こんな言い方では若干やんわり感が薄れますが、一歩ずつ考えていきましょう。
平等原則(法の下の平等)とは古代ギリシャのようなむかーしむかしからあるものなんですが、近代(具体的には18世紀後半)ではフランスやアメリカの市民革命で表舞台に立ちます。
日本では日本国憲法14条1項に規定されてます。これくらいは条文見ておきましょうか。

日本国憲法第14条
「1.すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」
この中学校の公民でもやった(ような気がする)いわゆる「平等権」の話を税法の分野に持ってきたのが、租税公平主義です。
じゃあ、公平(平等)ってなんでしょう。この公平は大きく2種類に分けられます。税金の負担を念頭に置いて考えていきましょう。

1つめ「同じ担税力を持つ人は同じだけの税金を負担しなくてはいけない」(水平的公平)

あ、専門用語出てきましたね!担税力は「税金を払うことができるだけのお金持ち度合い」とでもしましょうか。大切な用語ですから、イメージできるようにします。くだけた表現をすれば、税金を納めるための「お金持ちパワー」です。
例えば「同じ給料のAさんとBさん」は同じ金額の税金を払わなくてはいけない、という考え方です。お金持ちパワーが同じですからね。
当然といえば当然ですが、大切な原則です。

2つ目「担税力が異なる立場の人も、それぞれが同程度の痛み(税負担)を負わなくてはならない」(垂直的公平)

こっちはすこし分かりにくいですね。例えを使いましょう。
ここで小学生の頃の僕と、今の僕、あと大谷翔平選手に登場してもらいます(豪華!)。
この人たちに税金を平等に負担してもらおうとしたとき「一律1万円」は平等でしょうか?そうではないですよね。
小学生の僕は1万円など用意できません。また、僕と大谷翔平選手なら出せますが「支出の痛み」は僕と大谷選手では(はるかに。笑)違います。
そこで「痛み」を揃えるために、税率を変え、お金持ちパワーの大きな人には高い税率を、小さな人には低い税率を使い、痛みを揃える工夫がされています(累進税率による課税)
つまり、同じ税金であってもお金持ちパワーによって払う金額が異なるわけですね。税目としては所得税や相続税、贈与税などが代表的です。
ところが、消費税などは担税力に関わらず同じ税率が適用されるので、その点については税制上の本質的な問題ともいえます。
そこで、お金持ちパワー(担税力)に目を向けて、同じパワーを持つものには当然に同じダメージとなる税負担を、異なるパワーを持つものにも同じダメージになるように税負担を税率で調整してるんですね。

一旦ここらでまとめましょう。
「租税平等主義(租税公平主義)とは担税力に応じて国民から平等に税金を徴収するための原則(ルール)」です。

僕が考えたまとめですが、担税力や平等(公平)の意味を踏まえると、結構すっきりとしたまとめじゃないでしょうか?ダメ?笑

こうして、累進税率を用いて平等に集められた租税は国によって社会的弱者などに再分配するのに好都合な仕組みになっているのです(富の再分配と社会保障の充実)

実際その仕組みが適正に使われているかは、税法の問題ではありませんが、制度としてはしっかりとできているのですね。

《参考文献》(発行年順)
 清永敬次「税法(新装版)」ミネルヴァ書房 2014年
 金子宏「租税法(第二十三版)」弘文堂 2017年
 谷口勢津夫「税法基本講義(第6版)」弘文堂 2018年

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