2021年の米作り(6)~中干し開始~
準備運動の除草作業から。
田植えをしたのが、5月22日。講師の森君とは定期的に連絡を取り合い、写真や動画で他の様子をお知らせし、大まかな計画をたてていっていた。
田植えからちょうど一ヶ月経った頃、「そろそろ中干しかなぁ」
その一言があってから、「葉は何枚になってきた?」「除草後の草は枯れてきてる?」「今の水位はどのくらい?」と、たくさん質問がくるようになった。
そして、「苗の状況、草の状況、いろいろ考えて水をいつ抜くか判断するね。」というコメント。
私は言われるがままに、「えーっと、葉の枚数は、、」「えーっと、この前除草した草は枯れてるっけ??」「えーっと今朝の水位は、、、」と観察したけれども、来年はこの判断を自分でしなければいけない。
となると、判断基準と思考回路が気になるところ。
例えばそれはハーブやアロマテラピーでも同じ。
「肩こりなんです。」「不眠症なんです。」「最近生理が周期が乱れていて・・・」と、いろんな相談を受けるけど、その症状を聞いたその次の瞬間に、頭の中ではいろんなことを考える。
「この人の生活習慣は・・・・」「普段仕事のスタイルは・・・」「食生活は・・・」「ストレスの度合いは・・・」といろいろ問診して、最後に「この精油でいきましょう、このハーブを使.いましょう。」「チンキにしましょう。」「トリートメントにしましょう。」など、方針が定まってくる。
そのとき、よく生徒さんに、「先生の頭の中が知りたい。」といわれるのだけど、まさに私は米作りに関してはそんな感じで、森君の頭の中が知りたい。
そんな好奇心満々で迎えた森塾の日。午前、午後とがっつり指導してほしい、とお願いしたら、「朝少し自分の田を見たいから、そのあとで行くわ」、と快いお返事。
たとえ短時間でも自分の田を見に行く姿勢。
これは私が短時間でもガーデンのハーブを必ずチェックしなければ気が済まないのと似てる。
この日の森塾の参加者は7名。7名があの田んぼにそろうのは田植え以来。田んぼに人が集まると、私はわくわくするんだよね~。みんなで作業着や靴自慢をしながら、除草作業が始まった。
↑除草したところとしてないところがくっきりわかるよね
想像以上のコナギの量に少しめげそうになりながら、とにかく美味しいお米が食べたい、、、と思いながら除草作業に励みました。水面には小さな小さなオタマジャクシの姿や、ヤゴやゲンゴロウの姿が見られる。農薬や除草剤を使うと、こういう小さな虫の命も奪われるんだろうか・・・・そんなことも時々考えながら、森君が到着するまでの40分くらい除草作業を行いました。これだけでも汗かいたよ~ 笑 いい準備運動でした。この後の作業が・・
いよいよ中干開始。その方法が・・・
森君が到着し、除草作業は終わり。いよいよこの日の作業のメイン、中干作業にはいる。多分、ストレスない最新の田んぼなら、「中干開始~」といえば、お風呂のお湯を抜くように、さっと田んぼの水を抜いて田を乾かす作業になれるんだろうな。
でもうちの田んぼは違う。とにかく水が抜けない。いつまでも大きい水たまりのようなものが点在して乾かない。でもそれは米作りでは望ましくない状況なんだって。地面がひび割れして、稲の根が水を求めてしっかり張っていく行程がなければ強い稲にならず、秋の台風でこけたり、根からの水分の吸い上げが不十分だったりと、収量や味にも関わる大事な作業が中干、ということだそう。
でもそんな土質、地形なのだから、今更どんなことができるの???と思っていたのだけど、森君が出してきた道具が、三角ホーとロープ。これでどうするんだろう・・・と思っていたら、「3人一組になって」、と・・・
一人が三角ホーを押して、二人が引っ張る・・・という、なんだか運動会のような動きになった 笑
原理的には高いところから低いところに水は流れるので、田んぼの高低と水の出口を考えながら通り道を作るという作業なのだけど、これがかなりしんどくて。皆交代でやったけど、15メートルほどいったら息切れ。何がしんどいって、田んぼに足がとられて歩きにくいんですよね。森君もびっくりの絶望的な粘土質・・・がうちの田んぼなんですよね。
水が抜けやすい田んぼにすることも考えないとなぁと痛感した森塾の日でした。今まではこの中干の苦労をたった一人の人が背負っていた。「中干ができんわー」とよく嘆いていたけど、どうすることもできないと思っていたし、曖昧な相槌で対応してたなぁ。あのときに戻れたら、もっと一緒に考えられたかもしれない。やはり、物事の原理を知ることって大切ですね。
今日のみんなの中干運動会の汗が、おいしいお米に結びつくことを願って。
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