目標は社会的共通資本の数理モデルの理解
宇沢経済学の真骨頂 数理からひらく経済学
社会的共通資本も数理経済学の文脈から紐解かないと、宇沢が本当に伝えたかったことはわからない。
『宇沢弘文の数学』の著者である帝京大学経済学部教授の小島寛之さんに経済学と数学の橋渡しをお願いし、数理的な文脈で宇沢理論を紐解いていく。
そんなシリーズが始まりました。
第1回はラグランジュ乗数と帰属価格でした。
次回は動学的最適化と最大値原理です。
その後は
☆ラムゼー最適消費モデル位相図
☆最適投資とペンローズ関数
☆漁業コモンズ
☆森林コモンズ
☆地球温暖化
と続く予定です。
参加者に流体物理学を専攻された方もいらっしゃるので、数学のおやつとして流体物理学の応用と数理経済学なんてお話も出てくる予定。
係数の意義とか、この数式が現実的にはどのような意味をなすのか。
対話もかなり専門的で白熱しております。
(私は全くのわからんちんで皆が楽しそうなのを傍で見ている係(笑)
数学の楽園になりつつあるこの講座
初回の参加者の感想です。
Aさん 本講の第1回ではラグランジュの未定乗数法についてご講義いただいたが、数式が表す直感的な意味を先に説明しその後に数学的に証明する順序が心地よかった。
先に直感的な理解を得ることで数式全体を親しみを持って理解できると同時に思考の境界が取り払われ、他分野の類似の論理、現象を想起する余裕が生まれたと感じている。
小島先生の狙い通り議論が盛り上がったと感じる。
Bさん 経済学・物理学・生物学など異なる分野のバックグラウンドをもつ人間が数学という共通言語で白熱した議論を繰り広げていた。「この定理は経済学ではこういう場面で使われる。」「生物学ではこういう場面で使われる。」「生物学のこういう考え方を経済学に応用できないか?」のような議論がとても刺激的だった。そして、日常的に道具として使ってきた解析学の定理から宇沢の社会的共通資本の理論への道筋が見えたとき、とても感動した。大人とホワイトボードを囲んで楽しく数学の議論ができて、なんとも素敵な日曜の午後だった。
Cさん これまで社会的共通資本を独学しておりましたが、数学的に躓く箇所が多く、進行が芳しくありませんでした。今回、小島先生のガイドにより、必要な数学的道具と学習ルートが明らかになり、地図を頂いたような安心感を持って講座に臨むことができました。また、リラックスした雰囲気の中で、素晴らしい参加者による機知に富んだ議論が、社会的共通資本の概念を拡張していく様は、大変面白く、刺激的でワクワクしました。
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