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小さな頃に思い描いた美しい世界へ

小さな時から
人は美しい心で満たされて
世界は優しく輝いてる

そんなイメージがずっとどこかにあった


だけど、現実は何故か少し違う


そんな少しの違和感を
どこかにずっと感じていた



そしてそれを
強烈な思いとして感じたのは
生まれ育った長崎の社会科見学で
原爆資料館へ行ったときのこと


今現在、地球上に存在する核爆弾の数が
示された模型の前で

地球を何回も破壊することができる
そんな数の核爆弾の模型を前に

「核抑止力」
と言う言葉を初めて知った。


相手の核爆弾を使わせないために
自分も核武装する

そんな考え方を説明された時


一瞬理解できなかった。



相手を恐れ疑うことにより
自分たちはおろか
私たちの住む地球さえも
住めなくしてしまうほどの
核爆弾を作る


誰も得しないのに
何のために?

相手を疑うことで
自らの首を絞める
その考え方が到底理解できなかった


どうして、愚かなことだと
誰も気づかないんだろう??



周りの大人に

えっ?嘘でしょう??

そんな風に問い正したくなった


そんなの
相手を信じることさえできたら

相手を信じて
武器を捨てれば
一瞬で解決する


どうして
そんな簡単なことがわからないんだろう?




ああ、実際の世界は
悲しいけどこうなんだ。


歳を重ねるごとに
そんな風に思いはじめていた。

けれどそれでも、自分の中にある
美しい世界のイメージは
やっぱり消えないままどこかにあって。

やっぱり今見ているのとは違う
美しい世界がちゃんとあるんじゃないか

どこかでそう思っていた



そして、その思いを捨てきれずに

私は、心にある
美しくて自由な世界を生きてるような人たちに
会いに行くようになった

そういう人たちに触れ

そんな世界があること

それは自分でつくっていけること

そんなことを少しずつ
知ることができた



そこから少しずつ
新しい世界が広がっていって

自分自身も
少しずつ少しずつ
いろんなチャレンジをし
そして少しずつ変わっていった

一つの世界から
別の世界へ移ろうとする時に起こる
摩擦みたいなものも
少なからずあったりもした


そして月日が流れふと気づくと
自分のことは省みらず
与えようとする人たちに
出会うことが多くなっていた


自分というものはまるでないかのように
喜んで何かを与えようとする
その姿を見るたびに

小さい時に信じていた
人の美しい心が
目の前に現れ
その美しいものに
触れているような感覚になる。



その瞬間
今まで見慣れていた
少しくすんだ
現実というものの後ろに
密かに隠れていた
世界の煌めきを見るような気持ちになる

ああ、またここにもあった。


そんな風に思い
その美しさと尊さに
涙がでそうになり
胸が苦しくなる


そして同時に思う。


そんな煌めきみたいな瞬間が
世界にたくさん増えて
当たり前のように続く

ずっと心の中にあった
美しい世界が
現実になってきているのかもしれないと。


その世界がどこまでも広がり
いつか世界がそんな美しい
世界へ変わりますように



そんな風に思いながら
祈りを捧げるような
そんな気持ちになる

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