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【JAMAICA】ボブマーリーと美しい怒り


世界一周の旅で訪れたジャマイカ


その到着前に、ボブ・マーリーの熱烈なファンでもある船のスタッフが、

船内でボブマーリーとその音楽について熱くレクチャーしてくれた。


そこで

ボブ・マーリーは「ラスタファリズム」という思想を強く支持していたこと


ボブ・マーリーのレゲエは

正にその考えを歌にしたものだということを知った。


中南米の国々について知ると

その国の人たちが、


ヨーロッパやアメリカなどの「強国」から侵略され、

不当な扱いを受け虐げられる


そんな図式が、不思議なくらい多くの国で繰り返されていた。


ジャマイカの場合は、奴隷としてアフリカから連れてこられた人々と

支配するヨーロッパの人々という、

それとは少し違った図式だけれど、

「支配者」と「支配される人たち」という構図は同じ。


そんな歴史を知る前は

底抜けに明るいイメージのジャマイカだったけれど、

ボブ・マーリーが歌う「ラスタファリズム」

そうやって祖国を離れ、無理矢理連れてこられ、

過酷な労働を強いられた人たちの

怒りや悲しみのようなものが奥底にあることを知った。


人も動物も植物も石も全ては一つという


「ONE LOVE」


その教えをもっとも大切な教えとするラスタファリズムは、


今の辛い世界は仮の世界で、

いつか自分たちの王が現れ

自分たちは再びアフリカの地へ帰ることができる。


そう説いている。


そのことを知ってから、ボブマーリーの歌の歌詞を改めて聞くと、

歌の奥にある

怒りや闘志が伝わってくるようで、

それを知る前とは、歌の印象が全く違ってきた。


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〜Buffalo Soldier 〜

アメリカのど真ん中にいたんだ
アフリカで捕らえられ
アメリカに連れてこられた
到着するのもやっとだった

生き延びるために闘ったんだ

自分の歴史を知ったら 

どこからやってきたか腑に落ちるんだ

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その後訪れたラスタファリのコミュニティでは、

1人のラスタマンが案内をしてくれた。


「独自のルールがあるから、彼らの指示には必ず従うこと」

「プライドを傷つけるようなことを決してしないこと」

「敬意をもって接すること」

と念を押され、少しの緊張感があった私達とは裏腹に

穏やかな様子で案内してくれていた彼が、

奴隷時代の道具を前に、その時代のことを説明しはじめた時、

それまでとは一変して、少し怖さを感じるくらいの

怒りの感情が伝わってきた。


私たちは日本人は、日常で

「あからさまな怒り」

というものに触れることは少ない気がするので

少し驚きながら、でも、

目の前で感じたラスタマンの強い信念や誇りからくる「怒り」と、

それと同じバイブレーションを感じるボブマーリーの歌。


それらを目の当たりにすると

「怒り」はときに危険なものと感じても、


それでも

美しい「怒り」があることを

理屈抜きに感じた。


そして船で出会った、ボブマーリーの孫ドニーシャ。



彼女は何度も自分のルーツを知ることの大切さを口にしていた。


自分のルーツを知ることで、

自分に誇りを持ち、

より自分の生きる意味や使命がはっきりする

そんな風に、本当に繰り返し伝えてくれた。


私たち日本人は単一民族というのもあって、

あまり「日本人」というアイデンティティを意識することはないし、

ましてやそれに誇りを持つということもあまりない気がする。


でもドニーシャの話を聞いて

ボブマリーのことを知ると、

ラスタマンたちが持っていた「闘う強さ」みたいなものとはまた違う

「穏やかさ」のようなものを内包した

日本人としての「誇り」

私たちはもう少し持ってもいいのかもしれない、そんな風に思った。


そしてそんな背景を知ってから改めて聴いた

大好きな曲「No Woman, No Cry」


それは、思わず涙が流れてきてしまうほど素晴らしかった。

(そしてさらに、このライブバージョンは、神懸ってるほどに美しい。)

「No Woman, No Cry-Bob Marley & The Wailers」


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