ピアコーチングって深掘りしたり相談できる同僚同士の対話と何が違うんだろう
PEER+(ピアプラス)のリリースとあわせて、とてもいい質問をいただいたので、お答えしたいと思います。
ピアコーチングとは 対話を通じて相手の力を引き出すコミュニケーションである「コーチング」を、仲間や同僚など、力関係に差のない「横のつながり(ピア)」で相互におこなうことをいいます。
良い同僚との良い対話は、ピアコーチングと同じような効果を生み出すものですが、異なる点がいくつかあります。
対話スキルには個人差がある
まず、同僚への相談で「良い対話ができるかどうか」は相手のスキルに依存し、かなり個人差があります。相談しても一方的にアドバイスをされたり、自分の話になったりすることで、話が深まるかどうかはわかりません。
一方、ピアコーチングでは、全員が傾聴・質問のコーチングスキルを持っている想定で実施されます。(これはもちろん実施者によって思想が異なる場合もあります)
PEER+の場合には、オリエンテーションに加えて、このようなマイクロラーニング教材がシステム内に内蔵されており、最低限のコーチングスキルを習得できるようになっています。
しかも、PEER+の場合は、教材を見ていなくても基本的なピアコーチングができるよう、セッションガイドがついています。コーチングをしているうちに成功体験が生まれ「もっと学んでみようかな」となる仕組みです。
相談できる同僚がいるかどうかにも個人差がある
職場に相談できる同僚がいる人は恵まれていますが、実は、76%の人が職場のチーム名ととつながりを持つことが困難だと感じていて、むしろしっかり深い繋がりをつくれている人の方が少ないと言えます。
ピアコーチングは、仕組みとしてピアコーチングを実施することで、普段横のつながりを持つ機会がない人であってもつながりを育める機会にもなります。
構造化されているかどうか
同僚どうしの対話は、どうしても雑談や愚痴の方に流れがちにもなってしまうことが多いのではないでしょうか。そのほうが「楽」でもあり、「同胞意識」が芽生えやすいのかもしれません。
PEER+のピアコーチングは、「この時間は●●のための時間です」という構造のもとで実施されるので、しっかりと内省が深まるようにデザインされています。
信頼関係を前提としているかどうか
もちろん、同僚どうしの対話のほうが優れていることもあります。仲の良い同僚との対話は、前提となる信頼関係がすでにつくれているので、本当に深い話をすぐにしやすかったり、安心して委ねたりしやすいこともあります。
一方ピアコーチングは、ときには初めての人との関わりになることもあります。したがって相性次第では少しギクシャクしてしまうこともあります。それも含めて「コミュニケーションのトレーニング」という側面があるかと思います。
両方あると、とてもいい
信頼できる同僚とのおしゃべりも、構造化されたピアコーチングも、両方それぞれの良さがあり、職場体験を豊かにしてくれるものです。
どちらか一方ではなく、両方を持てるような組織をデザインできることが、理想的な状態なのではないでしょうか。