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「ニューノーマル」を理解し、挑戦を続けるために(手を組む相手とは?)

新型コロナウイルスと共存しはじめてから強く感じるのは「いよいよ本番がやってきた」という感覚だ。HEART CATCH Inc.を2014年に立ち上げてからの仕事の内容としてはスタートアップのプレゼンテーションをはじめとするメンタリングや、投資家や企業とのマッチングを行うものや、大企業の新規プロジェクト企画・実施が主なものだった。「 "これから" の時代に備えて、既存ビジネスとは違う、新たな挑戦をお手伝いいただきたい」というニーズにお答えし、プロジェクトを遂行していくのだが、その仕事の一つひとつがアフター・コロナ/ウィズ・コロナ時代の予行練習であったように感じる。

学びゴトから実践ゴトへ。他人ゴトから自分ゴトへ。

デジタルトランスフォーメーション、VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字)への心構えなどを海外事例を元に自ら発信したり有識者・実践者を交えてイベント・取材などで発信し続けてはいたが「頭では理解しつつもアクションに結びつかない」という状況が続いていた。企業のイノベーション担当の方々はこのままではヤバイので火をつけて欲しいと講演依頼をいただくのだが、講演やプログラムを提供するも現状維持でも成長が続く企業にとっては他人ゴトのように受け取られていた。

それがどうだろう、一気に多くの人にとってデジタル化は自分ゴト化し、仕事も学校も今までの"日常"も一気にVUCAに突入していき、2020年初頭までの学びゴト実践ゴトに変化した。

さて、実践ゴトとしてまず着手できるのはデジタル化だろう。会議、ハンコ、決済、買い物など既にツールが揃っているので代替できる。ただ、デジタル化は前哨戦で、これから先もっとダイナミックに変更していくだろう。

具体的にどのような変化が起きるのか? THE HEADLINE コロナによるニューノーマル、その批判と新しい「大きな政府」に分かりやすくタイラー・コーエン氏の「世界1.0 / 世界2.0 」比較が表まとめされているのでそちらの項目から自分が気になったものを抽出させていただく。

アジェンダ案.001

方針/イデオロギー世界1.0) → 実現/能力(世界2.0

これからは「変わりない日常・平凡な生活」というもの自体が過去の古き良きものになる可能性があると感じている。常にリスクと向き合いながら即座に判断して動いていく必要がある。誰かの判断を待っていたら取り残されてしまう。そのような即座に判断するためにデジタル化やリアルタイム性というのが大事になるのだろう(つまりデジタルトランスフォーメーションがゴールではなく、即座に判断しリスクに向き合うためのツールを準備するのがデジタルトランスフォーメーション)。

しかもその変化が年単位ではなく日単位。新型コロナウイルスの感染経路や発症状況そのものはもちろん、行政の対応などが日々変化するのに疲れている場合じゃないのだ。これからはデイリーで変化があるのが当たり前と考えて動いていく必要がある。そうなると、誰かの意思決定を待つのではなく、自分で判断・行動し、修正していける人が自ずと求めらることになる。

つまり上記の表でいうと「信頼できる組織」ではなく「信頼できる人」という最小の単位まで削ぎ済まされるのだ。

我々HEART CATCHは2名の取締役で動いている会社だ。2015年からプロジェクトに応じてチームを組成して動いている。変化が激しい時代に「職種」で人を採用すると、時代やプロジェクトが変更してもその人材のための仕事を探さなければならないというのはスピード感が出ないと考えての判断だ。しかも組織ではなく人単位で、つながり、変化し、動いていく。その人を見る時には「その人は信頼できる人なのか?」だけである。なので会社の名前もHEART CATCH。相手の心に刺さるか?そして我々の心をつかむような相手か?それだけを見ながら進めている。大上段に構えたイデオロギーだけで実行が伴わないものはいらない。

スピード感持って行動をしていくべき、とは上記「世界1.0 / 世界2.0」の対比でも書かれているが、ここに書かれておらずにこれからもっと大事になっていくと思うのは「志を持って行動していけるかどうか?」だろう。その志は一人ひとり違って良い。組織のイデオロギーよりも志をもっている人と仕事ができることがこれから増え、より充実した仕事ライフが待っていると思うとワクワクする。いままでの不毛な打ち合わせなどにさよなら、だ。(さらよならしたい)

志を共有できるパートナーを見つける

さて、個人レベルの話を進めていると汎用性が薄まるので、少し抽象度をあげて企業としての生き残りの話に戻すと、志とスピード感を持って「世界2.0」を生き延びるパートナーとしてはスタートアップが最適なのではないかと考える。その駆動のきっかけともなりそうな発言が5/1に開催された経済産業省の産業構造審議会の議論ポイントにも掲載されている。

以下引用:
日本企業は、状況が悪くなると、「売上原価・製造原価の削減」や「販売管理費の削減」といったコスト削減に走りがちであることから、スタートアップ企業のM&Aなどによる連携促進や、スピンオフを含む事業再編などを行いやすくすることで、日本企業による「事業ポートフォリオの見直し」を促進する必要があるのではないか。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seicho_senryaku/pdf/003_04_00.pdf

「世界2.0」はコスト削減だけで生き延びることはできなそうである。リスクと向き合うことも前提となり、スピード感もって対応も必要である。いままで「現状に満足」していた人にも「変化」が避けられない時代である。

ビジネスにおいて「デジタル化」と同じく今すぐ取り組める「世界2.0」対応は志とスピード感があるスタートアップと組むことかもしれない。いままでの生温いオープンイノベーションから、生き残りをかけた協業がこれから生み出せるように、志をもって取り組んでいきたい。

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