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標準化よりも互換性 Interoperabilityを目指す時代へ

2023年4月15日、伊藤穰一さんらが主宰するweekly gm LIVEに参加してきました。デジタル庁からのスピンオフ企画で発生しているweb3/DAO研究会のメンバーとしてかるーく登壇させてもらいました。

左から伊藤穰一さん、CodeforJapan/デジタル庁 関治之さん、私、RYUさん、PitPa石部達也さん

会話のなかで、これから多くのステークホルダーを巻き込みながらモノゴトをすすめる上でのキーとなる、DAOおよびそのプロセスとしての互換性 / Interoperability について、とても画期的な視点をいただきました。壇上にいながら興奮して聞いていたのですが、改めて大切だとおもったのでメモに書き起こしておきます。(YouTube 34:11くらいからが当該セッションです)

注:自分のメモとしてとっているので用語の解説はありません。気になる方は適宜検索やChatGPTに相談しながら読んでいただければ幸いです。

まず石部さんが千葉工業大学と進めた学修歴証明書をNFTで発行する取り組みを、関さんとデジタル庁のDAOでも活用しようとしているという将来計画の話から始まります。以下ログミー的な書き起こし内容です。

石部「千葉工業大学で作られたVerifiable Credentials(VC)を検証可能な形で用意しているのを、関さんとデジタル庁(からのスピンオフであるwe3/DAO研究会)でも使おうとしています。台湾のデジタル庁チームと話すと、台湾でも使えるかもしれないという話になっています。台湾のオードリー・タンさんもDID(分散型ID)に紐づくと国を越えてやってきたことが証明できるというのが素晴らしい、とおっしゃってます。今後、DAOで "こういうことやりました" というのをVerifiable Credentials(VC)として扱えると、お金で買えない価値として、SBT(ソウルバウンドトークン)という形でDAOの貢献に使えるのではないか?」

weekly gm live with Joi Ito

この取組を標準化してはいけないと伊藤穰一さんは語ります。
いままでの頭で考えると、新しい取り組みを始める際、そして多くのステークホルダーを巻き込む際には標準化していくことが正義と考えられていましたが、伊藤穰一さんはそこに疑問を投げかけます。これは、私にとってはとても新鮮でした。さて、どのような形で疑問を投げかけたのか?以下ログミー的な書き起こし再び、です。(YouTube 40:00あたりから)

目指すのは標準化ではない、互換性/Interoperabilityが大事。

伊藤「(いままでの流れでいうと標準化という流れになりがちだが、標準化のためには)
  標準化団体ができて → 
   標準化メンバーができて → 
    座長がいて予算があって・・・という流れでとても中央集権的な流れになりがちである。
W3Cを例にとっても、インクルーシブでもありながらW3Cのメンバーじゃないと提案もできない、メンバーになるのもお金もかかる。
それが今回の石部さん+関さんが取り組むVerifiable Credentials(VC)が画期的だと思っているのが、標準化しなくても互換性/Interoperabilityがあればいいじゃんという話になる。
標準化しちゃうと中国が怒って台湾がはいれないかもしれない。
中央集権型にアイデンティティしちゃうと・・・例えば、日本ってすぐ国民っていう。でも、国民じゃないひとはどうすればいいんだろう?という疑問が残る。
アイデンティティというのは標準化よりも互換性 / Interoperabilityが重要で、
互換性を保つにはコーディネーションが必要。
そこに団体がいたり、座長がいると利権が絡むけど、その互換性を保つところがDAOで進められると良い。今回のデジタル庁からスピンオフしたDAOが、(互換性/Interoperabilityを担保すると)わざわざ申し込んで承認とらなくてもいい台湾のデジタル庁がはいって自分たちのクレデンシャルを作って行けるようになるのが、良い。
千葉工業大学で作られたVerifiable Credentials(VC)も一週間でいけた。なぜならば、パーミッションレスだったから。なんちゃら団体がいると委員会の意思決定が必要となるが、そのパーミッションレスを担保できるのがweb3ぽいよね?」

weekly gm live with Joi Ito

DAOについての関心が高まるなか、貢献についてはトークンを発行する以外の方法があまり語られてこなかった中での、Verifiable Credentialsの存在は非常に大きい。また、その流れを「標準化」するのではなく、コーディネーションを伴う「互換性/Interoperability」で広めていくというプロセスのあり方もとても新鮮で、目鱗でした。

私もDAOやweb3でのプロジェクトが増えつつあるので、標準化ではなく互換性というのを肝に銘じて進めて行こうと思います。

このメモに興味持った方、是非アーカイブも見てみてくださいませ。


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