三俣山外周〝初心者向け〟の解釈違い1 ―ハコボタ巡礼 6
⬇️前回
先生の見た景色を追って
大雨の中、朝食で気を紛らわす我々
軽めの小鉢がたくさん並んだ朝食。写っていないが筍のお味噌汁がめちゃうまい。
食後のコーヒーを部屋に持って行き、改めて地図を眺めるも、外はとんでもない大雨である。
Yahoo!の雨雲レーダーとWindyを確認すると10時には雨が弱まる。12時台もちょっと強いものの、そのあとはまあまあ程度。その代わり強風になり、瞬間最大風速が引くレベル。ただ山中なら風の影響は少ないと踏みつつ、「長者原ビジターセンターで状況を確認し、入山規制だったり、あんたら何考えてるんだって言われなければ登ろう」ということになった。
長者原ビジターセンターにて大資料に出くわす
筋湯温泉から長者原登山口までは7km弱、車で10分だ。まだ雨足が強いものの、昨日は通らなかった場所で、九重連山の山肌がしっかりと見えた。
ぱっと見ではなだらかな山で、その一面がススキの緑に覆われている。
ところどころ、雷に打たれ独り生き残ったような真っ黒な木肌の松が立つ。なぜあんな色だったのか、帰ってきた今になって思い当たったが野焼きの影響なのだろう。阿蘇もそうだったが、本州ではまずお目にかからない景色だ。
九重連山はミヤマキリシマが咲く時期(ちょうど我々の1週ほど前まで)と紅葉シーズンは登山者が殺到するという。この大規模な連山の有名な登山口が、牧ノ戸と長者原だ。
長者原登山口を1日目と数えて、各人のルートは以下⬇️
【文子のルート】
1日目:長者原登山口→諏蛾守越→北千里ヶ浜→法華院温泉(山荘泊)
2日目:坊ガツル→法華院近くまでUターン→鉾立峠→佐渡窪→鍋破坂→朽網別→久住
【大神先生のルート】
この人は登山ができるのですよ!朝型生活だから早朝から動けるし、長身で脚がやたらめったら長いし体力お化けだから速い!
1日目:長者原登山口→タデ原湿原→諏蛾守越→北千里ヶ浜→西峰から三俣山アタック→南峰から下り→坊ガツル(キャンプ場でテント泊)*
2日目:雨ヶ池→Uターンして法華院温泉(原稿まとめのため、山荘泊)
3日目:鉾立峠→佐渡窪→鍋破坂→朽網別→久住
長者原登山口の標高は1,030m。ゴールの法華院温泉は1,300mだが、彼女が通った「硫黄を運ぶ道」は閉鎖済みだし、諏蛾守越で1,500mまで上がり、北千里ヶ浜で急斜面を下りて法華院へ至るという、アップダウンの激しいコースだ。おまけに山岳ガイドブックによると鎖場があるし、「落石注意」の注意書きまでついている。無理。大神先生のルートに至ってはアタックがあるので全く参考にならない。
そこで我々は「坊ガツル」と「法華院温泉」を見ることを目標に、山岳ガイドで「メインルート」「初心者向け」とされている雨ヶ池越を選んだ。
【我々のルート】
長者原登山口→タデ原湿原→雨ヶ池越→坊ガツル→法華院温泉
→Uターン
文子が「ゆき子さんと結婚なさいませ。」と心を振り絞って独りごちた長者原のビジターセンターで装備を整えた我々は、職員さんから情報を得ようと声をかけた。
(人の話の記憶音痴なため、以下は覚えている限りの意訳である)
⚖️「雨ヶ池、坊ガツルを抜けて、行けたら法華院温泉まで行って帰ってこようと思っているんですが。ガイドブックに、途中で沢を渡る箇所があると読みまして。川の中を直接入ったり、飛び石を越えないといけないような場所ってありますか。」
👨「そんな場所あったかなあ」
⚖️「鎖場とか、足が水に浸かるレベルまでは想定していないもので」
👩「ちょっと足場の悪いところはあるけど、ざぶざぶ行くようなところはないですよ」
⚖️「天気どうでしょうか」
👨「木で覆われてるから意外と落ちてこないもんですよ」
👘⚖️「なら平気かな……?ありがとうございます。気をつけて行ってきます」
階下のトイレを使ってタデ原湿原に出ようと階段を降りていったら、踊り場にとんでもない資料が貼ってあった。
川端先生の九重連山取材時の写真だ。
長者原ビジターセンターさん、ありがとうございます。この写真を現地で拝めただけでもう半分くらい目的達成だよ…。
タデ原湿原を歩く(まだ平場)
さて登山口を目指す。まずはタデ原湿原だ。
タデ原湿原は平地なので風を遮るものがない。時折突風に煽られるが雨は止み、ひたすら雄大な景色を拝めた。写真には写っていないが、やたらデカいノアザミがそこかしこに生えていた。
平場だけで1稿使ってしまった。
(次は今度こそ三俣山!続く⬇️)