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【結婚商売考察】番外編:Papagoぶっとび翻訳で砂利に会おう

※※この記事は原作小説の和訳を含むためネタバレの恐れがあります※※

Papago翻訳で起きること

前稿▲のとおり、「結婚商売」原作小説の読破にGoogle翻訳は不向きなため、筆者は韓国語にめっぽう強い(と思われる)Papagoを推奨するわけですが、そうはいってもPapagoも大概な翻訳をかましてきます。というか翻訳機能は「内容が理解できる日本語を提示してくれる」というものですから、翻訳にかけたからといって小説然とした日本語テキストがレンチンのように出来上がるわけでは当然ありません。

「マンガ版を追っていくにあたってあらかじめ内容を把握したい」とか、「原作小説とマンガ版の違いを知って楽しみたい」、といった目的のみであれば問題ないのですが、それでも時折「ファッ!?」っとなる日本語訳が出てきます。
この記事ではそんな、筆者が「ちょっと待て!!!(大爆笑)」とひっくり返った #Papagoぶっとび翻訳  をまとめました。

"……" が多い文章が苦手?

三点リードから始まる、あるいは三点リードを多く含む長台詞において特に違和感のある日本語になります。しかもPapagoは変に気を利かせると言うか、日本語訳の枠を見ていると、最初にバーッと和訳してからAIが動くようで、そのAIが提示する最終翻訳のほうが初動よりイケてないということが度々あります。
特に困ったのが4巻です。4巻14章・15章ではビアンカが神の啓示を受けた聖人であることが判明するのですが、ラホズの大聖堂における大司教フランシスとビアンカのやり取りは、その現実にふたりとも絶句しながら会話するため三点リードが多用されています。筆者は1回の翻訳上限5000字ぎりぎりまでテキストを入れて翻訳していたのですが、出てきた日本語を読み下していて「どうにもならんなコレは」という気持ちになる箇所が度々ありました。

そういう場合は致し方ないので、原著に戻って該当すると思しき部分だけ取り出して部分的に翻訳にかけます。Papagoは変換した文字の辞書も画面下に出ますので、あとはもうその内容から推測するか、それでもどうにもならない時は文字(ハングル)を1ブロックずつ細分化して翻訳にかけ直すほかありません。

人名が七変化

筆者のように「うおぉ(錯乱)ちゃんとした小説の形で読みたい!!でも日本語訳がリリースされていない!!!しょうがない、自炊(自分で全文和訳作ってiBook形式で保存して電子書籍として読めるようにする)か…」というアホなレベルでなくとも、せめて人名はマトモに出てほしいものです。でないと雰囲気ぶち壊しです。
しかしながら韓国語ってリエゾンするせいでしょうか、人名がたびたびおかしなことになります。Papagoぶっとび翻訳の犠牲にならなかったのはビアンカ、ジャコブ、ロベル、アルベル王子、ビアンカの父グスタフです。といっても、ビアンカはヴィアンカになったり、ロベルは終始ロベール、アルベル王子はアルベール、グスタフはギュスターヴとなるので(読みとしてはわかる)マンガ版との差異にちょっと戸惑います。

酷いといってもまだマシな人たち

イボンヌ→イ・ボンヌ(韓国の人だと思われています)

ソヴール→ソヴォル、ソヴェール(一貫しない)

ヴァンサン→執事ベンさん(笑かさないでほしい)

ガスパル→ガスパール、ガスパールマン(マンはどこから?!)

ジョアシャン→チョ・アセン(ビアンカのお兄様も韓国人に!)

また、人名ではないものの明らかにめちゃくちゃなのが貴族や王族の地位表現です。
日本の王子様→第二王子(ジャコブ)
天皇→第一王子
(ゴティエ)
天皇陛下→第一王子殿下
(ゴティエ)
殿下→国王陛下
(セブラン王ビクトル)
天皇妃→第一王子妃
(ゴティエ王子の妻)
ヨンエ→令嬢
ヨンジ/ヨンジュ→領主様/領主の奥様

ザカリーは本当に可哀想!

ヒーローであるザカリーが一番酷い目に遭っています。
序の口はこれ。

ザカリ、ジャカリ、ジャカリー

これが、そのうち人ではないものまで出てきました。

ザリガニ

砂利

座金(これが一番酷いwww)

またザカリーという人名ではありませんが、ビアンカがザカリーを呼ぶ/ザカリーがビアンカに呼ばれたがる超重要な台詞がもれなくこれになります。

_人人人人人人_
> もしもし <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

※旦那様、あなた

もはや知恵比べ!の名詞、ト書きシリーズ

アルノーガ→アルノー、またはアルノー家/領

ブランシュポルガ→ブランシュフォール、またはブランシュフォール家/領

テジュン婚約→青田買い(政略結婚に年端も行かぬ娘まで使うこと)

矢じりと黒いが常時不足→矢じりと兵糧(たぶん)が常時不足

ルーレット病→伝染病、流行り病(乳母のジャンヌの死因)

慢性節→万聖節(ハロウィンの翌日、あまねく聖人の記念日)

議員→医者(マンガを読んでなかったら理解不能)

投球→兜(時代的にはアーメットが正しい)

水道→首都(水道が燃えるらしい)

成人→聖人(4巻以降は大人と聖人が入り交じるのでややこしい)

大人→聖人(これは中国語で言うところのターレンに近いですね)

社内→世間、転じて「男性貴族」「男たち」 ※これが今のところ一番難しい

築城式→立証式(推測)

「善蔵…」→「ったく…」
一瞬だけ正しい翻訳が出るのに、この手の独白はなぜか無理くり日本語というか漢字を充ててききます。

砂利は石製だと思ったこともあった→ザカリーは石でできている男なのかと思ったこともあった

今日、ビアンカが着るドレスは緑の工業団地のドレスだった→今日、ビアンカが着るドレスは緑色のゴブラン織(たぶん)のドレスだった


どうでしょうかこのぶっとび翻訳…。
これから原作チャレンジする方は脳内翻訳に活かしてください。
なお、まだ完全翻訳には至っていないので、また何か見つけたら書き足そうと思います。



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