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リゼル、ジル、ヒスイのこと ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物①]

『穏やか貴族の休暇のすすめ。』の登場人物は存外多いので、筆者視点で整理していこうと思います。ノベルがベースですがコミックス独自の脚色・解釈も盛り込みます。まずはリゼル、ジル、ヒスイの青年3人から。

※ネタバレ注意※
@コミックスの最新話はマルケイドへの魔物大侵攻が終わったところです。そこから見ると知らない登場人物やネタバレを含みます。ていうかヒスイはまだ出てこないですね。もうちょいですね。

2023年5月現在

チート過ぎる青年チーム

リゼル

主人公。非常に長い歴史を持つ大国で宰相位にある青年公爵。ある日突然、別の世界へと転移してしまったことから冒険者となる。ジルとイレヴンのパーティリーダーを務める。
年齢は20代後半。両親は存命、一人っ子である。独身。
瞳はアメジスト色、髪はミルクティー色(薄い亜麻色)のミディアム。整った容姿をしており、どちらかといえば優男系だが女っぽいわけではない。一人称は冒険者となったのを機に「俺」に変えたが、感情が揺さぶられたり貴族スイッチが入ると「私」に戻る。

他国にも知られる膨大な蔵書を抱える屋敷で育ったためか、重度の本の虫。貴重な本と聞けば何が何でも欲しがり、本を取り上げられると精神を病みそうになる。
片付けが非常に苦手。そもそも着替えから入浴に至るまで全ての生活に補佐が付いていた身分なので致し方ないところもある。
貴族・政治家らしく、相手を不快にさせず自分の都合や利益を通すことや、相手をプロファイルして懐に入り込むことに長けている。話し方や立ち振る舞いが非常に穏やかかつ理知的なため一見わかりにくいが、その手腕は"手練手管"あるいは"籠絡"と評したくなるほど。貴族として身につけた教養をフル活用し、転移先の世界でも有益なコネクションを作りまくり、時に問題に首を突っ込んだり解決にあたる。

冒険者としては魔法使いに分類されるが、もとの世界にいた時から愛用する魔銃が主な武器。耳のピアスは国家機密品で、片方が魔銃の格納庫、もう片方が万一の時に作動するように国王の魔力が込められている。
自身が教育係を務めた若き国王に絶対の忠誠を誓い、敬愛している。一方、この世で唯一人対等な存在である相方・ジルには全幅の信頼を置くだけでなく、自分と似た本質を感じている。

身長、体格、体力すべてにおいて標準的な成人男性だが極端な下戸で、〝本心と逆の発言をしてしまう病気〟を持つ母の血の影響か、一滴でも酒を飲むと同席者への態度が通常と真逆に変貌する。人間関係に危険を齎しかねないため、酒は務めて口にしない。代わりにコーヒー、紅茶をよく嗜む。甘いものもいけるが辛いものは苦手。非喫煙者だが、ジルの煙草の残香を好む。これは単に香りが好きという以外に、自分の前では煙草を吸わなくなったジルが変わらず喫煙している=彼が自分のために生き方を変えたわけではない証と捉えているためでもある。

▼リゼルについてその1みたいなのも同時に書きました。


ジル

リゼルの相方。「冒険者最強」の呼び声高く、冒険者界隈では"一刀"の異名で呼ばれる有名人。年齢は20代後半。独身。〝ジル〟は本名の略称だが、長らくその名で生きているため本人にとっては本名同然である。一人称は「俺」。
瞳は灰銀かいぎん色、髪色は黒橡くろつるばみ。立襟の黒衣を長身に纏い、迷宮品の大剣を片手剣のように振るう剣士。圧倒的強者の雰囲気を漂わせ近づきがたいが、ガラが悪いのは顔つきと言葉遣いだけで、実は常識的で教養もある大人の男。
食事は肉があれば何でもいい派で、酒豪ザル。エールとウイスキーをよく飲んでいる。苦手なものは甘いものとキノコ。また暑い場所と面倒なこと、騒がしい飲み方(キャバクラ的なアレ)も苦手。

郷里はありふれた山村。ソロではCランクが限界とされる中、15歳で冒険者になると、ほぼ討伐依頼のみでBランクまで駆け上がった。魔物討伐のスペシャリストでありながら対人戦にめっぽう強い。また、気配の察知に獣人並みに優れていたり、降りてくる城門を片腕で止めたり、実は毒にも強いなど規格外の身体能力を持つ。
ここまで聞くとどんな巨漢かと思うが男らしい美形で、筋骨隆々ではなく、着痩せするタイプ。イレヴン配下の精鋭曰く「見た目は特級品。背が高く脚が長くスタイル良過ぎる。男が憧れる男」という恵まれた容姿をしている。そのため以前から裏社会の女性人気は高く、リゼルと組んで殺気が控えめになってからは一般の娘たちからも視線を送られている。とはいえ明日の命の保証もない稼業柄か、特定の女性を作る気はなく、たまに客待ちの女と後腐れなく遊ぶ程度でいいらしい。というか女性観だけクズ。

迷宮外の竜を倒すほどの腕前からヘッドハンティングは引きも切らなかったが、何かに縛られて生きることを嫌う性格で、リゼルと出会うまで10年以上も単身で各国を渡り歩いていた。リゼルが転移する2-3年前からパルテダを拠点にしている。依頼に関係なく迷宮に潜りボス級と対戦するのは腕が鈍らないようにするためだが、スタッドからは戦闘狂バトルジャンキーと嫌味を言われることも。
とある事情から長らくBランクに甘んじていたが、リゼルの影響でSに上がることを厭わなくなった。

リゼルが見知らぬ人に二度見されたり突拍子もない言動をするたびに溜息をついているものの、自らの意思でリゼルと共にあり、全力で大切にしている。それは単に危険からのみならず、リゼルに似合わないもの、見せたくないもの、遭わせたくないものから守り抜き、リゼルの望みは叶えるというもの。依頼ボードの前でリゼルに「この依頼はどうですか?」と訊かれ、「好きにしろ」と返すのはもはや様式美。
象徴的なのが煙草で、リゼルに煙の匂いをつけたくないゆえに目の前では決して吸わないにもかかわらず、リゼルが好むムスク香の高級銘柄に切り替える徹底ぶりである。
(ここまでやるから激甘スパダリと言われるのであろう)

▼ジルの出自というか半生はこちら ※超絶ネタバレ


ヒスイ

リゼルたちと同年代の冒険者で、最上位であるSランクパーティの弓使い。緑髪を顔の横で三つ編みにして束ねている。素なのだろうが基本的に不機嫌そうな顔をしている(ジルの仏頂面とも違う)。ヒスイという名は「今は本名」である。一人称は「僕」。
唐突かつ脈絡のない話し方をする、テンポが独特な自己完結型。

歴とした貴族の令息だったが、身内のいざこざか権力闘争に巻き込まれたのか、幼くして絶縁され国からも放擲。行き場を失いかけていたところを男女ペアの冒険者に拾われた。冒険者ギルドには「貴族階級は冒険者になれない。それでも冒険者となるには"完全な絶縁の証明"を要する」という規則があるが、ヒスイの場合は生家から絶縁されていたためクリアできた模様。弓使いとなったのは、故国の上流階級の嗜みが弓を使っての狩猟で、子どもながらに得意だったためである。ピアノの腕前も抜きん出ているが、身も心も冒険者であり、貴族階級と自らの出自を嫌っている。

自分を拾って育ててくれたリーダーと"姉さん"に多大な恩義を感じている。二人が結婚を機に冒険者を引退することに賛成しているが、それをギルドに報告したところ引き留めにあったことから、リゼルをゆすってギルドの弱みを得ようとした。これはリゼルを「ギルドにカネを積んだか弱みを握って冒険者登録をした貴族」と早合点したためだが、冗談ながらリゼルを人質にしようとしたことでイレヴンの怒りを買い、さらにはリーダー自らジルのもとへ謝罪とSへのランクアップ打診に赴かせることとなってしまう。
その後、スタッドの護衛をしていたリゼル達を助ける格好でギルドに恩を売ることに成功。遭遇したのはまったくの偶然だったが、その機会を自パーティの希望が叶うようにアレンジしたリゼルに深く感謝し、礼としてアスタルニア行きを支援した。

リーダー曰く「なまじ才能があったばかりに年若くしてランクアップしてしまい浮いてしまった子」で、友人と呼べる相手がいなかった。リゼルに接触した際に貴族出身であることを見抜かれたものの(リゼルも同様だが、貴族として生まれ育ったゆえの振る舞いや仕草といったものは完全には消えない)、同年代の男同士で他愛のない会話もできたのが嬉しかったのか、リゼルと友達になりたいと思っているなれた。


この3人、今が楽しそうで何よりだと思ってます…。

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