あの日、被災者だった友たちへ。
※東日本大震災の話をしています。苦手な方はご注意ください。
10年前、私はまだ中学生だった。あの日は3年生を送る会で、自身の瞬間は全校生徒が体育館にいた。
「東北の方がヤバいらしい」東海地方に住んでいた私の認識なんてそんなもので、ニュースで流れる映像はどこか別世界のものに思えていた。
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大学生になって、サークルの活動で東北大学の人たちと関わるようになった。年に数日会うだけだけど、同じ趣味をもつ私たちはすぐに仲良くなれた。
年に数回、仙台にも行くようになった頃、ふと思い出した。「震災ってここであったんだよな」と。
東北大学の人たちはいろいろな県から仙台に来ていたけれど、その多くが東北・北関東の地域だった。
私たちは出会って6年になる。しかし、彼らは誰も話さない。私たちも誰も話さない。否、話せない。
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いつも笑顔の君たちだけど、あの日はどうしていたの?
私たちが何一つ不自由のない生活をしている中、一体どんな生活をしてきたの?
聞きたいことはたくさんある。だけど、それを聞くことは君たちにナイフを向けることと変わりないのかもしれない。塞がりかけている傷をほじくり返してしまうかもしれない。
そう考えたら、私はあの震災のことを口には出せない。
『風化させない』それは私たちができる最大の経緯。でも、それがかつてのトラウマを呼び起こすのだとしたら。
3.11の検索画面のスクショ。東北に住む友人には1人もその画面をあげる人がいない。
検索なんてしなくても。今日という日でなくても。私たちはあの日のことを忘れてはいけない。
でも、もし。「伝えたい」と思ってくれるのなら。その時はしっかりと耳を傾けたい。その準備は、いつだってできている。
私の友たちへ。そして震災に遭われたすべての方へ。幸せだと笑える毎日が1日でも多く訪れますように。
まりかな
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