6日目 感謝の気持ちをしたためる
木曜日。昨日より落ち着いて講座に集中できた。病院からの手厚いケアもあって、私の心にも少し余裕が出来た。そこで、はたと気づく。
あれ?発熱外来で診ていただいて、緊急搬送してくださった病院に何もお伝えしてなかったな。
直接、行くってのも迷惑だろうし、電話もいつかければいいか難しいし、メールアドレスはわからないし…そうだ!手紙を書こう!御礼状を書こう!
便箋に想いをしたためる。緊急搬送のおかげで兄は一命を取りとめて、いまICUで手厚く治療していただけていること、少しずつ回復していること、本当に感謝していること…手書きで綴った。
そして、実は院長先生と私は幼稚園で同じクラスだったことを書き添えた。縦割りクラスの幼稚園だったので私がひとつ年上。きっと私のことは覚えてはいないと思うけれど、かわいかったひできちゃんのことを私ははっきりと覚えていますよと…。地元に開業したのを知ってとても嬉しかったこと、同級生の親たちがとても信頼してかかっていることなどをつらつらと書いた。当時の担任だったシスターが昨年、亡くなったことも伝えておいた。きっと、気持ち悪がってるだろうな、突然の長い手紙に…。
でも、書かずにはいられない。だって、私が子どもの頃は具合が悪くなるといつも、団地の中の病院でひできちゃんのお父様に診ていただいていたし、母の胃ガンを最初に見つけて病院を紹介くださったのは、そのお父様の跡を継いで開業したひできちゃんの義理のお兄様だったんだから!
人生のうちにこれだけお世話になるお医者様って、なかなかいないですから…。夜のテンションで書いた手紙は朝になると恥ずかしくて出せないので、夜な夜なチャリでポストまで投函に行った。
兄が元気になったら、挨拶に行こうと思う。
7日目につづく
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