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仕事とスキ*選ばれし者*rira_ikedaさんの世界

#もしスキがお金だったら
いただいたみなさんの募集記事に、PONOがショートショートを書かせていただいてます。
今回はrira_ikedaさんの世界↓

ここは、スキがお金になる世界。
noteはさらなる進化を遂げた。
ついに、スキは無限につけることができるようになった。
noteの人口は爆発的に増えていく。

『この世界の決まりごと』
”スキ”するのは無限にできる(相手のお金になる)
”スキ”の数がそのまま収入になるけど、数は自分にしかわからない

わたしは公務員。
といっても、この世界の公務にあたる仕事は、以前とあまり変わらない。
しかしスキで税金をいただくようになってから、仕事の流れやしくみが変わり、予算の見直しで簡略化されたこともあって給料はそこそこ。
副業の個人のスキはガツガツやっても申告する義務はない。
同僚たちはのほほんとしてる人と頑張ってる人に別れている。

わたしは趣味の読書のことを書いたら、なぜかバズってスキが増えた。

そしてフォロワーが1万人超えたある日、あるメッセージが届いた。

おめでとうございます!
あなたは選ばれました。フォローされてる方の心を丸裸にするボタンを追加しました。この黒いボタンを押して、その方が良い方か悪い方かを教えてください。教えて頂ける分だけ、あなたの生前の業が軽くなります。

なんの疑いもなく、たぶんこれは公務員として、国に報告するためのものだと思った。
ん?でも待てよ。おめでとうございます、だって?

うーんうーん。
試しに最近フォローしてもらった、すてきな女性の横にある黒いボタンを押してみた。

押した途端、どっと流れ込んできた…。

不登校の娘さんを思う気持ち。
日々のことや読んだ本のこと。
わたしの人生ってなんなのだろうと思ってしまうこと。

共感できることが多すぎて泣いてしまった。

わたしも双子の娘たちのことで、悩んで苦しんだ。
喘息で死にかけたり、重度アトピーだったりで、ふたりともこころを閉ざしてしまったこともあった。
そしてそれを自分のせいだと思い込み、その時間が空白の時間だと思っていた。

それは人から見たら通過点だったことかもしれないけれど、想いを綴ることは誰かのために、そんな悩みを少しでも軽減できればと思う気持ちがあってこそ。

彼女のあたたかな気もちが、わたしを癒してくれたのが、はっきりとわかった。

わたしは彼女に○を送信して、1億スキをした。

たぶんわたしはこの先、この黒いボタンを押すことはないと思う。

だれかの人生をジャッジするのは、裁判だけでいい。

でもわたしも選ばれし者。
それだけはこころのささえに、またのほほんと生きていく。

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rira_ikedaさん、なんだかダークなかんじになっちゃった。
ごめんなさいっ。
みなさま、お口直しにrira_ikedaさんのきれいな言葉たちをどうぞ↓

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