しあわせの理由＊コラボHappyノート＊ショートショート

xuさんとコラボ！
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ノートに名前を書いたら、その人がしあわせになるハッピーノート。
これを手に入れた僕は、しあわせとは何かを常に考えるようになった。

しあわせってなんだろう？
僕は今、しあわせなのか？

天使は知らん顔してその問いに答えてくれない。
ハッピーノートの持ち主だった天使は、ノートの持ち主が権利を返却するまで、天界に帰らずノートの持ち主と行動を共にする。

「エンジェル…（天使のことを僕はこう呼ぶ。猫に”ねこ”と呼ぶみたいなものだがあだ名みたいにそう呼ぶようになった。正式な名前は難しくて呼びにくい。）
しあわせってなんだ？って悩んで、ノートを返そうかと思っていたらBにノートを見られた。

思わずあいつの名前を書いてやろうと思ったよ。

あれから関係者の名前は書かずやってきた。
しあわせコンサルの金額は高額な料金にしてるから、滅多な人は来ないけど、それでもお金を持ってない人もしあわせになってほしいんだよ。
でもその人の名前を書くと、成功報酬にしてるからコンサル料がもらえない。
信用商売なのはわかってるし、口コミでかなり広がってきたけど黒い噂が立ち始めてる。

でもいちお今の仕事に誇りをもってる。
依頼人にも喜ばれてるし。
依頼人の調査をしていちばん死に近くて依頼人の負担が軽くなって、その人がしあわせになるかもしれない人の名前をノートに書いてる。

必死で”依頼人の名前をノートに書かないでしあわせになる方法”を調査してる。でも調査に時間もかかるし、何かうまい方法はないかな。
ハッピーノートに名前を書いた人が、死ななきゃいいんだけど。」

「なにそれ…。死ななきゃいいっていっても人間は必ず死ぬのよ。
死ななければしあわせなの？」

「そこがわからないんだ。しあわせってなんだ？」

「安心、安全？名誉？
暇？忙しい？
お金があればいい？
健康？
遊ぶこと？
恋愛がうまくいく？
大事な人のしあわせ？

人間のしあわせなんてわかんなーい！
自分のしあわせもわからないのに、他人のしあわせってもっとわかんなくない？
だったらささっとノートに書いちゃえ！」

＊＊

僕がエンジェルにノートを返したのは、そのちょっと先のこと。
エンジェルがいなくなって寂しいけど、僕には一緒にいてしあわせな人がいる。それだけでいい。

ただハッピーノートをエンジェルに返す前に、ノートにじぶんの名前を書いた。

”Aは家族に見守られながら、好きなことをすきなだけやってしあわせな気もちで老衰で死にました”

「エンジェル…ハッピーノートは絶対にデスノートだろ？」

おしまい

＊＊＊

xuさんとコラボ楽しかったです♪
ありがとうございました！

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