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読書日記

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2022年11月の記事一覧

読書日記*二度読み必至の2冊

小説の人称について考えさせられた本を2冊紹介します。 一人称は「私は」「俺が」な視点からの文章。 三人称は客観的な視点に基づいて語られる文章。 この2冊はまさに視点を利用して、いい意味で騙された本でした。 『あちらにいる鬼』 井上 荒野父と母そして瀬戸内寂聴をモデルに逃れようもなく交じり合う三人の特別な関係を、長女である井上荒野が描き切った衝撃作。 小説家の「みはる(寂聴視点)」と「笙子(不倫相手である井上光晴の妻視点)」で同じ時間を二者の視点で描かれている。 読み終わっ

読書日記*ふたりのきりこ

偶然にも『きりこさん』が主人公の本を2冊読んだ。 ふたりとも自分の人生を生きようともがいていた。 簡単だけど感想文。 『3千円の使いかた』の著者が贈る終活応援小説、と帯に書いてあるこの本は、ブックカフェに置いてあって思わず買ってしまった。 老親を介護して気がつけば結婚もせず76歳。老後の不安を解消するために桐子が選んだのは、「刑務所に入ること」だった。 パートナーである親友を亡くし、ひとりで生きていくこと。パートナーといえど他人という壁に慄き傷つき、その末に向かう先が刑務所