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【漫画感想】プリニウス

面白い。
物知りおじさん放浪記。
プリニウスは古代ローマ時代の博物学者で
割といいとこの生まれで軍人でもある。
そんな人が色々と自由に行動できる身分だったので
自分の好きな博物学に邁進し、
世界のあらゆる物を見て回ろうと旅をしたりする話だ。

歴史的には色んな大変なことが起こっているのだが
プリニウスはそんなこと知らねー、
自分の知りたいことをもっと知りたいんじゃ〜!
と、自由気ままに行動をする。
なので物語的にはこれといって凄いことは起こらない。
実在の人物であるから大体史実通りなのである。

しかし、それがなんとも面白い感じで読めてしまうのだ。

まぁいわば変人なので。

そんな人の行動を追って行くだけで楽しい。
そしてその当時の風俗や民衆の雰囲気、果ては政治的状況まで。
まるでそこにいるかのように感じられる。

NHKの大河ドラマでやると退屈になりそうだが。
動物観察ドキュメンタリーに近いのかもしれない。
我々はプリニウス氏の生涯に渡って密着取材を敢行した、
みたいな。

解説にも書いてあるのだが、
博物学と言っても当時の最先端であるだけなので。
現代からしたら全然嘘の
伝説や民話的な想像の生き物や言い伝えを記録してある。
しかし、その当時にはそれは本当だったのだ。

それは回り回って現代を生きる我々が
現代に知られていることは全て真実である、
と思い込んでしまうことに近い。
未だ、人類が知らないことは山ほどあるのに。
過去の人より賢いつもりになってしまう。

まぁ、なんというか知識欲と好奇心の塊のような人で
嫌いになれない人物なのですよね。
周りの人は振り回されるのですが。
そういう人はいてもいい。
というかいた方が良いんですよね。
なぜなら世界が面白くなるからです。
世界が面白くなって困ることなど無いですからね。

そんな彼の最後は火山の調査に出向いての死。
みんなやめとけって言ったのに。
そんなところも彼らしい。
とても魅力的な人物ですよ。
楽しい漫画です。

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極楽京都日記: 【漫画感想】プリニウス https://kyotogokuraku.blogspot.com/2024/05/blog-post_21.html?spref=tw


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