イラストロジック(DSiウェア)の感想

 アナハイム・ソフトウェア開発、ハドソンがパブリッシャーとなって2006年にDSiウェアで配信していた、まんまイラストロジックのゲーム。お値段は\524。聞いたことない開発ですよね?まあ有名なゲーム出してないし今も活動してるかは謎です。まあこの手のプチゲームは色んな会社が出してるし、最近も3DSで配信してたピクロスeシリーズがswitch用にリファインされるってのがニュースになりましたね。

 スマホでも似たような無料アプリはたくさんある(海外ではピクロス、イラストロジックのほか、“NONOGRAM"という名称のパズルとしても有名)し、そもそもDSi配信だからこのゲームを遊ぶ方法は既に失われているので今更感想を書いて何の意味が……まあ、自分が記録しておくためのものだからいいでしょう。一応、ゲーム内で獲得できるトロフィーの全取得まで29:46。3DSはプレイ時間を細かく記録できるのが本当にいいですね。


良かった点

○価格と問題数のバランス
 起動すると最初に選べるのはジャンルごとに生き物・楽器・季節物・道具・食べ物の5種類で計50問。それプラス、1枚の絵が4分割されて問題になっているパズルが1つ(4問)の54問。まあ500円ならこんなもんかな、と言いたいところなんですが、数問クリアするごとに新しい問題が次々アンロックされていって、最終的には180問+20問になるんです。これが嬉しくて、いきなり「計200問の大ボリューム!」って言われるより、解くたび問題が増えていく方がワクワク感があるじゃないですか。
 ちなみにシンプルシリーズで有名なD3パブリッシャーが出してたDL専売のイラストロジックは407円で100問、ハドソンがパズル専門誌のニコリと組んで出してたイラストロジックは3,000円で300問、任天堂のピクロスDSは3,800円で300問強と考えるとめちゃめちゃに良心的なのが分かりやすく伝わると思います。しかも……↓

○水増しが少ない
 アナログじゃない携帯機におけるイラストロジックの問題サイズは10×10~20×20が主流。これより小さい5×5は意味のあるイラストを表現しづらいし(10×10でもギリギリだ)、25×25はヒントの数字が読めないくらい小さくなるかスライドさせないと全体を見渡せないとかいう快適性を投げ売った作りになる。
 このゲームが優れているのは15×15を入門編として各ジャンル計5問ずつに配し、他の問題は全部20×20で構成していること。問題数1000問を謳っているソフトでも1問1分以内に解けてしまう10×10で全体の8割なんてレベルのものもある中、ちゃんと絵が浮かび上がる達成感を楽しめるので本当に嬉しい。

○パズルの品質がいい
 背理法必須の問題はほとんど無い(1~2問くらいあったかな?)し、出てくるイラストも多くが白黒で十分に何なのかが分かる出来。正解時はカラー表示で回答が表示されながらも、一覧で見るときには完成図を白黒で表示してカラーに逃げない潔さも良い。品質が悪いパズルは正攻法では解けなかったり、解答に色や動きが付くまでサッパリ分からない、解いた後はカラーで白黒表示を塗りつぶして雑さを誤魔化してくるものもあるから……。

○操作性がいい
 押しっぱなしで黒マス、✕マスの塗り潰しに対応しているほか、既に塗られているマスを跨いだ場合は上書きせずに白マスのみ塗り潰してくれるのが偉い(これが出来てない会社があるのも酷いが)。もちろん選択しているヒント列の強調表示、埋め終わった数字は灰色にという基本的な機能のほか、選択しているマスに接している黒マスが縦横何マス伸びてるか表示という便利機能や、ヒント列まで目をスライドさせずとも選択マスのそばにヒント列をポップアップさせる機能まで。当然、捜査はバッドでもタッチでも可能、BGM、SEのON/OFFにBGMは3種から選択可能等々と痒いところに手が届くコンフィグも素晴らしい。
 忘れちゃいけないのがヒント列をDSの上画面に表示することで盤面の大きさを確保する工夫。なんで後発のソフトは真似しなかったの?ってくらい感動した。

うーん、な点

○Undoが無い。
 唯一最大の欠点。コンフィグで「確定させた列の白マスを×で埋める」設定にしていると、ミスで列の黒マスをすべて確定させてしまった場合にどの×印が間違いなんだっけ?と途方に暮れることに。

○総評

 Undoだけは気になったけど、18年前という時代を考慮すれば搭載されてないのも已む無しだし、これが原因で解き直しになったのは1回だけ。それより後発のソフトにも無いような便利機能・解きやすさ・問題の質を確保してて明らかに値段以上の良作ですね。繰り返しになるけどもう買えないのが残念。

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