機動戦士ガンダムF91の感想
世代の筈なんですが実は全く触れてこなかったんですよね。映画は91年公開?この辺は逆シャアとか0080とかSDとか多方面に展開しまくってて、どんな順番で世に出たのかさっぱり分かりません。
肝心のF91についても知ってることって、ザコのベルガ=ギロスは熱血ハイメガキャノンでまとめて倒すと資金が旨い、ボスのラフレシアは「ふはは強かろう!悔しかろう!たとえ鎧を纏おうと心の弱さは守れないのだ」って台詞、主役機のF91は必殺技のヴェスパーでオーラバリアを貫通できるのと気力が上がると分身できること、ビギナ=ギナのビーム・ランチャーは威力の割に燃費がいいことくらいですよ。なんだスパロボ知識か、だって!?知識がスパロボ仕込みで悪いかよ!(ジェリド殿打)
以下、箇条書きで感想を。
・シーブックは行動力と判断力、優しさを兼ね備えた優等生ね。
・市民がドンパチに巻き込まれておもしろ黒人が死ぬところとか、排出された薬莢が頭に当たって子を抱いた母親が目を開けたまま死ぬところとか、陳腐な感想なんだけどウクライナ戦線を彷彿とさせるもんだから見てて辛かった。
・クロスボーンバンガードって味方じゃなかったんだ。いやスパロボでクロスボーンガンダムが仲間になったからてっきり……。
・味方の量産機がジェガンってことはこれUCなのか。その割に敵のMSは一見してジオニックではなく、モノアイの替わりにガスマスクを着けてるような顔がひたすら不気味。
・連邦軍が弱すぎるうえにモラルもモラールも低くて「子供を盾にするんだ」とか、お前ら……って感じ。カロッゾってセシリーの実父なの?というかコスモバビロニア総帥の娘婿っぽいな。見た目とか声とか雰囲気がゴールデンカムイの鶴見中尉っぽい。
・ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中、名曲ですね。昔は「Pray don't break a peace forever」って歌詞は文法に違和感あるし歌い方もダサすぎるって失笑してたけど、今は味を感じる。「君をみつめて」ももちろん大好きです。こっちはイメージソングみたいな扱いでしたかね。
・シーブックの血痕に手を触れて「わたし、どうしたら……」とか、髪を切って生まれかわる決意をしたところにシーブックが表れて「もう遅すぎた」って嘆くところとか、ザビーネに手厚くエスコートされる姿を見て女性士官が面白くなさそうなそぶりを見せるとか、セシリー周りは微妙に昼ドラっぽい。
・民間人のシーブックを新型に乗せていきなり戦闘させるわ人を殺してしまったシーブックは思い悩むそぶりを見せるも一瞬で場面が切り替わって単身フロンティア4に潜入してるわ、設定や状況はモブの会話に差し込んでなんとなく察せられる程度で流すわでとにかくテンポが速い・・・・というより、話に付いてこられるギリギリ以外をそぎ落としたジェンガみたいな作品だ。
・機械に強く家庭に問題を抱えたハイティーンの少年が、軍事系の産業に身を置く親と緑のあるMSに搭乗することになって、生まれに縛られ懊悩する少女を救い出す、というのがガンダムのテンプレートとして存在して、それらの要素を外したりいじったりして「ガンダムっぽさ」を出してるんだなとなんとなく思ったり。単にロボットを使ったボーイミ一ツガールだと言われたらまあそうなんだけど。
・アンナマリーがセシリーに反目するフラグ立ててるな、と思ったらいつの間にか裏切ってスペースアーク側にいた。展開が速い!
・……と思ったらそのまま出撃して死んだ。この辺ライブ感強すぎる。
・セシリーも戦場でシーブックと再会して即投降。富野監督のガンダムって女性パイロットが色恋理由でやたら陣営を変えるよな……大体Zのレコアに引っ張られてるんだけど。
・投降したセシリーがシーブックの腕の中で涙する直前のシーン、安堵と不安が入り混じった口元の角度とか、表情が上手い。
・家庭を顧みず自己中心的なシーブックの母親がアノーア艦長に重なる。「自分の子を戦場に出すためにF91の開発に協力したわけじゃない」って言葉に「じゃ他人の子はどうなってもいいんですか」と返されて言葉に窮するシーンとか、まさに技術屋って感じ。
・月からの援軍は全滅した、とか地球の連中は静観するつもり(規模が小さいからなんだろうけどその認識もヤバくない?)で気になったんだけど、クロスボーン・バンガードはフロンティア4で決起して貴族主義を掲げるコスモバビロニアの成立と地球連邦からの独立を宣言してフロンティア1を攻めてる、スペースアークはフロンティア1を防衛している、でいいのか?
・そのクロスボーンバンガードの資金や人員はどこから出てきたんだ。どう考えてもロナ家だけでこれだけ揃えるのは無理だろって感じなんだけど、アナハイムあたりが裏で糸を引いてるんだろうか。
・「人間だけを殺す機械かよ!」いただきました。とか思ってたらビルギット死んじゃった……シーブックにとってはいい兄貴分だったね。
・バグが自律行動する殺人兵器だとしても人類の9/10を抹殺するには効率が悪すぎる。神経ガスでも大量に噴霧した方が楽じゃないかね。
・ラフレシアが質量の割にキビキビ動きすぎて現実感が全く無いし、近接用の触手はあのサイズのMA(モビルアーマーかどうかさえはっきりしない)に搭載する意味あるのか。
・いきなりカロッゾは強化人間みたいな話をされても、ええってなるよ。後天的に強化を施されたって話なんだろうけど誰がどんな目的で。
・やたら淡白なラフレシア撃破後にセシリーを探すパートは完全に置いてけぼり食らった気分。シーブックが共感と相互理解に長けたニュータイプに進化したって表現なのか?
・ジェンガみたいなアニメ、と言うより終盤はAny%RTA見てる気分でした。This is the only beginning…って本当にその通りだよ。コスモバビロニアそのものはザビーネも紫髪のパイロットも残ってるし、これからどうなるんだ。
・調べたら映画はエピソード0で、テレビ本編13話が控えてたけど太陽の勇者ファイバードとのコンペに負けてお蔵入りって出てきた。それならぶつ切り具合や何も解決してないのも納得いくけど、そんなことある!?
・逆シャアで一度完結したガンダム・サーガの新章って位置づけだったろうに、ロナ家はザビ家の矮小な焼き直しに過ぎないし、掲げる貴族主義は薄っぺらいし、戦闘はあっさりめだしでかなり寂しい作品な気がする。当時のガノタはこれをどう捉えたんですかね。
・ヴェスバーはコロニー内部でちょこっと使ったあれだけなの?F90はどこいった?
・シーブックの妹はロリコンが喜びそうなデザインと性格してましたね。
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