見出し画像

Marioの事件簿 第12話

人の犯す過ち

朝ゆっくり寝ていたら、早くから電話が入る。
『まだ寝てたいのに・・・誰かなあ・・・』
しばらくしてゆっくり起き上がり、着信を見てみる。
『知らない番号・・・』
この後2度ほど同じ電話から、着信が入る。
「急ぎ?何度もかけてくる・・・」
午後になると、ちょうどタイミングよく電話を取ることができた。
「はい?」
「もしもし?あの・・・片瀬さんでしょうか?こちら、夏の想い出・出版社のものですが」
「はい?はあ。」
「あの、前にエッセーの講習会に申し込んでいただきましたよね?」
「はあ?あ・・・そんなこともあるような・・・」
「その件で、また講習会に参加しませんか?」
「いえ、今忙しくて・・・いずれ出版は考えていますが、いまは忙しいのでエッセーを書いてまとめています。出版できるように練習方々、書いてます。」
「え!そうなんですか。どの程度かけてますか?自費出版などもありますけれども。初めから最後まで、こちらで全てアドバイスをしながら仕上げていけますが・・・」
「如何でしょうか?」
「はあ。前にもお話は聞かせていただきましたが、今時間もお金も動かせないので、いろいろなところに投稿は、し始めています。」
「書いていれば少しは力がつくと思います。読んでくださる方もだいぶいるので、そんな方に読んでもらえたらと思って書いてますが」
「ぜひ、うちで出版されませんか?プロ仕様の内容と、装丁、プロdヒュースもさせていただきます。」
「そうですね。いずれは出版しますが、今少し時間ができるのを待っていまして」
「そうですか。ぜひ協力させていただけたらと思います。市場には、人気作家さんのものと、一般の書き手さんと並んでますが、やはりどちらの本を選ぶかは、出版社が有名であれば選ばれやすいのです。同じ棚にあれば、そちらが目につきますし・・・」
「確かに、ネームバリューは大事ですよね。おっしゃることは確かですが・・・。」
「1−2年のうちにとは考えていますので・・・」
「そうですか。その時はぜひご連絡頂けますか?こちらからも連絡を入れさせていただきますし。」
「そうですね。有名な夏の想い出さんですものね。」
「ぜひ、お待ちしております。」
「はい。では失礼します。」
『はあ・・・この世界も営業は大変なんだよね。』
こんな電話が頻繁にかかるようになって来ている。
この、へんな横取り事件に巻き込まれてから、気持ちを転換して、書くことをメインにすることにした。
ペンは剣よりも強しである。
やはり子供頃から、この仕事だろうと思っていた。
医者にもなりたかった、デザイナーにもなりたかった。
が、最後は執筆で間違いないだろう。
書きたいことが山のようにあるのだ。
この、横取り犯人のことも書いてみたい。
これを全国の人に読んで欲しい。
どれだけ、人の運を、人生のドラマを、横取りしている人間が多いことか。
どれだけ善人が、騙されているか。
それだけの勘違いが起きているか。
アトランティスが滅びたのは、裏切りからだった。
イエスを裏切ったユダのように。
ホラ吹きが、世界を壊した。
いつの時代もホラ吹きが壊した。
噂を流す人間が、一番の悪。
いつの時代も血の涙があふれた。
人間の最後は、ノアの箱舟ならず地球の水没だ。
本当のメッセージは、正直者だけに届く。
ニセ教祖や、嘘つき教祖には、偽情報が届くのだろう。
姿なきものからのメッセージは、信頼にかける。
それほど、嘘情報が流れている。
本当かどうかは、自分の目で確かめろと言いたい。
嘘つき鳥が、嘘を話している声が聞こえてくる。
夜、チャネルをしている家族。

こんな会話が聞こえた時から、事件を追っている。

「なあ、こうすればさあ、こんな女なんてさあ。ね、こうなるでしょう。こんな女なんて一捻りで潰せるよね。な。」
「橘マリオなんてこんな女!」
この男を探しています。
この時、念書か、手紙の名前のところを書き換えていた。
公文書偽証罪と殺人罪で訴えます。
この男を本気で追ってます。
60−70歳くらいのニットかネットか言う癖のあるどら声。
私の名前を使うとは、許しがたい男で、頼みにきた男も一緒に捕まえる。
この男2人を探している。
1人は40−50歳くらいのおとなし目の声。
これが事件の発端。
これが本当の事件。

『マコちゃんマコちゃん、よく聞いて。これから言うことをよく聞いて。静かに聞いていて。』
これがダイイングメッセージ。

私の代わりに、偽物を連れてボーイングに乗って逃げた男。
アニーが嘘ついた。
上の年寄りの男が犯人。
許すわけにはいかない。
この男たちを追っている。

これが本当の事件簿の1つ。

これの本当を追っている。





















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?