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タイムトラベラー 兎
9 ある晴れた日に
こんな憂鬱な部屋に住んで、毎日窓の外を眺めては、あ!また!
あんなおかしな話が聞こえてくるね。
カエルの合唱の輪唱が聞こえる。
「カエルの歌が聞こえてくるよ。カエルの歌が聞こえてくるよ。」
「ゲロゲロゲロゲロ、ゲロゲロゲロゲロ グアッグアッグアッ」
このうたが、頭の中を支配する。
そのうちに、本当のカエルが話しかけてくるようになった。
歌の中にも洗脳パターンがある。
歌ってはいけない歌があるかもしれない。
こんな単調な、カエルの合唱のパターンが、精神に何か働きかけているかもしれない。
精神不調になる、周波数があるようだ。
カエルはたまに、話しかけてきて、いつの間にか、ケロ子が登場して、
親子ガエルになった。
夫婦ガエルにしては、年が離れすぎているように思う。
カエルも、
「ごめんなのだー」
「ごめんなのだー」
「許してなのだー」
と言う。
可愛いケロ子も話しかけてくる。
このカエルはかわいいのだ。
「ミャー子ちゃん、ミャー子ちゃん、ここから出るのにゃー」
のねこ親父と
ねこ娘。
「ミャー子ちゃん、ミャー子ちゃん、ここにいたらダメなのにゃー。壁に近寄ってはダメなのにゃー。」
「きゃー!あぶにゃいのミャー。」
と、部屋の壁には近寄るなと言う。
「こっちの部屋で寝てはダメなのにゃー!」
今度はねこ。
次は、ブウが話しかけてくる。
「ダメだぶう。」
犬が
「ワン。」
と話しかけてくる。
小鳥が話しかけてきたり、カラスが、カーカー言ったり。
アヒルが、
「ガーガーガーガー」
騒いだり。
ここは動物園?
「一体ここの部屋は、何が起きているのだろう?」
そんなことを考えながら、外を眺めている。
引越し初日から、危険を教えにくる存在がいた。
「そういえば・・・」
ねいろちゃんが、
「あさとちゃん、後ろにうまく表現ができない人がいるよ?」
「うまく喋れないみたいだよ?」
「そう?どんな人?」
「うーん?」
「自分の気持ちをうまく表現ができないみたいだよ。」
「ふーん?誰だろうね。」
そんなことを言われたのは、もう6年前。
それをふっと思い出した。
うまく喋れない人が、話しかけてこようとしている気配はある。
「芋!」
「かあかあかあ」
「パタパタパタパタ、くわくわくわ。ワンワンワン」
こんな感じの言葉だけ聞こえてくる。
メッセージなのか、暗号なのか、本当に喋れないのか。
謎が深まるばかりである。
せめて名前と、場所を言えていれば探してあげられたのに。
こんな行き違いばかりの、5年間。
「まったく、いつまで待たせるのだろう。」
「せめて本当に目の前に来て、謝れば許せたのに・・・。」
捨てたものが世の中の悪い団体に持ち込まれて、使われてしまった事件。
それを奪いに行った時に、暴力事件に巻き込まれた男。
この人を探している。
バラバラにされた、男。
「体が痛いんだ。」
「バラバラにされたんだ。」
「痛いんだ、バラバラなんだ!」
ある男のいたずらで、柄の悪い家に飛び込むように言われ、そこで男たちに暴力を受けた。
女が男を薬ずけにしたせいで、男が暴力に巻き込まれた。
女が、男を薬ずけにして奴隷にした。
不倫状態である。
そんな、いたずらのせいで体が聞かなくなり、ボロボロにされ、
まずいと思った男が、身体を治すためには2年かかるといい、
「それまで騙しておけ!」
と私を騙し続けた。
嘘情報を聞かせるように仕向けた男。
今も、迎えに来ない。
それでも、
「体が痛いんだあ。バラバラなんだよ・・・」
「バラバラにされたんだあ・・・」
そうやってテレパシーを送ってくる。
これを、うるさい子供や、団体に邪魔をされて助けることができなかった。
通信が、途切れてしまった。
うるさい声のせいで、全て運命が変わってしまった。
もう3年半前の話である。
たまに、何か言いたげに近寄ってくる。
全て私の相手が、こんな不幸に巻き込まれたのは、ある3人の男たち。
4人組の男たち。
ひどい薬ずき女のせい。
どちらも、受け入れられない女につけられてしまった。
それが不幸の始まり。
私に会えていたら、幸せな二人になれたはずなのにね。
兄が嘘ついたんだって。
そんな話を私に聞かせにくる。
兄い兄いと聞こえていた。
三角お屋根の緑のお家。
ピングのお家。
クリーム色のお家。
涙色のお家。
「涙色のお家をあげるよ!」
白お家。
青いお家。
ファミングの香りのする家。
ユニフォームを干してるお家。
オレンジ色のお家。
グレーのお家。
ピットブルの家。
テスらの置いてあるお家。
鉄のお家。
クリーム色の家に閉じ込められていたんだって。
柱に縛られていたんだって。
最後は、戸袋に放り込まれた。
ご遺体がそこから見つかる。
その家の、床の間においてあったもの。
望遠鏡でいつも見ていたんだって。
望遠鏡が届くはずだったのに。
今だにオルゴールも、望遠鏡も届かない。
桜貝も、一輪挿しも、バラの花も、グリーンピースも、マスタードも
バニラも、桃も、グレープフルーツも、オレンジも
全部に合うものを届けるよ。
シマウマをあげるよ。
新芽が出たよー。
ぶどうをあげるよ。
ワイナリーがあるんだ。
これが私へのメッセージ。
この人も、もう体が弱って、それでもそばにいるんだって。
その人を感じるんだって。
葡萄棚があって、牛がいて、牧草地。
そんな人。
これさえ、私に届かず、よその人と暮らしていたはずだったのに。
それでも、体がもう弱っているよ。
と言われた。
嘘つきが全て、私の出会いの邪魔をした。
後悔してるんだって。
みんな謝ってるんだって。
それなら、きちんと目の前で謝ってほしい。
「うちの娘の話にしてください。」
「自慢の娘をもらってください。」
この人のせいで、全て狂ってしまった。
記憶のない人のために、私の寿命を奪おうとしたうつけ。
記憶のない人のために、私の私生活をその人のために、私から奪ったうつけ。
こんなうつけたちのために、私が許すわけないだろう。
私に幸せを奪い、不幸を30個私に送りつけたうつけ。
こうやって人から、幸せや運をとる人間がいる。
そんなうつけのためにこうして書いている。
それは、あなたの運命ではないですよ。
親が画策した運命です。
「運命を受け入れた。」
と言いに来たけれども、あとで後悔すると思う。
私の天命は奪えない。
あなたたちには、大層重く耐えきれないはずである。
「私だって遊びでこんなことを聞いてるんじゃないのよね。聞かせられているのよね。」
「これを書いて!と言われたれたけれど・・・。」
「書いてみるかあ。私だって頭にきている!」
「世の中にひどい人間がいることを、書いて欲しいんだって。」
「あさとちゃんは、影武者がいたらいいのにね・ふふふ。」
「影武者って?なにそれ あはははは」
このねいろちゃんと、楽しくカフェでまったりしている時が、今は昔。
二人とも楽しくてたまらなかた。
何時間も何時間も、話が止まらない。
嘘つきのせいで、出会う人がいなくなって、もう奇跡は起きないね。
イエスの磔の時と、同じことが起きる。
天空の神々が涙を流す。
地球の浄化が始まる。
人間も掃除されてしまう。
「ヨハネの黙示録、そのままのことが起きるかもしれないなあ。」
「なんてね!」