我が家がモンテッソーリ教育を始めた理由
1.夫婦の教育方針のすれ違い
愛する我が子、長男が生まれてすぐの頃はまだ教育方針に話し合う機会はありませんでした。実際のところ、まだ長男はホニャホニャの天使で、私たち夫婦は全くの援助のない核家族で、おまけに二人とも末っ子育ち。この小さな命をどのように大切に、生かしていけばいいか・・・。そればかりの日々だったと思います。
それから半年ほど経って、長男の首も座り、夫婦の時間も取りたいねと、毎週金曜日の夜は、当時ネットフリックスでやっていた「赤ちゃんの科学」を見ながら夫婦でまったり育児のことを考えよう!という時間を取ることにしました。幸い、今の夫のハードスケジュールからは考えられないくらい余裕のあった時期でしたし、空気を読んだのか長男も、「赤ちゃんの科学」で夫婦会を開催しているときは夜泣きも少なく、とても有意義な時間でした。
そんな中、私たち家族の中でまたひとつ大きなプロジェクトが動き始めていました。それは”家を買う”ということでした。毎週末、土地探しから中古物件探し、信頼できる不動産屋探し、新築にするかなどなど、たくさんの時間を使って、長男が1歳半を迎える頃には、一軒家に引っ越すことができました。
そこではじめて出てきたのが、夫婦の教育方針のすれ違いです。ここまででも何度か私は、本で読んだ知識で「モンテッソーリ教育」ってすごくいいなぁ、せっかく通える範囲にも、実践されてる幼稚園あるし・・・。と思っていて、それをとても気軽な気持ちで夫にシェアしてみました。
返ってきた言葉は「いいんじゃない」
私は、そう、あのときとても悲しかったです。たとえば一冊でも本を読んでくれた上での「いいんじゃない」だったら、「だよね!」と賛同者の声に嬉しくなったでしょう。しかし彼の中では「子育てに割く時間は、どうしてもまりのの方が多くなるんだから、まりのが決めた方でいいんじゃない?」
だったようで。
その後色んな幼稚園情報の収集に駆け回り、
・親は楽だけど、園の方針には全面的には賛同できない
・親はなかなか大変だけど、園が子どもたちのことをよく考えてくれている
の2択まで絞ることができました。ちなみに後者がモンテッソーリ教育園です。これを旦那にプレゼンすると、旦那は迷いなく「親が楽なほう一択だよ」と言いました。「まりのさんは真面目すぎるタイプだから、後者にいくとしんどくなってしまうんじゃない?自分が楽できるっていうのが一番だと思うけど。子どもって多分ある程度ほっといても勝手に育っていくよ」と。とても私にかかる負荷を思いやった、発言でした。
しかし私はモンテッソーリ教育のことを知れば知るほど、この「子ども主体」の魅力溢れる教育方針のとりこになっていってしまったのです。ここで「でも私はモンテがやりたいから後者に入れるわね」と言うのは簡単だったかもしれませんが、両親の教育方針が全く違うと、後々も齟齬が生まれてきてやりにくいだろうな、という気持ちが4割、そしてせっかく私たちは夫婦になって、愛する息子のパパママなんだから、子どもに関することはできるだけ擦り合わせたい!という気持ちが6割でした。
そこで私と夫の2人で、この子は将来「どんな人間に育ってほしいか」と話し合う機会を持ちました。私たち夫婦は面白いもので、前向きだけど常に悩んで停滞しがちな私と、後ろ向きがちだけど決断力はすごい夫で、お互いに心の中に何かしら自分に対する不満を抱えて生きています。いや、これはきっとどこのご家庭、どのご夫婦も一緒かもしれません。
そしてこの話し合いの結果、まとまった意見は「心身共に自立、また自律していて、自分の選択によって物事を掴み取り、そして自分で幸せを感じられる人になってほしい。失敗しても、分析して立ち上がれる人になってほしい」でした。ちょっと求めすぎかもしれませんが、特に一番最初の心身共に自立、自律した大人に!というのは、夫婦の共通アンサーでした。
この話し合いの結果、私たち夫婦は子どもをモンテッソーリ教育で育てることにしたのです。
2.〜入園まで、孤独の近所と児童館
私の家から、決めた園までは、遠すぎることはないものの、そこそこの距離がありました。決して家の近く、とは言えないくらいの距離です。家の近くには、ご近所の方が多く通われている園が2〜3ありましたので、自分で決めておきながら孤独感を感じたものです。
児童館などに通っているときに、周りのお母さんたちが「4月からどこ入園ですか〜?」「わー!うちも一緒です。仲良くしてくださいねー」と言い合っているのを見ると、なんだか切ない気持ちにもなりました。
「どこの幼稚園ですか?」と聞かれ、園の名前を答えると「あー、モンテッソーリの・・・へぇすごーい、頭良くなりそうですね^^」と言った反応に、悲しくなることもありました。モンテ教育は、知育教育じゃないのに、ものすごく教育熱心な教育ママのレッテルを貼られているようでした。
この教育ママのレッテルに対する気持ちは、後に、ある本を読んだときに、教育ママ上等、自分の子どもに幸せを掴み取ってほしいと思って何が悪いんだろう?と開き直ることができました。
この孤独感は、当時は長く感じたかもしれませんが、今振り返ってみると思ったよりも早く「入園」してしまえば、すぐに解消することができました。というのも、園にいらっしゃるどのご家庭も、どの先生方も、モンテッソーリ教育に熱心な方だったからです。そして何人かお話しさせていただくうちに、親しくなったお母様も「地域ではやっぱりなんだか孤独を感じる。周りに通っているお子さん、少ないし」と私と同じような気持ちをお持ちでした。園から歩ける範囲にお住まいの方はたくさんおられるかもしれませんが、少し遠い組で同じ気持ちを分け合えたことによって、私の中の孤独感はすっかりと解消されました。
3.国際モンテッソーリの資格
少し話が前後しますが、私がモンテッソーリ教育について、本だけではなくコースで学び始めたのは、息子が幼稚園に上がる前になります。息子はインファントコミュニティと呼ばれる、自分で歩き始めた1歳半〜2歳ごろから3歳ごろまでの子どもが1日2時間ほど通うところに行っていました。
そこでは毎月だったか、季節ごとだったか、先生からプリントをいただくのですが、そこで「園で過ごす時間はたったの2時間ほどです。園もお子さんを助けられるように努めますが、ご両親もご家庭でお子さんのサポートをよろしくお願いいたします」と言った内容のものがありました。
もともと学習をするのが楽しい!という私の性格もあるかもしれませんが、せっかく子どものことを考えてくださる先生がいらっしゃるんだから、私もモンテッソーリ教育についてきちんと学んで、園と親、両方から子どもをサポートしていけるようにしよう。と考えたのです。
しかしこの頃、下の子どもがすでに生まれており、それはもう本当に大変な日々でした。やり切った今だからこそ、やってよかった、頑張ってよかったと思えますが、当時は課題図書を読んでレポートを作成する、というのが夜の間にしかできず、そして夜は上の子も下の子も夜泣きーーという日々でした。
ただコースで学んだことは私のかけがえのない宝物となり、それこそ大げさに聞こえるかもしれませんが、今後の人生を大きく変えるものとなりました。
コースは、もっと上級のものや他の団体が主催しているコースもあるので、学びを止めず、日々成長していきたいなぁと思う次第であります。
いくつになっても人は主体的に学ぶことで、成長する。私たち人間というのは、とても素晴らしい生き物ですね!
4.もしもあなたがモンテッソーリ教育が気になるなら・・・
住んでいるところ、家族を取り巻く環境、その他、全てのことにおいてーー私と、これを読んでくださっているあなたの環境は違うことでしょう。もしかすると、少し似ている方もいらっしゃるかもしれませんが!
ここまで我が家のモンテッソーリ教育事情について書いてきましたが、近くにモンテ園がない、こどもの家がない、共働きで入れられるところがない、場所が遠すぎてとても通勤との兼ね合いで無理だ・・・でも、モンテッソーリ教育が気になっている!
そんな方に朗報です!
モンテッソーリ教育は、家庭でも実践することができます。モンテッソーリ教育というと、どうしてもピンクタワーや茶色い階段、数のビーズのような特徴的な教具を使うイメージですが、モンテ教育の真髄はそうではなくもっともっと深いところにあります。
あなたは子どもを信じていますか?
モンテッソーリ教育に、100%や完璧なんてものはないと、私は思っています。このNoteを読んでくださったあなたの中には、お子さんをお持ちの方もいらっしゃると思います。そもそも育児に点数なんてつけられるものでもないし、つけるのも私はあまり好きではないのですが、でも、きっとお子さんのことを思ってこれを読んでくださったあなたはそれだけで100点満点の素敵なお母様だと思います。
プラスαとして、モンテッソーリ教育の考え方をおうちで無理なく取り入れていくことだってできるんです。それこそが、先ほども問いかけした、
あなたは子どもを信じていますか?
ということです。子どもに対する信頼とは?子どもを尊重するとは?モンテッソーリ教育の扉はここから始まります。私も毎日、子どもたちがいないところで深く深呼吸して、この問いを自分に投げかけます。
12月からモンテッソーリ教育が気になっているご家族様へのサポートを始めたいと考えています^^!またXで告知させていただきますね。