私家版・プロ野球ユニフォーム史 2022-2024 Vol.3 千葉ロッテマリーンズ
2022年
【ALL FOR CHIBA】
千葉移転30周年となったこのシーズン。地元・千葉とのつながりを強調するALL FOR CHIBAユニフォームのカラーリングを、前年までの赤からグレーに変更。そしてCLMのイニシャルを組み合わせた新しいロゴも登場。クラシカルでシンプル・イズ・ベスト路線のデザイン。
【Mother's Day】
母の日イベントのユニフォームは高級時計メーカー・フランクミュラーによるかなり攻めたデザイン。ホームのピンストライプの両肩をピンクで染めた数字柄があしらわれている。背番号もフランクミュラーのフォント仕様に。
【BLACK SUMMER WEEKEND】
夏恒例となったちょっとチャラくてやんちゃなイベント。この年のユニフォームは黒地にライトパープルのロゴ。昨年のミントグリーンに続いてネオンサインを思わせるパーティピープル仕様。胸のMARINESのロゴも背番号も新しいフォントに。
2023年
【ビジター】
前年までのストライプが消えて真っ黒に塗り潰された「純黒」。差し色も袖のラインのみと最低限に抑えられ、より黒さを強調したカラーリングとなった。胸のロゴはMのイニシャルに変更。
【CLM】
グレーのALL FOR CHIBAはCLMユニフォームと名称変更。前年までと大きな変化はないが質感がややマットになり、袖の白と黒のラインのうち白の幅がやや広くなっている。またビジターとCLMには黒・白・グレーの「BELIEF LINE」が袖口とパンツのサイドに入る。
【BLACK SUMMER WEEK】
前年までのBLACK SUMMER WEEKENDから名称変更し、週末以外の試合でもイベントを開催。ロゴと背番号にはグラデーションカラーを採用。左右で袖のラインの色合いも変えていて細かい部分で凝っている。ナイターが始まる前の時間帯、ビーチと様々な色彩に染まる夕焼けの空をイメージ。
2024
【ファーム】
吉井理人監督の発案によりこの年から初めて導入したファーム限定のユニフォーム。白地にMのイニシャル、襟と袖にはブラック・ホワイト・グレーのラインが入るシンプルなデザイン。ピンストライプのホームユニを着るためには一軍に上がってこい、というメッセージも込められる。
【NEO CLASSIC EDITION】
「伝統と革新の融合」をテーマに、前年までのCLMに代わって新ユニフォームが登場。チャコールをベースとして毎日オリオンズ時代のロゴをモチーフとしてブラックレターフォントを使用。胸にはCLMのロゴ、背ネームもオリジナル。 パンツも含めた全身がこのカラーリングで、身体のラインがより強調されるシェイプとなった。
【BLACK SUMMER WEEK】
マリーンズの夏を彩るこの年のテーマは「Join The Crowd」。黒を基調としながら、チームの初代カラーのピンクとオリーブグリーンを組み合わせたカラーリング。新たな筆記体ロゴと背番号のフォントも登場。南国リゾートの気分も味わえるデザインとなった。
・その他のトピック
【リーンちゃんのメイン衣装がホームユニに変更】
(写真協力:@takao_kouga さん)
2021年までマリーンズのマスコットたちの中で基本的にホームユニフォームを着用していたのはマーくんのみだったが、その翌年からリーンちゃんもメインの衣装として着ることとなった。マーくんがパンツもユニフォーム着用であるのに対し、リーンちゃんはキュートな黒のスカートを合わせている。もうひとりのズーちゃんはホームユニのピンストライプの柄が入ったオーバーオールに変更。より一層やんちゃ具合は増したように見える。
【袖の広告とペットマーク】
2023年からユニフォームの左袖には千葉興業銀行の広告ロゴが入る。それと入れ替わるように、千葉移転以降は必ずホームユニの左袖に入れられていたカモメのペットマークが外され、少なからずファンに衝撃を与えた。また、背番号・ネームのフォントもわずかに変更あり。「7」の左上のカギがないフォントになっている。
【BLACK BLACK】
ホームであるZOZOマリンスタジアムでビジターユニフォームを着用する恒例企画。2022年には佐々木朗希が完全試合を達成。永く歴史に残るシーンはマリン+ビジターユニという組み合わせとなった。
2024年は上がビジター、下がホームという変則的な組み合わせ。かつて井口資仁が在籍していた時代に使用されていたシカゴ・ホワイトソックスのビジターユニフォームのスタイルを踏襲しているようにも見える。
【雑誌への掲載】
2024年のBLACK SUMMER WEEKは女性ファッション誌やアイドル誌でのアピールに着手。Sweet、ViViではモデルがユニフォームやグッズを取り入れたコーディネートを展開。JUNONには選手5人が登場しアイドルユニットばりのポージングも披露。異色の組み合わせにファンは大いにあわてた。
1995年以降は不動のデザインとなっているホームユニを中心に据えながら、ここ数年のマリーンズのユニフォームデザインはクラシカルとオリジナルの両面を突き詰めているように感じられる。特にBLACK SUMMER WEEKでチャレンジしたような、これまで関わりのなかった媒体への露出は高く評価したい。新たなファン獲得のため、ユニフォームを着たくなるムード作りはとても大切なのかもしれない。
2004〜2021年のユニフォームの記事はこちら。