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10. 鬼体育教官と靭帯損傷

入院したり、ズル休みしたりであまり学業にホンキを出せなかった私。
そんな私でもなんとか高校受験をクリアして楽しい高校生活を送っていた。
この頃には松葉づえなしでもヒョコヒョコとだけど歩けるようになっていたのでした。

楽しい高校生活のはじまり

小中学校では楽しかった記憶がほとんどないけど、
高校生活がそれなりに楽しかったのは、
部活に入った! というのが一番の理由だと思う。

もちろん運動系ではなく、その名も「ギター部

なんでいきなりギターだったんだっけ?
きっかけは忘れたけど、
その弱小ギター部には3年生の先輩が2人しかいなかった。
2人じゃ成り立たないので他にもいたはずだけど、
たぶん、ほぼ幽霊部員。

部室は放課後の化学室だったし、
先輩ふたりはとっても変人だったし、
1年の新入部員は私を含め5人だけ。

それでもYAMAHAのギターを買ってもらって、
学校でも家でも ♪ジャンジャカジャンジャカ 毎日練習に明け暮れてた。
この頃はまだ、ギターを弾くくらいの握力はあったんだよね。

学校の文化祭とか予餞会ではステージで弾き語りしちゃったり、
部のみんなで遊びに行ったり夏休みには合宿したりほんと楽しかった。

\やっと巡ってきた私の青春!/ って感じ。

私にも青春があったんだね~
ドラムスを手伝ってくれたKくんにも恋してた♥っけ。

そんな楽しかった高校の3年生の終わりに事件は起こった。


右ひざ靭帯損傷事件

これは病気ではなく、体育の時間内での不慮の事故

体育の授業はもちろん毎回「見学」なんだけど、
昔の体育教官てものすごいスパルタじゃなかったです?
オレ様的な。

私は下駄箱のスノコに土足で上がったところを見つかり、
「規則違反」だと、ぶん殴られたことがあります。
親にも殴られたことないのに...と、もう涙目。

そんなオソロシイ、
今なら体罰教師と批判されてもおかしくない体育教官の体育の時間。
みんなピリピリしていた。

その日はバスケット。
当然私は見学していたのだけど、鬼教官が言うのだ。

「そこのオマエ、見てないでココに立ってパスの間に入れ」 と。

つまり、ふたりがボールをパスしながら、
立っている私にぶつからずにゴール下まで行くという練習。
私はただ立っていればいいらしい。
なんの練習なのか...。
口答えする余地はなく、私はコートに立った。

いやな予感しかない。

ピッと笛がなり
みんながパスをしながら私の方に近づいてくる。

1組め。クリア。

2組め。無事にクリア。

そして、3組目。

あー、曲がってるよ、このまま行くと私にぶつかるかも。

えー、どうする私? うわー、体動かない…。

バーンとぶつかる。

倒れる。

みんなが駆け寄る。
(ここはスローモーションでお願いします)


一瞬キゼツ…の後の、イ、イタイ...。
足が…膝がぁぁぁぁ…


たぶんよろけた時に右足に体重がかかって、
そのまま変にひねりが入って膝が外れそうにガクっとなった。
ぃゃ、外れた? 教官が膝を引っ張って治してくれた。

そのまま担架で病院行き。
レントゲンを撮ったら案の定「靭帯が伸びてますね」
「切れてはいないのでこのまま様子を見ましょう」ということに。

それでなくても不安定な足元に、ますます不安定な膝カクカクが加わる。

高校教師は責められたのか?
学校側の対処は?
そういう記憶は全部飛んでしまった。

もちろん、誰のせいってわけじゃなく、
ボーっと突っ立ってた私も悪いんだけどw
なんとなくこういうのって想像できなかったのかなーって。
今思えばそう思わないこともない。

この膝カックン事件で、
私はやりたかった夢も希望も絶たれ(とてつもなく非現実的な夢だったけど)
仕方なく、手に職でもつけるか...と、
専門学校に行くという道を選択したのでした。

書いてて思い出したけど、漫画家志望の仲良しの同級生がいて、
私が学校に戻った日に「はい。これ」と見せてくれたのが、
私が倒れてピーピー泣いてる様子を描いた絵だった。
すんごい顔して「いたいよぉ。イタイよぉ」って悶絶してる図。

久々、笑った。

こんなふうに笑いにしてくれる友達がいてよかった。
ほんとは笑いごとじゃないほど痛かったけど。

あと。鬼教官はその後ミョーに優しくなって気持ち悪かった。
そして私はまた松葉づえ生活に戻ってしまったのでした。


これはギターじゃないけど、私のかわいいウクレレさん。
Jake Shimabukuroのライブに行って感化されて購入。←単純
今ではたぶんもう弾けないと思う。
ほとんど弾いてなかったけど...ね。