見出し画像

コラム:\カッケー/? --車椅子に取り付ける着脱式電動アシスト(初号機)--

前回。
手動車椅子に取り付ける着脱式電動アシスト(2号機)を紹介しました。

2号機?じゃあ、初号機はどこ?ってツッコミ入れてくれると助かります。
そう。あるんです。
実はコレを購入する前にも別の電動アシストを使っていました。

でもね。ふつーに考えれば
「手で漕ぐのが大変なら電動車椅子にしたらいいじゃない」
って思いますよね。

「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
みたいな。

そんなカンタンにいかないのが車椅子なんです。

私は車を運転するので、車に自分で車椅子を積み込む必要があります。
電動車椅子だと重すぎて、まったく乗せられません。

最近、街で見かける、WHILLとかカッコイイのを買ったらいいじゃない。

わかります。
カタチから入りたいのはやまやまです。

これなら分解もできるし車にも乗せられることは確かです。
でも、私は家の中でも車椅子を使っているので
フローリングの床が車椅子の重さに耐えきれずたいへんなことになりそうでコワイ。今でさえたいへんなことになってるし。

それと、これは一番重要なことだけど
WHILLは、カラダの採寸をしたオーダーメイド車椅子ではないので
私のカラダにジャストフィットするわけではない
ということ。
ちなみに、今乗ってる車椅子はオーダーメイドです。

結局。
丸1日座っていても疲れない、動きやすい、今の車椅子が一番!

となると、やっぱり
「今の手動車椅子をなんとかラクチンに動かしてくれるもの」
「使い勝手が良くてアクティブにどこにでも連れていけるもの」

を探す旅に出なくてはなりませんでした。

あれこれリサーチしたり、福祉機器展に行ったりして
ついに「これだ!」と思うものに出会って速攻購入したものがコレ。

それが、初号機、チェアーライダー
あ。色も初号機っぽい!

初号機っぽいのに名前は「ノリダー」
昭和のニオイぷんぷんで申し訳ない

残念ながら現在は生産していません。
あい・あーる・けあさんの製品なのですが
こちらの今は亡き社長さんが車椅子の方で、ご自身で楽に移動できるものが欲しくて自分でつくってしまったそうです。スバラシイですね。
(他にも便利グッズなどいろいろあるので覗いてみてください)

今は、部品の高騰やら人手不足で
この製品を作れなくなってしまったそうです。

こんなふうに、取付金具を車椅子に装着して
ワンタッチでカチっと自分で取り付けができるし
前から引っ張ってくれるので、なにがあっても自分が前に倒れることはない
という安心感があり、優れモノでした。

何度か故障したときも、すぐに対応してくださって
すごくお世話になった良い製品、良い会社です。

車に積んで行って長崎のあのオソロシイほどの坂道も一緒に旅しました。
(長崎の車椅子使用者の方たち。一体どうやって生活しているんだろう)


私はノリダーが気に入っていて長く使ってましたけど
最初はやっぱり抵抗ありました。
こんな乗り物はあまり見たことがないので
少しハズカシイな…なんて気持ちが。

でも、そんな気持ちも最初だけ。

ノリダーで街を走ると
まず、お年寄りによく声をかけられるようになりました。

「いいわねー」「ラクチンそうねー」「どこで買えるの?」

私は歩く広告塔みたいな感じで
「これは、こういう会社がつくっていて取り付けも簡単で...」
と説明して歩いてました。

35万円するので、なかなか購入にはいたらなかったようですが。


夕方にノリダーでテケテケ走っていると下校途中の小学生と遭遇します。
ニガテなんですよねー、子供って。容赦ないから。

「なにコレ」「なんで車椅子に乗ってるの?」「歩けないの?」

素朴な疑問を直球で投げつけてきます。
素直な感性は伸ばしてあげたい。そう思うものの、一応は身構えます。

なのに。それなのに。 すれ違いざま聞こえたのは

\ カッケー/ なにあれ、カッケー!!


え? カッケーって? もしかしてカッコイイってこと?

車椅子で歩いてて「カッコイイ」なんて言われたの初めてで
どんな顔したらいいやら…たぶんニヤニヤしてたと思います。

へー。今の小学生にはこれがカッコ良く見えるんだー。
と驚きでした。
しかも近頃の子供たちときたら、車椅子なんて「へ」とも思ってない。
フツー。居てフツー。ついにそんな世の中が到来したんですねー( ;∀;)


そんなノリダーも長年の私のハードな扱いに耐えきれなくなり
その役目を終えました。
好きだったなー。ノリダー…もといチェアライダー。

2号機はあまり目立たないのでカッケーって言われません。

気が付かれないけど実はスゴイ最新技術が搭載されてるって...。
それが本当の意味で、福祉機器の新しいカタチなのかも。