知っ得!<陸自初級・中級幹部の陸自訓練イベント能力アップ活用法>3年ぶり開催!第1空挺団初降下行事(1月8日@習志野演習場)
こんにちは。
元・国防男子/陸上自衛隊応援団/初級・中級幹部サポーターのMr.Kです。
幹部自衛官として13年間勤務し、主な経歴は🪂最精鋭部隊第1空挺団、🇺🇸米国陸軍留学、✏️陸自最高学府の指揮幕僚課程、🇺🇸在日米陸軍司令部、🇺🇳国連南スーダンミッション軍事司令部等で勤務して参りました。
現在は、民間企業の危機管理部門で海外セキュリティ担当として危険国の情勢分析、セキュリティ対策の立案などの仕事をしています。
1. 3年ぶり開催!第1空挺団降下訓練始め
第1空挺団のTwitterを眺めていた時、目に飛び込んできたのが、
「令和5年 第1空挺団 降下訓練始め」
なんと!3年ぶりの開催だそうです。
前回の降下訓練始めからそんなに経ったんですね・・・
新型コロナの影響でここ数年ずっとキャンセルされてきましたから、空挺ファンにとっては、待ちに待ったイベントではないでしょうか。
僕も今でもとても楽しみにしているイベントの一つです。
防衛大臣が参加する数少ない自衛隊のイベントですからね。
今年の降下訓練始めの概要は、以下の通りです。
*開催日時
1月8日(日)の午前8時30分から14時まで
入門は12時まで
*開催場所
例年通り、千葉県の習志野演習場です。習志野駐屯地のすぐ近くですね。
*アクセス(電車)
車は使わない方がいいです!!
めちゃくちゃ渋滞します!
*会場入り口
会場への出入り口は、との2箇所です。
どちらの入り口も一般車両の入門は禁止されていまして、徒歩、自転車、オートバイでの入門のみが可能です。
自動車教習所門の方が会場に近いし、混まないと思います。
*入門時のチェック
「体温検査」と「手荷物検査」が行われます。
体温が37.5度以上の方は入門できないようなので、徒歩で来場される方は急いで歩いてきて体温が上がらないように気をつけてくださいね。
天候または新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、行事の内容が変更されたり、中止される場合があるとのことです。
丁度今コロナがかなり流行している時期なので心配ですね・・・
無事に開催されることを祈っています。
*当日の訓練展示内容
指揮官等降下展示
空挺団及び米英豪陸軍による空挺降下・自由降下の展示地上訓練展示
島嶼防衛を想定した空挺作戦及びヘリボン作戦の展示(空挺団及び米英の降下含む)飛行訓練展示
陸上自衛隊のヘリコプターによる編隊飛行の展示
なっ、なんと、今回は、米、英、豪陸軍による空挺降下と自由降下が予定されています!!
これは、初の試みではないでしょうか。
国によって、使用する落下傘も異なると思うので、異なる軍隊の空挺隊員の空挺降下は楽しみですね。
*朗報!ライブ配信も!
今回は、当日の10時ごろからライブ配信も行ってくれるようです。
僕は、残念ながら、当日所用で千葉まで行けないので、ライブ配信は本当にありがたいです!
2. 今回の降下訓練始めの見どころは?
今回の記事は、空挺団の降下訓練始めの「見どころ」について記載したいと思います。
「見どころ」と言っても、一般のファンの方が思うような
「おー、すごい!」「かっこいい!」
というような見どころではなくて、
陸上自衛隊の初級幹部や中級幹部としての見どころです。
つまり、どのような視点でこのイベントを見学すれば、陸上自衛官としての能力アップに繋がるのかということについてです。
ちなみに、一般の空挺団のファンの方の見どころは、なんと言っても、今回の行事には、米国、英国および豪州陸軍の空挺隊員が参加し、実際に降下をするというとことです!
空挺団史上初だと思います!!!
これは、絶対、今回の降下訓練始めの見どころです!!!
すみません。興奮してしまいました。
3. 陸自の初級・中級幹部はこのイベントの最大限活用を!
僕は、富士の総合火力演習などの陸上自衛隊の訓練展示を見学する際には、いつも「ある視点」を持って見学をしていました。
こういうイベントの場合、90%以上の初級幹部や中級幹部の方は、あまり何も考えずに「ぼーっと」見学していると思います。
・・・非常に勿体無いです。
今回は、その視点について、陸上自衛隊の初級幹部や中級幹部の方の参考になればと思い記事にしました。
この空挺団の降下訓練始めってめちゃくちゃ貴重なイベントなんですね。
今回は3年ぶりの開催です。
ですから、この貴重な機会を最大限自分の能力アップに活用してほしいと思っています。
4. リアルな体感を含めたサンドイッチ学習法
僕は、初級幹部や中級幹部の頃、教範を読むのが大嫌いでした。
文字ばかりだし、文字は小さいし、野外幕僚勤務合本なんか分厚くて見る気にもなれない。
本を見るだけで、吐き気がする。
それに、学校で学んだり、教範をいやいやながら読んでも、正直、自分の頭の中で想像するだけで、本当にそれが正しいのか、リアルにイメージができない。
(戦術想定で)
師団段列?
そんなもの、○×○kmの範囲を丸で囲っとけばいいんでしょ?
後方職種ではなかった僕にとっては、その程度の知識しかありませんでした。
あなたもきっとそんな感じではないでしょうか。
例えば、あなたが後方職種に属しているとしましょう。
あなたは、普通科部隊の市街地での作戦や遊撃、ヘリボン作戦について、具体的にイメージできますか?
ヘリボン作戦での飛行経路は?
輸送ヘリに搭乗できる人数は?
準備時間は?
降着までにどれくらいの時間がかかるの?
などなど。
リアルに想像できますか?
その作戦は、「人」が動くんです。
僕も自分の職種とは異なる職種のことは、教範上ではなんとなく理解できても、リアルな部隊運用などは正直なところよく理解できませんでした。
また、戦術想定で、空挺作戦について検討する機会があると思いますが、めちゃくちゃ浅い知識でその場をやり過ごしていないでしょうか?(空挺団所属でない方の場合ですよ。)
恐らく、大概の初級幹部や中級幹部の方はそんなものだと思います。
まあ、これまでずっと職種のことばかりやってきたので、よくわからなくて当然なんですが・・・
ですから、こういう降下訓練始めなどの絶好の機会を最大限活用して作戦のイメージアップした方がいいんです。
だって、空挺作戦なんか一般の部隊の隊員は見れないでしょ?
陸上自衛隊のこのような訓練展示のイベントは、簡単なシナリオに基づいて構成されています。
そのシナリオも、実際の戦闘をイメージして作成されています。
例えば、今回の降下訓練始めだと、「島嶼防衛を想定した空挺作戦及びヘリボン作戦」の訓練展示す。
今、ホットなシナリオですよね。
「空挺作戦」って教範を読むだけでは、なんかよくわからないし、理解するのに時間がかかります。
そもそも、空挺作戦の教範なんか持っている人はほとんどいないと思います。
でも、訓練展示をみれば、空挺団がどのような場面で投入されるか具体的にイメージできるのではないでしょうか。
そして、例えば、Free Fallのバッジを持った空挺隊員が潜入部隊として先行して降下し、降下誘導小隊が航空機を誘導して空挺団主力の降下をサポートするような空挺作戦の流れも理解できるでしょう。
準備も航空機を使うから大変。
天候にも大きく左右される。
降下後に怪我をする非戦闘損耗も発生する。
教範を読んで自分勝手に想像するのと、実際に自分の目で見て体感するのとでは、理解度は大きく異なりますし、記憶への残り方も異なってきます。
はい。
ということで、
初級幹部や中級幹部が「降下訓練始め」を自分の能力アップのために最大限活用する方法は、
=====
陸上自衛隊の「空挺作戦」の教範を読んで、作戦をイメージする。
降下訓練始めを見学する。(難しければ、ライブ動画配信を見る!)
そして、再び「空挺作戦」の教範を読んでさらに理解を深める。
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教範→見学→教範
教範で挟んでください。
サンドイッチ学習法です。
ハンバーガーでもいいですよ。
特に2つ目が大切です!
この学習方法は、最強です!
5. まとめ
陸自の初級・中級幹部が戦術などの能力アップのために、降下訓練始めの訓練展示を上手く活用する方法は、
リアルな訓練展示(見学)で作戦のイメージアップを図る。
教範→見学→教範のサンドイッチ学習法が最強
これだけで、CGS試験やTAC試験合格がグッと近づきますよ!!
この方法は、富士総合火力演習やその他の陸上自衛隊の訓練展示にも活用できます。
是非、できる限りそういう場に出ていって自分の目で見て体感をするようにしましょう。
まずは、1月8日の降下訓練始めを楽しんでください!
Mr.K