【マリンセス解説番外編】スネークアイ新規で後攻ワンキルができる話【遊戯王】

 ToByと申します。なんかマリンセスに新しい風を吹き込んでくれそうな新規カードが公開されていたので、久しぶりに筆を取りました。noteの書き方の全てを忘れたので、前回までと色々違っても温かい目で見てください。


《蛇眼の原罪龍》

 先日発表されたスネークアイの新規カードです。簡単に効果をまとめると、

炎属性ドラゴン族星8
・ATK/3000 DEF/2500
・自分の魔法&罠ゾーンのモンスターカード2枚を墓地に送ることでEXデッキからSS可能
・SS時にフィールドのモンスターを永続魔法扱いで持ち主の魔法&罠ゾーンに置く

という感じ。スネークアイらしい効果なカードですが、SS条件のモンスターカードは永続魔法扱いである必要はありません。つまり、装備魔法扱いのマリンセスモンスターを墓地に送ることで召喚できるのです。これはマリンセス新規……!

 と、ここでマリンセスのことをなんとなく知っている方は思われたのではないでしょうか?

「でもこいつ水属性じゃないじゃん」

確かにそうですが、実はマリンセスの水属性縛りには抜け穴があります。次はそれについてちょっと解説しようと思います。(そんなん知ってるよって方は飛ばしてくださいね)

海晶乙女の水属性縛りにも穴はある

 さて、実はマリンセスの持つ「水属性しか特殊召喚できない」という制約には2種類存在します。

1.発動"後"水属性しか特殊召喚できない

 ほとんどの制約はこれです。この制約を持つカードは

《海晶乙女ブルースラッグ》
《海晶乙女コーラルアネモネ》
《海晶乙女の潜逅》

以上の3種類。枚数で見ると少なくも感じますが、いずれもマリンセスというテーマの展開を支える重要な効果であり、基本的に水属性以外のカードとの相性が悪いのも当然と言えるでしょう。しかし、これらのカードはそれぞれの効果を使う前に関してはどの属性のモンスターを出していても関係がないんです。今回はこれが大事になります。

2.発動"するターン"水属性しか特殊召喚できない

 このタイプの制約は、発動前に水属性以外のモンスターを特殊召喚した場合、そもそも効果を発動することができなくなるという重いものです。
 この制約を持つのは1種類。

《海晶乙女コーラルトライアングル》

 しかし、このカードは①の効果も②の効果も極めて強力で、マリンセスというテーマを使う理由であると言っていいほどのカードです。このカードの登場によって、原則として水属性以外の混ぜ物を採用した構築は不可能になったと言えるでしょう。
 ですが、このカードが強力なのは妨害手段としての罠のサーチと、盤面を返された後のリソース源としての機能。つまり、後攻ワンキルなど、妨害もリソースも顧みなくていい場面であれば無視できるのです。

いざ後攻ワンキル

 さて、ここまでの話をまとめると、

・《海晶乙女コーラルトライアングル》による罠カードのサーチが不要なシチュエーション
・発動後に制約がつくカードの効果を使用する前

であれば、炎属性である《蛇眼の原罪龍》を出してもいいということになります。
 このことから、《蛇眼の原罪龍》が使えるであろう主な場面はふたつ。盤面を返されなかった場合の先攻3ターン目と、お待たせしました、後攻ワンキルを狙う場面です。ここからは、《蛇眼の原罪龍》を使用した後攻ワンキルを紹介します。

要求される手札

 少しだけ脱線しますが、マリンセスというテーマも、以前から3枚初動、4枚初動が揃っているならば後攻1ターン目から8000点出すことも不可能ではありませんでした。
 しかし、《蛇眼の原罪龍》が革新的なのは、特定の条件を満たせば2枚初動で後攻1ターン目から8000点に届くということです。しかも、相手のモンスターを1体除去しながら!
 その条件というのは、A群のカード1枚+B群のカード1枚の組み合わせであること。

A群
・《海晶乙女ブルータン》
・《トリックスター・アクアエンジェル》

B群
・《海晶乙女スプリンガール》
・《海晶乙女スリーピーメイデン》

これらのカードを各群から1枚ずつ引けていれば、8000点が出せます。もちろん、《トリックスター・ライトステージ》や《サイバネット・マイニング》などのサーチカードでも可。

 前半はA群のカードのどちらを引いていたか、後半はB群のカードのどちらを引いていたかで若干展開が変わりますので、《蛇眼の原罪龍》の着地前後で区切って解説していこうと思います。一々画像を挟むのに疲れたのでそれぞれのカードの効果は各自確認をお願いします……。

前半展開

正直なところ前半はほとんど変わらないんですが、一応種類別に書いてみます。

①A群が《海晶乙女ブルータン》の場合

1.《海晶乙女ブルータン》召喚、デッキから《トリックスター・アクアエンジェル》を墓地へ

2.《トリックスター・アクアエンジェル》効果で墓地から特殊召喚

3.《トリックスター・アクアエンジェル》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚、チェーン1《海晶乙女シーエンジェル》効果で《海晶乙女の闘海》サーチ、チェーン2《トリックスター・アクアエンジェル》の効果でピーピング

4.《海晶乙女ブルータン》、《海晶乙女シーエンジェル》の2体で《海晶乙女クリスタルハート》をリンク召喚
(今回は《海晶乙女ブルータン》の②効果で何も手札に加えられなかったものとして進行します)

5.B群のカードを手札から特殊召喚し、《海晶乙女の闘海》を発動

6.《海晶乙女クリスタルハート》、B群のモンスターで《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚、《海晶乙女の闘海》の効果で《海晶乙女シーエンジェル》、《海晶乙女クリスタルハート》の2枚を装備

7.装備されたリンクモンスター2枚を墓地に送って《蛇眼の原罪龍》を特殊召喚

②《トリックスター・アクアエンジェル》の場合

1.《トリックスター・アクアエンジェル》を召喚

2.《トリックスター・アクアエンジェル》を素材に《海晶乙女シーエンジェル》をリンク召喚、チェーン1《海晶乙女シーエンジェル》の効果で《海晶乙女の闘海》をサーチ、チェーン2《トリックスター・アクアエンジェル》の効果でピーピング

3.《トリックスター・アクアエンジェル》の効果で墓地から特殊召喚

4.《海晶乙女シーエンジェル》、《トリックスター・アクアエンジェル》の2体で《海晶乙女クリスタルハート》をリンク召喚

5.以下①と同じ

 これで、水属性縛りが付く前に《蛇眼の原罪龍》の特殊召喚に成功しました。

後半展開

 B群のカード2種類の展開はそこそこ変わります。ここが本題だと思います。

①B群が《海晶乙女スプリンガール》の場合

1.《海晶乙女クリスタルハート》の召喚後、墓地のマリンセス下級(どちらでも可)を除外し手札から特殊召喚

2.《蛇眼の原罪龍》召喚まで前半参照

3.《海晶乙女コーラルアネモネ》の効果、で墓地から《海晶乙女クリスタルハート》を特殊召喚

4.《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女クリスタルハート》を素材に《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》をリンク召喚、チェーン1《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で墓地からマリンセス下級を手札に加え、チェーン2《海晶乙女の闘海》効果で墓地のマリンセスリンクモンスター3体を装備

5.《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》効果で手札のマリンセス下級を捨て、《海晶乙女スプリンガール》特殊召喚時に除外したマリンセス下級を特殊召喚
(海晶乙女ブルータンを特殊召喚した場合、この時点で8000点)

6.マリンセス下級を素材に《海晶乙女ブルースラッグ》をリンク召喚、効果で墓地から《海晶乙女ブルータン》を手札に加える

最終盤面
《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》
《蛇眼の原罪龍》
《海晶乙女ブルースラッグ》(《海晶乙女ブルータン》)

総攻撃力
4600+3000+1700=9300

②《海晶乙女スリーピーメイデン》の場合

1.《海晶乙女クリスタルハート》の召喚後、手札から特殊召喚

2.《蛇眼の原罪龍》召喚まで前半参照

3.墓地の《海晶乙女スリーピーメイデン》の効果発動、自身を除外し《海晶乙女コーラルアネモネ》に墓地の《海晶乙女シーエンジェル》を装備

4.《海晶乙女コーラルアネモネ》効果、墓地の《海晶乙女クリスタルハート》を特殊召喚

5.《海晶乙女コーラルアネモネ》、《海晶乙女クリスタルハート》を素材に《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》をリンク召喚、チェーン1《海晶乙女コーラルアネモネ》効果で墓地からマリンセス下級を手札に加え、チェーン2《海晶乙女の闘海》効果で墓地のマリンセスリンクモンスター3体を装備

6.《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》効果で手札のマリンセス下級を捨て、自身の効果で除外された《海晶乙女スリーピーメイデン》を攻撃表示で特殊召喚

最終盤面
《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》
《蛇眼の原罪龍》
《海晶乙女スリーピーメイデン》

総攻撃力
4600+3000+700=8300

 なお、前半展開で《海晶乙女シーエンジェル》を召喚するより前に《海晶乙女ブルースラッグ》を効果を発動させずに経由した場合、《海晶乙女スリーピーメイデン》の墓地効果を《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》に使用できます。
 その場合総攻撃力を5800+3000+700=9500まで伸ばすことができますが、《海晶乙女ブルースラッグ》の効果を破棄するタイミングが《トリックスター・アクアエンジェル》のピーピングより前になるため、手札誘発による妨害があった際にリカバリーする能力が落ちます。1200ダメージの有無でリーサルの可否が変わらない場合、《海晶乙女ブルースラッグ》は温存することをオススメします。

前提条件

 なんとなくお気づきかもしれませんが、この展開は相手による妨害を一切考慮していません。そのため、このワンキルが成立する条件は

・相手の盤面にモンスターが1〜2体で、《蛇眼の原罪龍》による1体除去だけでリーサルに届く範囲に収まること
・妨害がないこと

となります。まあ実戦ではそうそうない盤面でしょう。

 とは言え、可能であるという事実が肝心ですし、各種捲り札と合わせることができれば相手の妨害を掻い潜ることも可能です。
 なんとなくありそうなシチュエーションとしては、こちらの《増殖するG》が通り《フルール・ド・バロネス》のような妨害持ちモンスターによる1妨害で止まった相手に対して、《無限泡影》で妨害を踏みながらワンキル、みたいな感じでしょうか。これならたまにありそうな気がしてきますよね。

まとめ

 ということで《蛇眼の原罪龍》を使ったマリンセスの後攻ワンキルの紹介でした。
 今回は2枚初動の解説でしたが、同じように《蛇眼の原罪龍》を使うことで3枚以上の初動からのワンキルも容易になったのではないかと思います。ただ、これを考察してまとめようと思うと、パターン分けして展開を書くだけで云万文字とか必要になりそうなので、2枚初動だけで勘弁してください。実際これが最も革新的なのは先述した通りですしね。

 また、《蛇眼の原罪龍》自体、こちらの先攻3ターン目のワンショットキルやロングゲームの中で差し込む除去としてなど、【海晶乙女】というデッキに新しい一手をもたらしてくれるカードであると思うので、後攻ワンキルのことを考慮せずとも普通に構築に入り得る1枚だと思います。
 《海晶乙女コーラルトライアングル》とのアンチシナジーにだけ気をつけながら、《海晶乙女の原罪龍》で遊んでみてください。

 ワンキル以外にも色々面白いことできそうなので、何か見つけたら是非私にも教えてくださいね。

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