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September 4 2018, Portland
ここが私のアナザースカイ!(ドヤ)ていう番組にもし出演するなら迷わずここにする。
何故かって?
それはJourney のlights て曲を聴けば全ての答えになる。つまりは太陽が昇り朝日が街に降り注ぐのを見て、あの街に帰りたいて思うこと。
ちょうどこれを書いている今日、9月4日。2年前のこの日は最もポートランドを離れるのが嫌になった日。帰国の3日前。
2018年9月4日放課後
御手洗の個室にいた時嫌な予感がした。
コンコンッ 誰か居るかー??
女子トイレに響くおじさんの野太い声。カウントダウンするかの様に一つ一つ個室のドアをノックしていく。彼は清掃員。女性が居る時彼は掃除をすることが出来ないため確認をする。
コンコンッ ガチャガチャ
ひいいいいいいいいいいいいい
素直に居るから後でにして!て云えばいいのになんか怖くて何も返事出来なかった。おじさんは察したらしく「後でまた来るからな」と言って去った。
ドアを閉める音がした後、逃げる様に女子トイレを脱出しそのまま学校を飛び出した。何回かこんな場面に遭遇した。おじさんにはそんなつもりは無いだろうけど、私には殺人鬼がトイレに隠れた子供を探し出そうとするシーンを彷彿とさせました。
日々生活していく中で既にポートランドの虜になった私は、授業以外は1人で何処か出掛けることにしていた。ボランティアに参加したりご飯食べたり…そこで大活躍したのが公共交通機関のMAXかバス。この子が居ればポートランドの何処へでも行ける。
しかし難点はチケットの券売機がたまに故障している所。この日も故障していた。
運転手さんにカードで支払えないか尋ねたら現金のみと言われてしまい、使わずにおいたドル紙幣を出そうとすると、背後からお姉さんが乗り込み、ピッとアプリでチケットを買いそれを私に渡してくれた。
「ねぇ、運転手さんこれでこの子乗れるでしょ?」
「ああ、良いだろう」
するとお姉さんは自分の分も買って後ろの席へと向かった。私は慌ててそのお姉さんの所へ行くと
「気にしないで」
と笑顔を見せた。もたもたしている乗客が居れば列の後ろの人はイライラするだろうと思っていたのに、寧ろ親切な行動をさらりとやってのけたお姉さんの優しさに感動してしまった。今でも買ってもらったチケットは大事に保管している(というか全部保管してる)
「何処いくの?」と聞かれて「ここ行きたい」と地図を見せると「じゃあこの停留所が良いわ」だったり「冒険良いわね!楽しんで〜」と最後まで優しかった。
停留所に着くと、明らかに今までの緩やかで平和な街並みとは違い殺風景な工場たちが待ち受けていた。目的地までの間8人集団が道に座り込んでおり、私はその8人集団のど真ん中を通過せざるを得なかった。
目的地でお土産を選び会計すると、クレジットカードを見た店員さんが「おや日本か。家族にお土産とは良いね」と話してくれた。そう、父がわざわざ調べてリクエストした紅茶である。
次の目的地へ行くため再びバスに乗ると、なんとたまたま先生であるアネッサと乗り合わせた。
「マリナー!」手を大きく振るアネッサのもとへ行き、次の目的地の話をすると、「それなら私のお気に入りも行って!」とチョコレートショップを教えてくれた。目的地にほど近く、分かった、行くね!と約束をし別れる。が、あと少してところで営業時間が終わっていた。ごめんアネッサ。このチョコレートはWhole Foods で買うね…
左がアネッサ↑
ショッピングよりもハイキングの方が楽しいというのが一緒
目的地はMissionary というチョコレートショップ。
ビーガンやオーガニックなどを意識している。試食にレモンやオリーブ、塩入などを大きめにカットしてくれた。それまで食べて来たチョコレートとは違う、斬新で清々しい香りが口の中に広がり新感覚だった。
気に入ったフレーバーをいくつかアソートとして購入すると、店員さんはもう閉店時間だからと言って残りの試食を全てジップロックに入れて渡してくれた。そして私のStudy in Portlandというトートバッグを見て
「勉強しているの?頑張って!いつまで居られるの?」
「実は3日後に帰国なの」
「まあ!そうなの?残り少ないポートランド楽しんでいってね。私もいつか日本へ行きたいわ」と名残惜しそうに話してくれた。優しさは勿論、自分の街に誇りを持っている様でとても彼女が素敵に映った。
お店を出てバスを待つ間ジップロックに
入ったチョコレート達から一つ摘み食いすると、やっぱり幸せが口いっぱいに広がった。
Whole Foods へ寄り、お気に入りの道を歩きビーガン料理のお店で夕食を取ることにした。店内は省エネか照明は暗め。
テンペとケールとヘーゼルナッツと人参とキヌアを使ったPortland bowl がお気に入り。食べていると車椅子の女性と旦那さんと思われる男性が座りにくそうにしていた。そこで周りの椅子を退かす手伝いをすると軽く会釈してくれた。それを見ていたのか店員さんが日本語でありがとうございますと言いとても心が温かくなった。「人に親切にしてもらったら自分も親切にするんだぞ」という教えの大切さを改めて実感した瞬間である。
そうそう、そのご夫婦とは翌日も違うお店で遭遇しました。んでよく見かけたのはタトゥーとゲイ。でもかっこいいと思う。日本ではまだタブー視されているけれどポートランドで彼らを見て、何故かすんなり受け入れてしまった。だって色んな愛の形があるもの。
心も街も美しいこの街は私の一部になっている。
私にとってポートランドは第2の故郷。