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映画から垣間見る、シンガポールにおける「家族で食事」の重要性。

こんにちは、マリーナベイ・サンズ公式noteです。

シンガポールでは家族で楽しむ文化があふれていること、マリーナベイ・サンズに数多く(優に80軒あまり!)あるレストランセレブリティレストランでも、基本ご家族連れ大歓迎であることは、すでに先日の記事でお話しさせて頂きました。

あの記事を読んで、シンガポールで食事ってどんな感じなんだろう、ちょっと見てみたい、体験してみたいなと思っていただけたなら幸いです。ここはひとつ、これまであまり馴染みがなかったかもしれないシンガポールを題材とした映画でその様子を覗き見してみるのはいかがでしょう?

ということで、今回はシンガポールを舞台・題材とした映画を3本ご紹介します。それぞれの映画で「食」はどのように描かれているのでしょうか?

1 : やっぱり最初の1本は「クレイジーリッチ!」シンガポール華人はセレブもセレブじゃなくてもみんなで食事

映像提供:「クレイジーリッチ!」公式サイト

シンガポール系アメリカ人ケビン・クァンが2013年に発表した小説が原作の2018年任期ハリウッド映画「クレイジー・リッチ!」。世界的に人気を集めたこの映画、シンガポールはもちろんのことマリーナベイ・サンズも映画の舞台として数多く登場し、この映画でシンガポールを知った、マリーナベイ・サンズの名前を知った、という方も案外少なくないのではないでしょうか。

主人公レイチェルはバリキャリのニューヨーカー。恋人のニックと彼の親友の結婚式出席のため、ニックの故郷シンガポールを訪れます。そこでニックがまさに「クレイジーなほどにリッチ」な家庭の御曹司であることを知ります。マリーナベイ・サンズはもちろんのこと、シンガポールの様々な風景のなかで繰り広げられる人間模様。続編も決定しているそうで今後の展開がとても楽しみです。

ここでぜひ注目していただきたいのは「事あるごとに家族みんなで一緒に食事する」という設定です。家で食事、レストランでの外食、様々な「食」で「みんなでご飯を食べるシーン」が出てきます。これは何もクレイジーリッチに限った話ではありません。シンガポールでは「週末は実家に帰ってみんなで食事」や「様々なイベントでは家族で食事」というのはとても普通なこと。

日本でいえば、お正月やお盆の帰省での食事の雰囲気が近いかもしれません。あれがほぼ毎週行われます。もちろんそこで独身の若い人は「ねえいい人いないの?」と質問されまくるというのも似ています(苦笑。

日本のそれに比べると、シンガポールのテーブルマナーは一般的にカジュアルで、それほど格式ばっていません。それでも、やはり多民族国家。さまざまな民族や宗教、文化を背景とした食文化にあふれているので、あらかじめ
文化背景からくるテーブルマナーの違いをあらかじめチェックしておくと、シンガポールでの食事がより楽しくなります。知らない国や文化のマナーを知らないのは恥ずかしいことでも何でもありません。ちょっとよくわからないな、という時や不安な場合は、あらかじめレストランのスタッフやコンシェルジュ(マリーナベイ・サンズにはホテルタワー1ロビーに日本語カウンターがあります)に聞いてみましょう。

マリーナベイ・サンズも、車椅子のおじいちゃんやおばあちゃんからベビーカーの赤ちゃんまで、数多くの家族連れのお客様をお迎えすることに心からの喜びを感じています。老若男女、すべてのお客様が楽しんでくださる場でありたいと思っています。

2 : 「イロイロ ぬくもりの記憶」にみるシンガポールの親子関係

映像提供:「イロイロ ぬくもりの記憶」オフィシャルサイト

ハリウッド映画として世界的に人気となった『クレイジー・リッチ!』とは異なり、この作品を知っている、あるいは観たことがある方は少数派かもしれません。「シンガポールの日常風景」を描いた映画として代表的な映画といえば、アンソニー・チェン監督の『イロイロ ぬくもりの記憶』ではないでしょうか。

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、実は2013年の第66回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞、第14回東京フィルメックスでも観客賞を受賞した実力派のシンガポール映画です。

主人公は中華系シンガポール人の小学生の男の子。なかなか小学校生活に馴染めない彼は、共働きの両親の悩みの種。そこで両親は「フィリピン人メイドを住み込みで雇う」ことにします。ただでさえ不安定な少年の生活に突然飛び込んできた「赤の他人」。メイド女性と少年、少年と母親、母親とメイド女性が一緒に囲む食事を通じて心を通わせたり、または心のシャッターを閉じてゆく場面はとても考えさせられます。

1997年のシンガポールが舞台のため、現在のシンガポールでの風景や状況とはかなり異なる点が多くみられます。しかし、シンガポールで生活する人々が「食べること」をとても大事にしていることがひしひしと感じられる映画です。

特に注目したいのは家族皆で中華料理を食べるシーン。中華レストランで家族一緒に食事を楽しんでいますが、フィリピン人のメイド女性だけ別席で別メニューを食べています。その時、主人公の男の子が彼女にお茶を持っていきます。食事を通じて彼らの間に暖かい交流が生まれるシーンですが、その2人の様子を眺めている少年の母親の複雑な表情も目が離せません。

「雇用主である母親が、メイドが子供との間に自分より親密な信頼関係を築くことに複雑な感情を抱く」、シンガポールでよく話題になるこの状況がとてもわかりやすく、しかし繊細に描かれています。日常の食事を通じて生まれる親密な関係性。それを、自分の子供が本来は家族ではない「他人」と築き上げている様子を垣間見て、家族の間に生じる複雑な感情。自分ならどんな感情を抱くか、どういう風に対するか、ちょっと立ち止まって考えてみるのもよいかもしれません。

3 : 星日仏合作「家族のレシピ(Ramen Teh)」に感じる家族への想いと食へのこだわり

映像提供:『家族のレシピ』公式サイト

シンガポール・日本・フランスの合作映画『Ramen Teh (ラーメンテー)』こと『家族のレシピ』。シンガポールを代表するエリック・クー監督の手による当作品は、人気若手俳優の斉藤工さんに別所哲也さん、そして松田聖子さんなど豪華キャスト出演で、舞台となったシンガポールでもかなりの話題となりました。作品のガラ・プレミアは、マリーナベイ・サンズのサンズ・シアターで開催され、シンガポール観光大使で主演の斉藤工さんはもちろん、松田聖子さんも出席しています。

この作品でまず注目してほしいのは、映画の原題にも入っている「Teh」。「Teh」とは中国語でお茶のこと。ここでは、かつて中国からシンガポールにやってきた肉体労働者「苦力(クーリー)」たちの食事として生まれた地元料理「肉骨茶(バクテー)」の「茶」にあたります。

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ちなみに「肉骨茶」とは、ぶつ切りの皮つきの豚肉を漢方の生薬と中国醤油で煮込んだ、シンガポールならではの中華系料理のこと。この料理は、かつては発祥の地とされる「李文地」の「地」から「肉骨地」と呼ばれていましたが、マレー半島で使われる中国語発音では「地」と「茶」の音が類似していることから「肉骨茶」と呼ばれるようになった、という説もあります。つまり、料理そのものにお茶は使われていないのです。面白いですね。


肉骨茶はシンガポール各地で食されるチキンライスなどと同じまさに地元の味。スパイスの効いた暖かいスープは、冷房で冷えすぎてしまいがちな体を優しく暖めてくれます。映画の各所で様々な地元料理を楽しんでいるシーンが出てきますが、そこに大人だけの世界はありません。老若男女、みんなが一緒に食事を楽しみます。

作品の中でも、主人公の真人(斉藤工)は日本を代表するラーメンと、シンガポールを代表する肉骨茶を組み合わせることで、若くして亡くなってしまったシンガポール人の母と、その喪失感をぬぐえないまま突然亡くなってしまった日本人の父、そして自分の思いに反して日本へ行ってしまった娘を忘れられずにいるシンガポール人の祖母と叔父・・・それぞれの国の人々の想いに応えたいと奮闘します。食が伝える想いは国境をどのように超えていくのか。見ていて目が離せません。

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そして、この作品を観た後にラーメンが食べたくなったら、ぜひマリーナベイ・サンズの一風堂へ、肉骨茶を食べてみたくなったら、シンガポールのローカルフードが何でもそろうフードコート RASAPURA MASTERS(ラサプーラマスターズ) にお越しください。(尚、マリーナベイ・サンズ内の一風堂は予約不要です。お問い合わせ、確認事項がある場合は直接お電話をお願い致します。

3本の映画を通じて、シンガポールでは「家族で一緒に食事をする」「外で食事をする」ことが極日常的で自然なことであることを実感していただけたのではないでしょうか。マリーナベイ・サンズのレストランが、ここを訪れる全てのお客様にとって「家族と一緒に食事を楽しむための大切な場」になってほしいと願っています。そのためにも、事前予約で全員分の座席の確保をお忘れなく。

それでは、マリーナベイ・サンズで皆様のお越しをお待ちしています。



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