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【就活】日系コンサルティングファーム各社(日立コンサル、アビーム、ベイカレ、クニエ、NRI、MRI)の特徴【企業分析】
PART1:日系総合コンサルティングファームの概要・仕事内容・やりがい・大変さ
■はじめに
就活生のみなさん、こんにちは!コンサルティング業界に興味を持っている方も多いと思いますが、「コンサルティング」といっても外資系から日系まで、戦略系やIT系など、種類はさまざま。そんな中でも今回は**“日系総合コンサルティングファーム”**をテーマに、業界の全体像や基本的な仕事内容、さらにコンサルならではのやりがいや大変さについて、できるだけリアルな視点でお伝えしていきます。
なぜ「日系総合コンサルティングファーム」なのかというと、日本企業の事情や文化を踏まえた上で、戦略立案から実行支援まで一気通貫で携わることができる点が大きな特徴だからです。海外の外資系コンサルだと、戦略部分に特化していたり、グローバル案件が中心だったりするケースが目立ちますが、日系の場合は国内企業を中心に幅広い領域をサポートすることが多く、クライアントとの距離感が近いのが魅力です。
それではまず、日系総合コンサルティングファーム全体の概要や仕事の進め方、そしてやりがいと大変さについて、ざっくばらんにご紹介します。
■日系総合コンサルティングファームとは?
日系総合コンサルティングファームとは、簡単に言うと日本発のコンサルティング会社で、経営戦略からIT導入支援、業務改革、人事・組織改革など、多岐にわたるサービスを一括で提供する企業のことを指します。たとえば、外資系コンサルだとマッキンゼーやBCGのような戦略特化型などが想起されますが、日系総合ファームの場合はクライアントが抱えるさまざまな課題に対して、どのフェーズでもサポートできる点が強みです。
日本企業向けのプロジェクトが多いので、当然日本語をベースとしたコミュニケーションが主流となりますし、「長期的にクライアントと付き合う」という風土が比較的強いのも特徴です。外資系のコンサルが“プロジェクトベースでガンガン成果を出してどんどん回す”イメージがあるのに対し、日系総合コンサルは現場に入り込みながら粘り強く課題を解決していくスタイルが多いのもポイントです。
■日系総合コンサルファームの主な仕事内容
コンサルというと「経営戦略の立案」や「提案書づくり」などを思い浮かべるかもしれませんが、実際の日系総合コンサルの仕事はそれだけにとどまりません。あくまで一例ですが、主な業務の流れはこんな感じです。
課題の発見・整理
クライアント企業が抱えている課題をヒアリングしたり、社内データや市場データを分析したりして、本質的な問題を特定します。「売上が伸び悩んでいる」「業務効率が悪い」「新規事業を立ち上げたいが方向性が定まらない」など、さまざまな悩みに対して原因を深堀りするわけです。戦略・施策の立案
発見した課題に対して、どうやって解決していくのか、具体的な戦略や施策を組み立てます。たとえばデジタル化が遅れている企業に対してはDX推進のロードマップを作ったり、コスト削減を目指す企業には業務プロセスを可視化して効率化プランを提示したりと、クライアントごとに最適解を検討します。実行支援・プロジェクトマネジメント
戦略を立てただけでは終わりません。実際にシステム導入を進めたり、社内の組織変更を手伝ったり、新規事業を始動させるためのチーム編成に関わったり…。ここは外資系コンサルとの大きな違いで、日系総合ファームは現場に深く入り込んで実行フェーズまで伴走することが多いです。プロジェクト全体を管理し、スケジュールを調整したり、トラブル発生時に対処したり、クライアントと二人三脚で進めていきます。成果の検証・継続的改善
実行した施策の成果をモニタリングし、PDCAサイクルを回して継続的に改善策を打ち出します。短期的な数字だけでなく、企業文化や組織風土までしっかり根付かせることが重要視されるのも、日系コンサルの特徴と言えます。
これらを総合的にサポートするのが「総合コンサルティングファーム」です。企業の課題に合わせて、戦略・業務・IT・組織・人事などの多様なコンサルティングサービスを提供するため、自社に在籍するコンサルタントの専門領域も多岐にわたるんですね。
■やりがい:日本企業をトータルに支援できる面白さ
ここまで見てきたとおり、日系総合コンサルの魅力は企業のビジネスを一気通貫でサポートできる点です。戦略立案から実行支援まですべて関われるので、「せっかく考えたアイデアや施策が、現実にはうまく形にならない…」という歯がゆさが比較的少ないのがポイント。自分たちが携わったプロジェクトが無事に完遂して、クライアントの業績が上がったり、社内の雰囲気がガラッと変わったり、実際に社会にインパクトを与えられるのを肌で感じられます。
また、クライアントが日本企業ということもあり、現場の担当者や役員クラスとも日本語でがっつりコミュニケーションが取れるのも、成長機会としては大きいです。もちろん、外資系コンサルでも日本語でやり取りする案件はありますが、日系ファームのほうが企業文化的にも距離が近く、「お客様」ではなく「仲間に近いパートナー」として動きやすい側面があります。そのため、「当事者意識」を感じながらプロジェクトに没頭しやすいんですよね。
さらに、プロジェクトが長期化しやすいこともあり、クライアント社員との人間関係が深まるというのもやりがいのひとつ。経営層だけではなく、事務スタッフや現場レベルでのコミュニケーションが重要となるケースも多々あります。合宿やワークショップを一緒に企画・運営するなどして、一つのゴールに向かってチーム一丸となる感覚は、コンサル業界の醍醐味とも言えるでしょう。
■大変さ:長時間労働と泥臭い現場対応
一方で、やはりコンサルと聞くと激務のイメージが強いですよね。日系総合コンサルファームだからと言って、残業が少なくなるわけではありません。むしろ「実行支援までがっつり請け負う分、最前線に出て問題処理しないといけない」という側面があるので、プロジェクトが佳境を迎える時期には深夜残業や休日出勤が続くことも珍しくありません。
加えて、クライアント企業はコンサルに「困っていること」を相談してくるわけですから、そこに緊急性が伴う課題であればあるほど、プロジェクトメンバーにかかる負荷は一気に高まります。外資系コンサルと比べて、「ここまでやるの?」と思うほど踏み込んでサポートする分、単なる提案だけで終わらない分、泥臭い作業も増えがちです。
たとえばシステム導入プロジェクトの例で言えば、実際にクライアントの社内環境に合わせてユーザーアカウントの発行作業を手伝ったり、ヘルプデスク対応のマニュアルを作ったり、テスト環境で不具合を検証したりするなど、コンサルタントとしての高い視座に加えて、現場レベルの支援が求められることがしばしば。クライアントから「ここまでやってもらえるんだ!」と感謝される反面、業務範囲が広がり、工数が膨れ上がりやすいというのがリアルなところです。
■求められるスキル・マインド
では、日系総合コンサルファームで活躍するためには、どんなスキルやマインドが求められるのでしょうか? 大きく3つにまとめてみました。
論理的思考力 × 課題解決力
コンサルタントに欠かせない能力として、論理的に物事を整理し、問題の根本原因を見抜く力が必要なのは言わずもがな。データ分析を行いながらも、クライアントの現場感覚や経営者の意図をくみ取って、本当に解決すべき課題を特定する能力が求められます。粘り強さ・コミュニケーション能力
日系総合コンサルの案件は長期化することが多いので、途中でクライアントやプロジェクトメンバーとの意見調整に骨を折ることもしばしば。論理だけでは前に進まないことも多いため、粘り強く交渉し、説明し、合意形成するコミュニケーションスキルが必要です。現場を巻き込むリーダーシップ
実行フェーズや運用フェーズに踏み込む以上、クライアントの担当者だけでなく、現場のスタッフや関連部署をうまく巻き込むリーダーシップがカギとなります。決まったリソースだけで完結しないケースも多いため、横断的に調整を行い、関係者を動かす力が求められます。
■まとめ:日系総合コンサルの魅力と覚悟
ここまでまとめると、日系総合コンサルティングファームの特徴は**「日本企業のリアルな課題に深く入り込みながら、長いスパンで変革を推進していく」**点にあります。やりがいとしては、戦略から実行まで一気通貫で関われるため、成果が形となる喜びをダイレクトに味わえます。また、クライアントとの距離感が近いため、社会人としても大きく成長できるチャンスにあふれています。
一方で、プロジェクトが長期・大規模化しやすく、深夜残業や休日対応が発生するなど、ハードワークをいとわないタフさが必要なのも事実。さらに、実行フェーズ・運用フェーズでのトラブル対応や現場レベルの手厚いサポートに携わる機会が多いぶん、仕事範囲が広がりやすく、想定外の苦労も出てきます。
しかし、そうした大変さを乗り越えるからこそ、クライアントからの信頼を獲得し、自身のキャリアにおいても大きな糧となる経験を得られるのがコンサルティングの醍醐味とも言えるでしょう。
PART2:日立コンサルティング――老舗メーカー系コンサルの強みと上流工程の役割
■はじめに
最初に取り上げるのは、「日立コンサルティング」。就活生の皆さんの中には「日立って家電やインフラのメーカーでしょ?」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実はコンサルティング領域にも進出しており、日立グループ全体の技術力を強みに経営支援を行っている企業です。
ただし、ひとくちに「日立コンサルティング」と言っても、その携わり方は想像以上に“上流工程”がメイン。システム導入にがっつり携わるのではなく、構想策定や業務プロセス設計、さらには要件定義フェーズまでを中心に請け負い、その後の開発・実装・運用はグループ会社や外部ベンダーにバトンタッチしたり、PMOの立場からプロジェクト全体をサポートしたりするのが特徴です。今回は、そんな日立コンサルティングならではの強みや社風、他社と比べた際の特色について、できるだけリアルにお伝えしていきます。
■会社概要・歴史
「日立コンサルティング」はその名の通り、日立製作所グループのコンサルティング部門として立ち上がり、徐々に事業を拡大してきました。日立といえば、日本を代表する総合電機メーカーであり、100年以上の歴史を持つ老舗企業。家電はもとより、情報・通信システム、社会インフラ、重電、産業機器、さらには研究開発分野に至るまで多岐にわたっています。
日立コンサルティングが誕生した背景には、日立グループが国内外で手がける大規模システム開発のノウハウや業務効率化の知見をより広く活かす必要があったことが挙げられます。メーカーとしての技術と経験をベースに、クライアント企業の経営改革や業務改革を支援する――そんな目的の下で、「コンサルティング」部門としての機能を強化してきたわけです。
「戦略」「業務」「IT」などの領域で包括的なコンサルティングサービスを提供しています。ただし、ここでポイントとなるのは、実際のシステム開発や導入に“がっつり入り込む”というよりも、上流工程を中心に手がけるというスタイル。後述するように、システム要件定義以降はグループ内外のパートナー企業に委ねるケースも多く、日立コンサルティング自身はPMOとしてプロジェクト全体を管理・推進していく立ち回りが多いのです。
■日立コンサルティングの強み
メーカー由来の業務知識と日立グループの総合力
日立製作所はもともと、産業機械や社会インフラ関連の事業を中核に据えており、モノづくりや工場の現場ノウハウを豊富に蓄積しています。日立コンサルティングもその恩恵を受けており、製造業や社会インフラ領域における業務改革の知見を強みに、クライアントの戦略立案や業務プロセス再設計を行っています。
そしてもう一つの強みが、日立グループのSI(システムインテグレーション)部門や関連会社と連携できる点。たとえば構想策定で提示したIT戦略や業務改革のプランを、実際に開発・導入するフェーズになれば、グループ会社にそのままバトンタッチし、日立コンサルティングはプロジェクトのPMO(Project Management Office)として管理業務に携わる――というワンストップ体制が可能です。上流工程に特化しつつ、PMOとして後続フェーズをサポート
日立コンサルティングの特筆すべき点は、上流工程(構想策定や業務改革プランのデザイン、システム要件定義など)に注力していること。コンサルタントとしてのロジカルシンキングやコミュニケーションスキルを活かしつつ、現場レベルの事情を踏まえた最適なプランをクライアントに提示します。
その後の開発・実装フェーズに突入すると、グループ各社や外部ベンダーが主導してシステム構築を行うのが一般的。日立コンサルティングはそこに深く手を出すというより、PMOとしてプロジェクトの進捗管理や課題管理、品質管理、ステークホルダー間の調整などを担います。「実装を自ら手を動かしてやる」よりも、プロジェクト全体をいかに円滑に回すかにフォーカスするイメージですね。製造・インフラ・公共分野への高い信頼感
日立の看板は、日本国内のみならず海外でも一定の知名度と信頼を獲得しています。特に製造やインフラ、公共領域においては、**「日立だから安心して任せられる」**という空気感がクライアントサイドにも根強いのが事実です。
たとえば自治体や公共インフラ企業が大規模システムの刷新を考える場合、「要件定義をどこに依頼すればいいか分からない」という課題が必ずつきまといます。その際、日立コンサルティングに相談すれば、システム導入の上流部分からグループとしてカバーできると期待されるわけです。この“安心感”をベースに、日立コンサルティングが要件定義やプロジェクト計画策定をリードしていき、実行フェーズは日立グループ各社にうまくバトンパスするという流れが定番になっています。
■プロジェクトのリアルなイメージ
ここでは、日立コンサルティングがどのように案件を進めていくのか、もう少し具体的にイメージしてみましょう。
1. 構想策定フェーズ
クライアントが「新たにDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい」「業務プロセスを全面的に見直したい」といった課題を抱えている場合、日立コンサルティングのチームが現場や経営陣にヒアリングを重ね、現状の問題点や目指すべきゴールを定義します。ここでは、データ分析やベンチマーク調査なども行いながら、論理的かつ現場の実態に即した戦略を描くことが重要です。
2. 業務プロセス設計・要件定義フェーズ
構想策定で打ち出した方向性をもとに、具体的な業務プロセスの最適化案やITシステムの要件を洗い出します。たとえば「受発注プロセスをどう効率化するか」「在庫管理を可視化するためにどんなデータが必要か」といったポイントを、クライアントの各部署や関連会社と協議しながら詳細化していくわけです。
ここが日立コンサルティングのメイン領域といっても過言ではなく、コンサルタントはクライアントの意図をくみ取りつつ、実現可能性やコスト面、業務インパクトを考慮した上でベストなプランを提案します。
3. システム開発・導入(実装)フェーズ
要件定義が固まると、次はいよいよシステムの開発・導入フェーズに進むのですが、ここからは主に日立グループ内のSI部門や関連会社、あるいは外部ベンダーが主体となって開発を進めます。日立コンサルティング自身は、必要に応じて技術的なディスカッションには参加しつつも、基本的にはPMOの立場に回り、プロジェクト全体の進捗を管理します。
たとえば「開発スケジュールは予定通り進んでいるか」「予算オーバーや品質問題が生じていないか」「クライアントとベンダーの間で認識の齟齬はないか」などをチェックし、問題があれば早めに対処するよう調整とガバナンスに徹するのがコンサルタントの役割です。
4. 運用サポート・追加改善
システムが稼働し始めた後も、クライアントが新しい業務プロセスに適応できているか、想定通りの効果が出ているかを検証します。必要であれば、業務フローを微修正したり、追加機能を検討したりも行いますが、こちらもメインの手足を動かすのは日立グループのSIや運用部門となることがほとんど。日立コンサルティングは、あくまで経営層やプロジェクトオーナーへのレポーティング、改善提案などを行い、長期的な視点でアドバイスを行うのが基本的なスタンスです。
■働き方・企業文化
理詰め×現場感覚のバランス
日立グループというと「堅実でまじめな雰囲気」をイメージされる方も多いと思いますが、コンサル業界としての側面もあるため、論理的思考力やプレゼンテーションスキルは当然ながら重視されます。一方で、製造業やインフラ分野に強みがあるだけに、クライアントの現場担当者との対話が欠かせません。
そのため、いかに理詰めで提案を組み立てつつ、現場の気持ちを理解するかというバランス感覚が重要です。外資系コンサルのように、華やかなプレゼンとシャープな提案だけでスピーディーに意思決定してもらう…というよりは、地道な合意形成や関係構築が求められます。グループ内連携とPMOの調整力
日立コンサルティングがメインで担当するのは上流工程やPMO業務ですが、規模が大きいプロジェクトになればなるほど、グループ内の関連会社や外部ベンダーとの協業が増えます。そこで必要になるのが、非常に高い調整力やコミュニケーション力。
「グループ会社のSI部門のスケジュールがタイトで要件定義の修正が間に合わない」などといったケースが出てくると、クライアントにも説明し、妥協点を探りながらプロジェクトを前に進める必要があります。そうした泥臭い交渉やスケジュール管理に面白みを感じられるかどうかが、日立コンサルティングでのやりがいを左右すると言えます。働き方とワークライフバランス
コンサル業界はどこも激務のイメージが強いですが、日立コンサルティングの場合は、プロジェクトのピーク時を除けば比較的落ち着いた働き方ができるケースもあるようです。これは、公共・インフラ系の大規模案件が多く、予算やスケジュールが年度単位で動くことが少なくないため、無茶な短納期が比較的起こりにくいという側面があります。
とはいえ、要件定義フェーズやPMOとしてのプロジェクト管理などは想定以上に工数を要するため、残業や休日対応がゼロになるわけではありません。クライアントによっては急な仕様変更を迫られることもありますし、リリース時期が迫れば休日出勤が続く場合もあります。どのコンサルファームにも共通することですが、繁忙期にはそれなりのタフさが必要です。
■他社と比べた際の特色
“メーカー系コンサル”としてのアイデンティティ
いわゆる戦略コンサル(マッキンゼー、BCGなど)や総合系外資ITコンサル(アクセンチュア、IBMなど)と比べると、日立コンサルティングは製造業や社会インフラの現場目線を重視しているのが最大の特徴。モノづくりや社会インフラの構造に精通しているコンサルタントが多いため、現場志向の業務改革やシステム要件定義に強いのが魅力です。
同じ日系総合コンサルの中では、後に紹介するアビームコンサルティングやベイカレントコンサルティングなどが「幅広い業界」「スピード感ある案件」に定評があるのに対し、日立コンサルティングは大規模で腰を据えたプロジェクトを得意とするイメージですね。上流工程にフォーカスしつつ、システム導入フェーズはグループ会社へ
他のコンサルファームの中には、「提案から導入・運用までを自社で完結させる」スタイルを標榜する企業も多いですが、日立コンサルティングはあくまで上流工程とPMO支援がメインです。これは日立グループ内に豊富なSIリソースを抱えているからこそ可能な体制であり、企業としても「上流×下流」をグループ全体で分担していくことが戦略的に確立されています。
したがって、最先端のシステム開発や実装に自分自身が入り込みたいという方には物足りなく感じるかもしれません。一方で、構想策定や業務プロセス設計にじっくり取り組みたい、PMOとして大規模案件を回す経験を積みたいという方にとっては、やりがいが大きいと言えるでしょう。日立グループのブランド力と安定感
日立グループのネームバリューは国内外で非常に高く、特に大企業や官公庁からの信頼が厚いのが強みです。実際、公共系やインフラ系の案件では「どうせなら大手グループに頼みたい」「長期で安定的にサポートしてくれる企業がいい」という要望が強いため、日立コンサルティングには一定の安定した案件供給があると言われています。
しかしながら、グループ内ルールやコンプライアンス体制も厳格なので、案件進行において想定以上に書類や稟議プロセスが多いことも。外資系ファームや独立系ファームのように、自由度高く動き回るというよりは、しっかりとルールに則りながら着実にプロジェクトを進める側面があるのも、メーカー系コンサルらしい部分です。
■就活生へのメッセージ
「日立コンサルティング」は、上流工程の業務改革や構想策定に注力しながら、グループ会社と連携してクライアントの大規模プロジェクトを支えるコンサルティングファームです。製造業や社会インフラなど、国や産業を支える重要な分野で、DXや業務改革の舵取りをするチャンスが豊富なのは大きな魅力です。
メーカー由来のリアルな知見
モノづくりの現場視点や大規模インフラの運用ノウハウなど、日立グループが長年培ってきた知識があるため、他社にはない独自のコンサルが可能です。モノづくりや技術に興味がある方にとっては、大きなやりがいが期待できます。構想策定・PMOポジションに興味がある人向け
システム開発や導入フェーズを“自分たちで手を動かす”というよりは、あくまで上流設計やPMOでプロジェクトを牽引する立ち回りが中心になります。「大規模案件を俯瞰しながら管理したい」「システム要件定義で経営視点と現場視点をつなぎたい」という方にはピッタリでしょう。安定感と激務のはざま
グループ企業の看板や長期案件が多い点から、比較的安定感があるといわれる一方、コンサルである以上はプロジェクトピーク時の激務は避けられません。特にPMOは「泥臭い調整役」を担うことも多く、調整力やコミュニケーション力が試されます。地道な作業を厭わず、粘り強く合意形成を図れる人には大きな成長機会となるでしょう。
■まとめ
メーカー系コンサルとしての立ち位置:日立の技術・現場ノウハウを武器に、製造・インフラ・公共分野で強みを発揮。
上流工程+PMOがメイン:構想策定から要件定義までは自社が主体、システム開発・導入フェーズはグループSI部門や外部ベンダーに委託し、PMOとして管理を担当。
安定した案件と堅実な社風:日立グループブランドの信頼を背景に、大規模で長期的な案件が多く、手堅い働き方ができる可能性が高い。
以上のように、日立コンサルティングは「日本の産業・社会インフラを支えている」実感を得ながら、大規模プロジェクトの要件定義や上流工程に深く携わりたいという方にとって、とても魅力的な選択肢となり得ます。一方、実際にシステム開発を主導したい、エンジニアとして手を動かしたいという人には少し物足りない面があるかもしれません。
いずれにしても、自分の興味やキャリアビジョン、そして“上流工程に特化したコンサル”にどこまで魅力を感じるかが、就活生の皆さんの企業選びのポイントになりそうです。
PART3:アビームコンサルティング――日系発グローバルファームの真髄に迫る
■はじめに
「アビームって、名前はよく聞くけど実際どんな会社なの?」という方も多いはず。かつてデロイト トーマツ コンサルティングが独立する形で誕生したという歴史的経緯もあり、外資系とも日系とも言い難いユニークな背景を持っています。しかし現在は完全に“日本発”のグローバルコンサルティングファームとして、経営戦略から業務改革、IT導入、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援まで、幅広いサービスを展開。しかも海外拠点の展開も積極的で、アジアを中心にグローバル案件を多く手がけていることでも知られています。
今回はそんなアビームコンサルティングがどんな社風を持ち、どんな案件で強みを発揮し、どのようなキャリアパスを描ける会社なのか、リアルな視点で深堀りしていきますよ。
■会社概要・歴史
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