恋に溺れる。好きに溺れる。愛に溺れる。
私に我を忘れることはできるのだろうか。
どこかおませな幼少期。
いい子を演じる学生時代。
人格者になりたい大人の私。
自分を見失うことが何より嫌いで
何より怖い。
25年。溺れるほどの恋はしていない。
いや、恋はしたのかもしれない。
でもいつも一歩先への直前で立ち止まる。
怖いから。その先は私だけの世界じゃないから。
好きと愛と依存と執着と。
裏表。どれが表でどれが裏か。
私は私を誇示してきた。
そんな私がわからなくなるのは何より怖い。
誰かを好きになりすぎると自分がわからなくなる。
相手に合わせすぎる私。
相手が気になりすぎる私。
自分が後回し。
そんな私は私がなりたい私じゃないの。
そんな私もいるんだって。
受け入れられる日が来たのなら
溺れるほどの恋ができるのだろうか。
あぁ、そんな日でも俯瞰して眺める私はいるんだろうな。
私の世界は好きに溢れてきたのに。
人と人の間を生きるから「人間」
その時にはきっと今よりも深い「人間」になる。