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ピンク映画から始まった私
私自身、少しだけ歌手として活動していた時期がある。今は、映画やテレビの助監督をしながら自分で映像化したいお話をこのコロナタイムを使いせっせと書いているところ。
映像業界に入ったきっかけは、たまたま参加した「フィルムで5分の無声映画を作ろう」のワークショップだった。いつも見ていた映像の裏側がこんなに戦場だったのかと驚き、好奇心に駆られ助監督の仕事を探しだした。それまで歌手をしていた私は映像の学校を出たわけでもなかったので、現場未経験者が飛び込みで仕事を探してもなかなかすぐには見つけられなかった。それに素人のくせに初めての仕事は商業作品につきたかったのだ。スマホ画面に目をしぱしぱさせながら検索していると
「商業作品。少額ですがギャラはお支払いさせていただきます。二日後のインですが助監督募集。未経験でも構いません。面接あり。」
という募集を発見しすぐに連絡を取った。新宿駅西口交番に待ち合わせるとメガネをかけたゴボウのような人が立っていた。タバコの煙でむせ返るような喫茶店に入り、ゴボウ監督とコーヒーを飲む。私は正直に思いを伝えた。
「未経験ですが、とにかく現場に入りたいんです」
「ピンク映画って知っていますか」
あまりピンとこなかった。「性描写を第一義とする映画です。AVとは違い本番行為はありません。商業は商業でも低予算ですし、ギャラも少額です。それに助監督をやっていただくとしてもあなたが出演されてるのかと親御さんが心配することもあるので名前は変えたほうがいいかもしれません。それと女優のケアが最も大切なので女性に助監督で入っていただけると助かります。2日後で急ですが、どうぞよろしくお願いします」という感じに台本を受け取り見事、現場に入る事になった。
私の台本の読み方や前貼りの貼り方、カチンコの打ち方も全てはピンク映画から始まったのです。ピンクだとか本編だとかジャンル分けがいろいろありますが、お芝居というものにジャンルはないんじゃないかな。
また書きます!
追伸:そう、だから、たくさんの裸を見てきました。ありのままの姿は美しい。
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