日本の部屋が物置化する現象について
日本の家には、物置化した部屋がよくある。
元々は別の用途だった部屋が(寝室、書斎など)、いつの間にか物置状態になってしまい、元の用途で使えなくなってしまっている。
うちの実家にもあるし、親戚や友人の家でもよく見か
ける。
ちなみに私が現在住むオーストラリアや、以前住んでいた中国では、モノが多い家はあっても、部屋全体が物置化するケースは見たことがない。
つまりこれは、日本特有の現象なのではないだろうか。
日本の家が極端に狭いわけではない。コンパクトなマンションは、世界中の大都市にある。
やはり元凶は、モノが多いことだと思う。
ではなぜモノが多いのか。
ある日、大阪のレストラン街を歩いていて腑に落ちた。
寿司、うどん、そば、カレー、とんかつ、うな重、らーめん、餃子、パスタ、鍋物、フグや蟹などの専門店、焼き肉、しゃぶしゃぶ、お好み焼き、懐石、天ぷら、串カツ、焼き鳥、牛丼、リストは続くよ。
選択肢がものすごく多い。
これは、レストランだけではない。
文房具屋では、ペンや手帳の種類に目がくらむ。
旅行へ行けば、駅弁やお土産を選ぶことが、一大エンタメ。
デパ地下のスイーツコーナーは、天国かここは?的過剰供給。
本屋もしかり。誰が読むんだ、エスペラント語会話集。
つまり、日本の社会はコンテンツの種類が、異常に多いってこと。
それは家だって同じ。
食器なら、和風と洋風、レンゲとスプーン、やたらと多い小皿の類い。
衣類だって、極寒極暑含む四季に対応して、どうしても種類が増える。
細かいところでは、ハンカチにこだわったり(ハンカチなんて外国でまず見ない)、のし袋の種類とかもすごい(慶事の赤白、弔事の黒白、水引の結び方、派手さ地味さ)。
日本の家のコンテンツ量は、世界平均の数倍はあるに違いない。
いつの間にか物置化する部屋。それは、日本の豊富なコンテンツ文化のなせる業(ワザ)だったのだ。
世界に誇る、ジャパニーズ・コンテンツ。それを恥じることがあろうか。
物置化した部屋とともに、胸を張って生きよう。
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