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「虫の瞳」について

こんにちは
エリア51「虫の瞳」企画者の中野志保です
暑いですね🫠

ちゃんと自分の言葉でこの企画について書こうと思ってたのにバタバタと公演中日まで来てしまいました
早いですね🏃

「虫の瞳」展示の様子はこちらをClick👈🏻ポチッ

「虫の瞳」のビジュアルデザインは、
エリア51の鈴木美結さんにお願いしました

⚠️ご注意ください⚠️

これは中野の文章で、企画参加者全員の声ということではないです。文責は中野にあります。
文章を書くのがあまり得意ではないので、読みづらいかもしれません…
のんびり書きます


企画者について(すっ飛ばし可能)

企画について話す前に・・

はじめまして、中野です🙇‍♂️
エリア51に所属しながら、フリーランスで打楽器の演奏をしています



学生時代から、自分には苦手なこと/他人よりできないことがたくさんあるなぁと思いながら生きていました
コンビニで30分くらい悩んじゃったり、目に見えない大きい音が苦手だったり、複数人と話すのが苦手だったり…
自他共に認めるマイペースさで、仕事や組織では上手くいかなくて迷惑をかけてしまうこともあり、落ち込むときもあります(ずーんっ)

そんな中野ですが、もう7年くらい、好んで続けていることがあります

障がいのある人と関わるアルバイトです

これは先日バイト中に利用者さんと行った梅狩りの写真


バイト中は息がしやすい!
優しくしてくれる利用者さんがたくさんいます。
コミュニケーション手段が言葉ではない人に、頭を撫でてもらう日もあります。
優しいです。

(「介護系のバイトしてます」と言うと「大変だねー」と心配してくださる方がたくさんいます。
たしかに「大変」なこともある。たくさんあるけど、その「大変」はどこからくるんでしょうか…)

自己紹介はここらへんにして「虫の瞳」について書きます📖

企画のはじまり

この企画の基には2019年に発生した「ALS患者嘱託殺人事件」があります

ALSは思考能力と感覚器官を保持したまま、身体だけに障害が出る病気である。発語のための筋力を失った患者の多くは、文字盤等を使用して他人とのコミュニケーションを図るが、円滑な対話は難しく、孤立に陥る。
 2019年11月、二人の医師が、ALS患者の自殺ほう助をおこなった。医師らは患者から「安楽死したい」という趣旨の依頼を受け、130万円で嘱託殺人を請け負い、ヘルパーが席を外している間に胃ろうから薬物を投与して患者を殺害した。

「虫の瞳」パンフレットより

「生」と「死」の在り方を自ら選択する権利を求める

亡くなった患者さんTwitterプロフィールより

患者Hさんのこの言葉に、異論はありません。
逃れられない身体の痛みや変化は当事者以外わからず「生きてほしい」と安直に言うことはできません。

しかし、HさんのSNSを見ると、身体的苦痛に加え、精神的苦痛を強く感じていたことがわかります。

65歳ヘルパー  体ボロボロなのは私のトイレ介助のせいなんだと責める
施設行きになる   あそこに入ったら殺されると脅される
むかついてもやめろと言えない    代わりがいないから
惨めだ

HさんTwitter

やっと何も思わなくなったけどずっと周りの人が来た人にお礼を言うのが不快で仕方なかった.私が言うなら分かるなぜあなた達が?
友人同士でも訪問してくれてごめんなありがとうって

何?私はやっかいな仕事かなんか?

こんなショーモナイこと気にしてるから死にたくなるんやろなー
#ALS

HさんTwitter

#緩和ケア と #安楽死 が同一線上に議論されることに疑問を感じる
緩和ケアとは身体的苦痛を和らげるものであり安楽死は精神的苦痛を取り除くことも担う
私のように耐え難い身体的痛みは無くとも総合的QOLが極端に低いと感じる患者のために
緩和ケアが充実してれば安楽死は不要だとは思えない
#ALS

HさんTwitter

これらの投稿を読んだ私は、この事件を他人事にできなくなりました。

彼女を死に向かわせたのは、Twitterで彼女にアプローチした2人の医師だけではない
彼女が精神的苦痛を受けてしまう社会/彼女を悲観し、死に導いてしまう医師を生んだ社会ではないのか
わたしは…

以降、事件はずっと私の頭の一部を占めています。



言葉がうまく伝わらないこと
働けないこと
身体が多くの他人と異なること

社会から孤立することで不安定になる命の脆さをどう解決していけばいいのだろう

これを考える第一歩として
虫の瞳 孤立を考えるパフォーマンス・アート
をやってみることにしました。

組み立てる

この企画は去年の9月に発案し、とても幸運なことにアーツカウンシル東京【スタートアップ助成】の事業に採択されました。

エリア51の神保治暉さん鈴木美結さん、美術のKana Jeong さんには発案時から色々な相談をさせてもらい、4人で断続的に企画会議をしてきました。
最初は言葉足らずの中野の網膜を知ってもらうところから始まり、どうしたらお客さんが気持ちよく過ごせるか、細やかなところまで一緒に考えてくれました。
この間、マイペースな私の背中を無理に押そうとせず、歩幅を合わせてくれた3人には本当に感謝しています。

出演者

ティーザー動画はこちらをClick👽!!!!

●出演 
中野志保(エリア51)
神保治暉 (エリア51)
高田歩
トム キラン
山本史織
●企画・総合演出 
中野志保 (エリア51)
●空間演出 
Kana Jeong
●演出補佐 
神保治暉 (エリア51)
●企画補佐・ビジュアルデザイン 
鈴木美結 (エリア51)
●制作協力・パンフレットデザイン 
伊藤夏恵(AOI Pro.)
●ティーザー映像監督 
廣戸彰彦(エリア51)
●ビジュアル撮影
池田花梨
●衣装
山田美奈子(エリア51)
●hair&makeup
nErd”(エリア51)
●スタッフ
塩澤剛史(合同会社士言堂)
濱田真実(エリア51)
山田朋佳

今回は
エリア51で演出・脚本をしている神保治暉さん
看護師の経歴を持つ俳優 高田歩さん
ケアマネジャーの経歴を持つ俳優トム キランさん
舞台美術家の山本史織さん
の4名に参加を依頼し
中野を含めた計5名でパフォーマンスをすることになりました。

パフォーマンスアート???という方、たくさんいらっしゃると思います

パフォーマンスアートは視覚芸術の一種で、芸術家が自分の身体を作品のテーマにしたアートです。
パフォーマンスアートが絵画や彫刻といったほかの芸術と大きく異なる点は、パフォーマンスを見る観客がいてはじめて作品が成り立つという、特殊な要素があること。パフォーマンスアートは、時間、場所、パフォーマー、観客という4つの要素によって構成されており、観客は受け身の姿勢で見ているだけではなく、パフォーマーに参加や手助けを頼まれるなどして、パフォーマンスに巻き込まれることもあります。
(略)
パフォーマンスアートでは、パフォーマーは演劇のようにキャラを「演じる」のではなく、パフォーマンスを「行う」ことに徹します。

https://media.thisisgallery.com/art_term/performance-art

「アーティストの動く身体 展」
みたいな感じです💡

パフォーマンスの参加者には中野の問題関心を伝えたのち、
「孤立を考える。」
「個々が自分ごととしてパフォーマンスを立ち上げる。」
の2点をオーダーしました。
また、孤立を考えるための資料として、フランツ・カフカ著「変身」を提案しました。
(虫の瞳というタイトルはこの小説から着想を得ています)

会期前は座談会・ワークショップ・実践をする場「パフォーマンスミーティング」を断続的に設定し、アーティストが各々でパフォーマンスを立ち上げました。

バラバラが結びつく

会場に到着した5つのパフォーマンスは、一つ一つが独立したものでした。
これらのパフォーマンスは「お客さんに鑑賞されること」で完成します。

そして

バラバラの孤立パフォーマンスが、鑑賞者の頭の中で結びつき、その網膜を更新すること

これが私の目指していた「虫の瞳」企画のゴールです。


🙇‍♂️謝罪🙇‍♂️

このnote、昨日26日の朝からずーっと書いていたのに、最終回に間に合わなさそうなので、ここまでで一度公開します・・ずーんっ

今日27日(月)13:30-15:30
デザインフェスタギャラリー原宿
EAST2階にて
最後の「虫の瞳」が行われます

ご興味ある方、ぜひこの企画の完成に携わってください

当日券もあります!
お待ちしています


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Shiho Nakano
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