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華屋与兵衛、家族の思い出と共に
私が小さかったころ、法事の帰り、家族の誕生日、
外食といえば華屋与兵衛だった。
お寿司を中心に、いろんなセットがあって
おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、わたし
叔父さんに、若いお嫁さんの叔母さん、赤ちゃんだったいとこたち。
みんな好きなものを食べて賑やかに
大きなテーブルで食べるのが大好きだった。
いつのまにか祖父が亡くなり、
叔父たちが引っ越し、
祖母も亡くなり、気がつけば華屋与兵衛も
近所から無くなった。
そして今度は母も亡くなり、
私は引っ越し先と仕事場である教室の
通勤路で華屋与兵衛と再会した。
久しぶりに入ると、昔とは違う最新のシステム。
和食屋さんメインで、お寿司は下の方のメニュー。
でも大好きだった冷たいうどんや、
銀杏の入った茶碗蒸しのセットがあった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127898169/picture_pc_776434157cdbae612a47d37d07e36d69.jpg?width=1200)
懐かしい味に懐かしい器。
昨年亡くなった母よりも記憶の遠い、
祖父母が笑う声が聞こえてくるよう。
母の一回忌も終えて、私の結婚式も控え、
そして長年乗り続けた仕事の相棒でもある
愛車の乗り換えも決まり、
春には本格的に新生活がスタートするような気分でウキウキだったけど、
時折寂しさが出てくる。
今日式場で見た参考ムービー。
花嫁が父母に感謝を伝えるシーン。
他人のビデオに号泣しておいて、ビデオプランは頼まなかったけど(笑)
泣いておいてあれだけど、私には伝えるための父も母も他界していない。
母とは3年間病と一緒に闘って、
後悔のないように日々接して来たから、
寂しさもあっても、ここまで生きてて欲しいというエゴは無いけど、でも、
生きていたらビデオを購入してプレゼント出来たかもしれない。
音楽ばっかりやって心配かけたおばあちゃんが
生きてた頃に結婚していたらどうだったんだろうか。
でも華屋に来て思う。
ここに来ると、小さかったみっちゃんに
戻れる気がする。
あの頃は何も持ってなくて、ただの子どもだったけど、それはそれで幸せだった。
幸せな時間を与えてくれて、感謝の気持ちしか無い。幸せというのは大きなことではなく、ほんの小さなことこ積み重ねなのかもしれない。
毎日の中にたまにある贅沢。外食。みんなで集まること。
春からきっともっと本格的に
新しい生活が充実してくる。
でも私の人生の中で、小さなこどもだった
私の事も忘れないために、
そして、祖父母や母の事も忘れないために
たまにはここに来ようと思ったりした。
華屋与兵衛さん。色々と経営も変わると思いますが、これからも続けてくれたら嬉しいです。
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![鈴木未知子|音楽家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17585922/profile_a5a77ef648ad454ae06d2cc87b7a0769.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)