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チャーリー・ワッツへ

現地時間2021年8月24日、ローリングストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが亡くなった。多くの方がきっとそうであるように、まだ受け入れられない。

多くのアーティストがSNSで追悼コメントを出しているが、約60年に渡って共にロックンロールしてきたキースとミックはそれぞれ一枚の写真を投稿しただけで一言も発していない。本当に言葉も無いのだろう。ローリングストーンズのオフィシャルサイトはトップにチャーリーの写真だけを掲げて機能を停止している。

ジェントルな佇まい、すっと伸びた背筋と逞しい胸筋、メンバー紹介での照れたような笑顔、調子に乗ったミックをぶん殴ったエピソード、キースとの相思相愛っぷり、淡々と刻むリズム、スネアを叩くときに抜かれるハイハット、意外とワイルドなタム回し…本当に魅力的な人だった。

世界で最も有名なロックンロールバンドのドラマーでありながらジャズドラマーを自称し、ひたすらシンプルに聴こえながらコピーするのが非常に難しい彼のドラムは、グルーヴの意味を教えてくれた。

一般的にはキースとミックがローリングストーンズのパブリックイメージであり音楽的にも看板背負ってるように思われてそうだが、ミックが歌うだけではストーンズの曲にはならない。優秀なバックバンドを率いたミックのソロツアーで演奏されたストーンズの曲はひどいものだった。キースのソロはけっこう好きだが、ストーンズでのキースの自由っぷりは最高である。キースが言う、「チャーリーこそがストーンズ」の意味はファンならよくわかりますよね。


私が彼を観たのは5回。

1995年、物心着く前、両親に連れられて行ったブードゥーラウンジツアーで1回。当時、音楽にはさして興味なくゲームボーイに夢中であったが、当時のツアーロゴになっていたトゲトゲベロは印象に残っている。

2006年、両親の英才教育が花開きアルバムを全て揃えたビガーバンツアーで1回。一曲目"Jumpin' Jack Flash"の一音目が鳴り響いた瞬間から涙が止まらず、4分くらい泣き続けた。この時は5枚くらいTシャツを買った。

2014年、自他ともに認めるストーンズフリークとなっていた14オンファイヤーツアーで3回。最終公演の"Satisfaction"でメンバーも盛り上がり、締めるタイミングが合わないまま「もういいだろ」とばかりにバチンと終わらせたチャーリーにこのバンドの凄みを感じた。このツアーでは初日にキースの調子が悪く、復活した2日目、"Sympathy for the Devil"のギターソロでギターを弾かずにガッツポーズで花道を歩くキースも印象的だ。ギターを弾くだけがギターソロではないという、並のギタリストにはできない芸当だ。成熟した大御所のコンサートではない、何が起きるかわからない生き物としてのライブを見せつけつつ、それが極上のエンターテイメントになっていた。この時点でストーンズのTシャツは50枚くらい保持していた。

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これは2020年、突然リリースされた久々の新曲、"Living in a Ghost Town"のオフィシャルTシャツだ。この曲でもいつものあのドラムを聴かせてくれた。この黄昏時を思わせるベロマーク。あの時は5年後くらいにまた東京ドームに来てくれて、この曲も聞かせてもらえると思っていた。

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みんな大好き チャーリー・ワッツ

いつも最高のロックンロールをありがとうございました。

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