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33.ねぇ、ママ
全部母と娘息子の短編漫画だった。私は「夕焼けカーニバル」が好きだった。
小さな女の子が骨董屋の女主人を魔女と呼んで、最後は魔女に保護される話なんだけど。決して、母親が最初からダメだったわけではないんだよね。私は小児科勤務が長いから、虐待の研修も受けるし、虐待やネグレクトの話も身近にみるけど最初から子供が憎くて嫌いで、どうでもいいって思っている親はいないことは知ってる。母親だって保護される環境であったことは知っている。知っているからこの話はすごく悲しくて、でもだからこそ魔女の存在が希望だった。
「カラスの鳴く夜に」で捨てたヤニクを捨てた母親が生活が安定したから迎えにきたことは、果たして傲慢で強欲で身勝手なんだろうか。そうだろうな。そして、自分の都合で捨てたりひろいにきたりするぐらいには娘のことは好きだから、余計辛いだろうなヤニクは。どうかヤニクにおだやかな人生を。
この作家さんはささやかな日常を物語にするのが上手だな。マンションを買う話も大好き