ちょっと気になる聞こえの話
「これからの老いと暮らしをデザインする」をテーマに活動している
一般社団法人マリーゴールド(以下マリゴー)代表理事のまりこです。
マリゴーは「誰もが自分の人生を味わい尽くせる社会」を目指し、生きていれば必ずやってくる「老い」を軽やかに受けとめながら生きるためのナビゲーターのような存在になりたいと思っています。
毎月1回の訪問では、高齢者のみなさんのお困りごとや暮らしのこぼれ話をを聞くことがあります。歳を重ねたみなさんに共通するから、個性的な話まで実に興味深い話がたくさん。今回はその中から聞こえについてのお話を。
耳が遠くなると「ドラマ見ていても台詞がわからない」「電話の声が聴き辛い」など、コミュニケーションのちょっとした困りごとが増えてきます。
私たち子ども世代も、親の耳が遠くなったと、つい大きな声で話していると、そのうち疲れて「んーもういい!」と匙を投げてしまう事もしばしば。
しかし、一口に耳が遠いといっても場面によって聞き取り辛さが異なるので、大きな声で話せば伝わるというものでもありません。
何より、年齢を重ねたら耳が遠くなるのは仕方ない、いいえ、最近は解決できることも増えてきています。
現在でも手に入るミライスピーカーがすごい!
こちらの「ミライスピーカー」2020年に発売されたのでご存知の方も多いと思います。このスピーカーを知った時「テレビを爆音で聞いている高齢者の方々に届けたい!」と思いましたがそれなりのお値段のため、オススメするのをためらっておりました。
しかし、使い始めた方がいたので、試しに音を聞かせていただいたところ、
ものすごくクリアな音で聞きやすい!
「前は30以上じゃないと聞こえなかったテレビの音も、ミライスピーカーを通すと8でしっかり聞き取れる。」そう。何より人の言葉が鮮明で、これには私も驚きました。(数字はご本人宅のテレビの音量の数字)
設置はご家族の力が必要ですが、操作が優しく、自分たちの暮らしの質が爆上がりするテクノロジーは、高齢者も抵抗なく手に取れるようです。
鼻から空気で聞こえ辛さが解消した?!
こちらは「耳がつまった感じがする」「音がくぐもって聞こえる」症状に悩んでいた方。もともと、片耳に補聴器をつけるほどの難聴ですが、耳がつまった感じの違和感は悩みの種でした。
コロナ禍で会えない一人暮らし同志の友人との電話は、楽しみであり、お互いの安否確認でもある大切なコミュニケーション。その電話の声が一段と聞き取れず、友人の話がわからないことや、「かかってきた電話を一所懸命聞いていたら詐欺だったことも。何も被害にあってないけど悔しい!!」と、ふさぎ込んでいました。
ご自身は「年齢のせい」と仰っていましたが、急性の症状かもしれないと耳鼻科受診をお勧めしたら「鼻から管を通して空気をふうって入れたら、聞こえるようになった!」と嬉しそうな連絡が入りました。
どうやら「鼓膜が凹んでいて、空気を送って膨らませたらすぐ聞こえるようになった」という事でした。(ご本人からのお話です。同様の症状全てが治るわけではございませんのであしからず)
「耳が治ったことも良かったけど、友達との電話がおっくうじゃなくなったのが、楽しくてね〜」と嬉しそうなご様子でした。
耳が遠くても、聞こえ方の問題は解決できる
「耳が遠くなる」ことは、特徴的な加齢症状で治すことは出来ません。
でも「聞こえ方」の問題には解決できる方法がある。
そして、コミュニケーションの選択肢は、どんどん増えていく未来だと思うと、テクノロジーなんてわからない!と食わず嫌いではいられませんね。